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2006.02.05
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秋が口を開いた。
「外に出た時についてきたマスコミに言われた。もしかしたら自作自演じゃないですか?ってな。俺は、その可能性もある、と答えたよ」
秋のその言葉を確信として、マスコミは取り上げたのだ。
明日には圭介の自作自演報道が過熱するに違いない。
「言ったことに後悔はない。なぜなら、その可能性は、俺も思っていたことだったしな」
淡々とした口調で冷静に話す。

「だからと言って・・そんな受け答えなんて・・」
亮太は困った顔をした。

突然事務所の扉が開く。

秘書の大谷明だった。
一目で何かあったのだと確信できる顔色であり、表情であった。

「・・・・・大路社長が・・・事情聴取を受けることになった」
大谷は言い難そうに、か細い声で言った。

「・・・・・・・・はあぁ?」
4人の声だった。

「なっなんでそんなことに」

「目撃者が殺されたニュースを知っているだろう。あの現場は、大路社長が向かっていた喫茶店なんだ」

「・・・・・・!」

「大路社長・・・現場にいたんだ・・多分・・」

「多分・・って大谷さんはいなかったんですか?」


「うん、僕はいなかった、マスコミを撒くために、社長自ら途中で車を降りて勝手に行ってしまったからね、僕は携帯待ちの待機だったんだけど、あまりにも遅いので行ってみたら・・こういうことさ。」
大谷は溜息をついた。
それは、社長への情けなさからか、それとも、これからの展開に対してかは、SGMの4人にはわからなかった。

「じゃあ社長しばらくは・・・」

「・・というよりも、ひょっとしたら、誘拐事件が解決まで・・・ずっと・・」



電話の呼び出す音が鳴り響いた。
あまりにも突然すぎて全員の身体が強張る。
音の主は、大谷の携帯だった。
慌てて携帯を取り出した大谷は着信の相手も確認せずに、電話に出た。

「はい。」
相手は警察か、それとも、大路社長なのか。
大谷は電話を耳に当てたまま、事務所を飛び出していった。

大谷が出た後に、今度は事務所の電話が鳴った。
亮太が電話を見る。
他の3人も電話に出ろというアイコンタクトを向けた。
仕方なく亮太は電話に出た。

「社長いるか」
いきなりの機械音声。
亮太は犯人だと直感した。

「いえ・・今は・・いません」

「そうか・呑気だな・こんな時に。」

「あっあの!失礼ですが!・・・どちら様ですか?」

少しの間があって・・機会音声は・答えた。
「・・・・・・とっくにご存知なんだろ?」

亮太はゴクリと唾を飲み込んだ。
「・・・・圭介は無事か。」

プツリと電話は切れた。

つづく。

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最終更新日  2006.02.05 21:29:53
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