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すべて、お楽しみさ… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.10.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
最近、幼稚園が子どもたちに色々なことを教えるための場になってしまっています。もしくは、その反対に安全だけを確認して放任したままの幼稚園もあります。

でも、いずれの方法でも、子どもがその子どもらしさの中で多くのことを学ぶのは困難だと思います。

色々なことを教えている幼稚園では、その教える内容は「子どもが求めているもの」ではなく、「大人にとって価値がある」と思ったものだけです。

そしてそれが、多くの生徒を集めるための「ウリ」にもなっています。なぜなら、「大人にとって価値のあること」をいっぱい教えてくれる幼稚園の方が価値があると考えるお母さんが多いからです。

お金を払うからには、それに見合う「何か」を得なければ「損をした」と感じるのが現代人です。ですから、その感覚は現代人としては至極当然の感覚です。

そして、幼稚園は利益を上げなければつぶれてしまいますから、お母さんたちのそのような要求に合わせることになります。

その結果、幼稚園が「子どものためのもの」ではなく「お母さんのためのもの」になってしまっています。

でも、「学び」というものは本来「学びたいこと」や、「自分にとって必要だと自覚していること」を学ぶためのものです。

実際、「学びたくないこと」や、「自分にとって必要がないこと」を能動的に学ぼうとする子どもはいないのです。だから、必然的に、大人の圧力によって無理に学ばせることになります。



その結果、「人間」という種において、「その時期に学ぶべきこと」を学ぶことが出来なくなってしまっています。

その「人間という種においてその時期に学ぶべきこと」は、人間のDNAとつながっているものですから、社会の変化に合わせて変化するなどと言うことはありません。

たとえば、「3才までに言葉を学ぶ」というのは、社会的な価値観で決まっているのではなく、DNAの必要性によって決まってしまっているのです。

ですから、それを人間の都合で変えることは出来ません。

最近では、そのように色々なことを教え込もうとする幼稚園が圧倒的に多数ですが、その一方で、大人が教え込むことはせず、ただ、子どもを放任しているだけの幼稚園もあります。大人はただ安全確認をしているだけです。

この場合は、子どもは「自分にとって必要がないこと」を押しつけられることはありません。子どもは自分の価値観に合わせて、毎日の生活に必要なものだけを自分の力で学んでいます。ですから、押しつけられている子どもたちよりも生き生きとはしています。

毎日、「子どもらしい」状態で遊んでもいます。

でも、この場合でも子どもたちは「自分たちの育ちに必要なもの」を学ぶことは出来ません。

子どもたちは毎日同じレベルの子どもたちとしか関わっていません。ですから、「大人になるための学び」が出来ないのです。

たとえば、子どもだけが何人集まっても、「平等」という価値観とつながった「社会的なルール」は生まれません。客観的な意識が目覚めていない子どもたちには「平等」というものが理解できないからです。

野性的な状態で生活している7才前の子どもの群れでは、野性的な「力のルール」しか生まれないのです。



そして、高学年の子や中学生は「大人の社会のルール」を知っています。だから、その「大人のルール」で群れをまとめようとします。だから、最初は「野生のルール」で行動していた幼い子どもたちも、群れの中で遊ぶうちに次第に「人間のルール」を学ぶことが出来たのです。

そして、その「人間のルール」は何千年、何万年とかけて人間が築き上げてきたルールですから、子どもたちが自分たちで発見できるようなものではなく、誰かに教えてもらわないことには学ぶことは不可能なのです。

また、「わらべ歌」などの伝承的な遊びも、その「人間のルール」を子どもたちに伝える働きをしていました。

「わらべ歌」は「鬼ごっこ」のような追いかけるだけの遊びと違って、自分を抑制する働きを必要とするのです。

ですから逆に言うと、「野生のルール」だけで日々遊んでいる子どもたちは、「わらべ歌」で遊ぶことが出来ません。



「わらべ歌」は助け合うことによって成り立っている遊びなのです。

「野生のルール」しか知らない子どもたちに、大人が「輪になりなさい」「手をつなぎなさい」と命令して、「人間のルール」を教えようとしても無駄です。

押しつけられたものは身には付かないからです。子どもは自分の意思で楽しく学んだことでないと身につかないのです。

ですから、大人との関わりが非常に重要になるのです。異年齢のつながりを失ってしまった現代の子どもたちは、大人からしか「人間のルール」を学ぶことが出来ないからです。

ただし、「押しつけない方法で」ということです。その関わり方が非常に重要なのです。


<この後何回か「幼稚園について」書きます。>





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Last updated  2012.10.13 08:08:54
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