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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2023.09.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「言葉」を失うということは「心」を失うことです。
そして「心」が失われれば、言葉の働きによって支えられている心の中の「時間」や「空間」も消えます。
その結果、過去や未来のことや、「ここ」以外の場所のことを考えることが出来なくなります。

当然、論理的に考えることも出来なくなります。
真・善・美や道徳的なことを感じる感性も消えます。美しいものを見ても、美しい音楽を聴いても何も感じなくなります。「それを感じる心」が育っていないのですから。

「部分」は見えても「全体」が見えなくなります。言葉を失うと「全体をつなぎ、支えている関係性」が見えなくなってしまうからです。

想像し、創造する能力も消えます。
自分の意志で行動することも出来なくなります。「何をしたらいいのか」をイメージできないからです。

言葉の表現とつながったからだの動きや表現も出来なくなります。


そして、感情や本能に支配されて生きるようになってしまうでしょう。

まあ、人間が人間とともに生活している限り「言葉」が消えてしまうということはないでしょうが、でも、社会の変化とともに言葉も変化しているのは、誰もが認める事実です。
そして、その言葉の変化に伴って意識や、思考や、心や、感覚や、からだの状態も変化しています。

現代人と100年前、200年前の人は同じ日本人であっても、異なった日本語を使っていました。そのため、100年前、200年前の人と現代人とは意識も、思考も、心も、感覚も異なっています。

ですから、「言葉の断絶」は「意識や、心や、感覚や、からだの状態の断絶」でもあるのです。

それでもまあ、時代の変化とともに言葉が変化するのは古今東西起きていることですから、それ自体はなんの問題もないのですが、問題はその変化の方向性です。

現代社会では、新しい機械が生まれ、社会の状態も、世界の状態も変化してきたので、それらの情報を扱うための言葉はどんどん増えてきています。

昭和生まれの古い人間としては、テレビで偉い人が使っている横文字の新しい言葉が理解できません。

また、古いものを大切にし、古いものから学ぼうとする意識が弱くなってしまったため、世代間のつながりも希薄になってしまいました。そして、世代ごとに「言葉の方言化」が起きています。

若者は「若者語」を話し、おじさんは「おじさん語」を話しています。そしてお互いに言葉が通じません。
それでも成り立っているのが現代社会です。

でもそのため、若者達は過去や大人達から学ぶことが出来なくなりました。「我が輩は猫である」という言葉を聞いても「我が輩」も「である」も分からないでしょう。



「他者を批評するような言葉」は残っていますが、「自分を表現する言葉」は減りました。
子どもに「きみの考え、きみが感じたこと、きみが言いたいことを言ってごらん」と言っても言葉が通じません。またそれを表現する言葉も持っていません。

お母さん達に同じ事を言っても同じような状態です。主観的な感想は返って来るのですが、それを、相手に伝わるような形で言葉化することが出来ないのです。

相手の立場に立って考える能力もまた「言葉の学びによって育つ能力」だからです。

それは例えば食レポで「味はどうですか」と聞かれて「美味しいです」としか答えられないのと同じです。「美味しいです」という感想を言っただけでは、味が相手に伝わらないのです。



「自分らしく生きる」ということは「自分を大切に生きる」ということです。それは、目先の欲求に振り回されて生きるのとは逆のことです。ちゃんと「自分」と向き合っていないと出来ないことです。

でも、今では「自分を大切にする」という言葉の理解も昔とは変わってしまいました。「命」というものに対する価値観や感性が変わってしまったからなのでしょうか。

人と人とのつながりが希薄になり、自分を表現したり、相手の表現を理解する必要がなくなって来たため、「言葉で相手に自分のことを伝える能力」や「相手の表現を理解する能力」が低下してしまったのです。

そのため、「相手の気持ちを思いやる」という事が出来ない子どもや大人も増えてきました。

最近の子は生活の中で「言葉」を求められません。言葉を学ぶ場も少ないです。言われたことだけをやっていれば生活が成り立ってしまうからです。

でもそのような生活が言葉を希薄化させ、人の意識や、心や、感覚までも希薄にし、さらには人間関係や親子関係や人と人のつながりまで希薄にしているのです。





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Last updated  2023.09.11 08:56:07
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