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森の声

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2025.10.26
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昨日は


なぜなら、その「使い方」は「人と人のつながり」を通してしか学ぶことが出来ないからです。


ということを書きました。この「使い方を知らない」というのは、「知識」や「機械」に限ったことではありません。現代人は「意識の使い方」も、「心の使い方」も、「感覚の使い方」も、「頭の使い方」も、「からだの使い方」もあまり知りません。簡単で便利な機械を使えば、そういうものの「使い方」を知らなくても大体のことは出来てしまうからです。

本来、教育において本当に大切なことは「知識を覚えさせること」ではなく「知識の使い方を伝える」ことだったはずなんです。「知識」を教えるのは「知識」を覚えさせるためではなく、「知識」を教える過程で「知識の使い方を教えるため」だったのではないかということです。

「知識」は忘れても本で調べたり、人に聞けばなんとかなります。今だったらスマホという便利なものがあります。皆さんは子どもの頃に学校で学んだことをあまり覚えていないですよね。それでも困っていませんよね。でも、「知識の使い方」が身についていないと困ったことになってしまうのです。「思考力」と呼ばれるものは、「知識の量」ではなく「知識を使いこなす能力」によって支えられているからです。

でも、子どもの頃に暗記ばかりして「知識の使い方」を学ぶことが出来なかった人は、「子育て書」を読んでもその使い方が分かりません。そのため、多くの人が「子育て書」を「子育て指示書」と勘違いしてしまっています。「何時間おきに何CCのミルクを飲ませて下さい」と書いてあったら、その通りにやろうとしてしまうのです。そして、「その通りにやらないと子どもの成長に悪い影響が出てしまう」などと考えてしまいます。

子育てだけでなく、日常生活や人生のトラブルを解決するために必要なのも、「知識」ではなく「知識の使い方」の方です。ネットの世界に「知識」は山のようにあふれています。でも、その知識を有効活用することが出来るのは「知識の使い方」を知っている人だけなんです。「知識の使い方」を知らない人は、その逆に、「山のような知識」に翻弄されて身動きが取れなくなってしまうのです。



そしてその「身についた知識の使い方」が「思考回路」として働くことで、次第に子どもの意識や、思考や、行動にも大きな影響を与えるようになります。だから、教育は「子どもの人格の形成」に大きな影響を与えるのです。
そのことが分かっていないと、シュタイナー教育でやっていることの意味が分からないと思います。

「知識」を「試験でいい点数を取るため」だけに覚えている子は、どんなに勉強しても意識や、思考や、心の使い方を学ぶことが出来ません。そのため「心」は(困った意味で)子どもの時のまま、からだだけ成長していくことになります。

そしてこれは、「知識の使い方」だけの話ではありません。「包丁の使い方」を教えるためには、まず、包丁を持たせる必要があります。最初に包丁を持たせますが、包丁を持たせることが目的ではないはずです。包丁を持たせただけで、その「使い方」を伝えなければ危険極まりないです。そしてその「包丁の使い方」を教えることで、「包丁」というものに即した「頭の使い方」、「感覚の使い方」、「意識の使い方」、「からだの使い方」が育っていくのです。それらの能力は「包丁」がない場でも役に立ちます。



応用問題や文章題のように、自分の頭で考えないと解けないような問題が出されたとき、知識を覚えているだけでその使い方を学んでいない子は途方に暮れてしまうのです。今、その様な状態の子の方が圧倒的に多いような気がします。どうしてそうなってしまったのかというと、社会の近代化と共に、勉強が「子どもを育てるためのもの」ではなく「競争の道具」になってしまったからです。

でも今、会社などは「いっぱい知識を覚えている子」ではなく、「知識をちゃんと使いこなせる子」の方を求め始めているようです。そういう子でないと現場では役に立たないからです。いくら新人教育をしても、「教えてもらったことを覚えているだけの子」は使い物にならないのです。「現場」は生き物ですから。

これは教師という仕事でも同じです。





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Last updated  2025.10.26 09:21:19
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