もりくまの単なる日記

もりくまの単なる日記

2025.08.30
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カテゴリ: 美術館博物館
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​​2025/08/26

​​2025年は昭和100年、戦後80年の節目の年。東京国立近代美術館で開催中の「記録をひらく 記憶をつむぐ」を見てきました。
最近読んだ『星落ちて、なお』の中に戦争絵という言葉が出てきて、これは実際に見てみなきゃと思ったのでした。

​​「戦争記録画」と呼ばれる作品は153点。戦意高揚と戦争の記録を目的として描かれたものなのですが、戦後アメリカに接収。1970年に「無期限貸与」という形で返還されたそうです。
​​開催あいさつの中に「戦争体験をもたない世代がどのように過去に向き合うことができるか、問われています」とありました。
まさに今自分が見ておかないといけないことなんだと実感しました。

館内は撮影NGマーク以外は撮影OKです。
図録は作成しないということだったので、解説もじっくり読んで2時間半ほどでした。

大政翼賛会のポスターは撮影NGでしたが、ポスターがあちこちに貼られ、新聞、雑誌、ラジオ、あらゆるものが戦争一色。そんな中で自分が何を選択できるだろうか考えてしまいました。
左上:大政翼賛会文化部編『詩歌翼賛』1941年
日本放送協会は「国民の誓い」という番組の中で「愛国詩」の朗読のコーナーを開始した。
右上:「グンシンヤマザキブタイ」『コドモヱバナシ』1943年12月

左下:鬼頭鍋三郎《輝く対面》『主婦之友』1941年5月
戦没者の遺族は「誉れの家」、子供達は「靖国の遺児」と呼ばれた。
右下:『主婦之友』1944年5月
「必ず回覧してください。前線の兵隊さんは一本の煙草も分けてのみます。私達も一冊の主婦之友を十人二十人で読み合ひませう」

『家の光』1941年1月 付録「大東亜共栄圏地図」

『家の光』実家でとってたなぁ。その付録にこの時代にはこんな地図が付録でついていたとは。

「社会的に大きな影響を与えた報道に際しては、複数のジャンルから作品が登場し、それらが連鎖することで国民感情に働きかける力が増幅されていった」
部隊の全滅が「玉砕」という言葉で美化され、「特攻」は出撃前の盃をかわす儀式、盛大な旗振りの中、大空へと飛んでいく飛行機、など死のイメージからは程遠い。
今もそうだけど、そこに物語が生まれてしまうとそこから逃れるのは難しい気がする。

満洲国がグラフ誌やポスターなどで取り上げられるようになり、観光パンフレットが登場する。不況に喘ぐ日本国内から新天地を求めて満州へ渡る人が増えていく。

「女流美術家奉公隊」
1943年洋画家・長谷川春子を中心に結成。「戦ふ少年兵」展を開催し、世の母親たちに息子を少年兵として志願させるよう呼びかけた。
この説明書き、読むだに恐ろしいのだけれど「お国のために」これが普通だったのだろうな。そして、私が当時そこにいたら、それに抗うことができただろうか、どうだろうか。


ショップに図録はなかったけれど『戦争と美術1937-1945』という本が置いてあって、ただお値段が結構なお値段だったので、図書館で借りて読もうと思います。







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Last updated  2025.08.30 17:32:09
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かおりーぬ@ Re:起立性調節障害 認知度アップ!(12/28) ご無沙汰しております。2,3年ほど前に…
もりくま4461 @ Re[1]:花モチーフのスヌード(04/30) agehaSwellaさんへ お久しぶりです。ここ…
agehaSwella @ Re:花モチーフのスヌード(04/30) お久しぶりです。 もりくまさんの編み物っ…
sabi@ Re[2]:ギャザーたっぷりプルオーバー(02/28) もりくま4461さんへ 早速ありがとうござい…
もりくま4461 @ Re[1]:ギャザーたっぷりプルオーバー(02/28) sabiさんへ どうも初めまして。 えっと、…

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