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2005.03.27
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ユリ迷宮

~講談社ノベルス~

「ロシア館の謎」第一次世界大戦後、ロシア。「吹雪の館」に暗号文を届けた私たち。しかし、私の仲間が館の令嬢と宝石を盗んで逃げた。私は彼らを追うが、彼らは死んでしまう。館に引き返した私だったが、館は跡形もなく消えてしまっていた。
「密室のユリ」推理作家がマンションの一室で殺された。ドア、窓ともに施錠された、完全な密室状況にように思われた。
「劇薬」敵の多い長坂善蔵に、何枚も脅迫状が届けられた。彼は、二階堂蘭子のもとへ相談にくる(高圧的な態度だったが)。コントラクト・ブリッジ(トランプのゲーム)のパーティーを催すので、そこに参加して、誰が俺を殺そうとしているのか指摘してくれ、というのだ。蘭子は用事があり、初日からパーティーに参加することはできなかったが、黎人が赴いた。しかし、そこで、善蔵は毒が原因で、死んでしまう。

 ふと思いついて、本作を再読しました。
 さて、「ロシア館の謎」は、とても面白いです。巨大な館が、わずかな時間の間になくなってしまう-。こんな魅力的な謎が提示され、そして解決されます。とても面白いのですが…。これは、喫茶店「紫煙」で行われた「殺人芸術会」の月例会の中で、アルフレッド・カール・シュペアが語る、という構成をとっています。第二節の冒頭は、ちゃんとかぎかっこで始まっているのに…もうちょっと、人に話している、という風に書けないものでしょうか。単に一人称スタイルの地の文を読んでいるようにしか思えませんでした。細かい指摘ですけどね。
「密室のユリ」は、一応「密室」というのが主題になっていますが、それよりも犯人を告発するかけひきのところが面白かったですね。
「劇薬」は、衆人環視の中の毒殺事件。有栖川有栖さんの「ロシア紅茶の謎」と、「モロッコ水晶の謎」(それぞれ同名の短編集に収録)が想起されます。オーソドックスなミステリですね。






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Last updated  2005.10.15 19:09:16
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