のぽねこミステリ館

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2006.05.24
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透明人間の納屋

~講談社、2003年~

 母子家庭のぼく。ぼくは、隣の真鍋印刷ではたらく真鍋さんのところに毎日のように行っていた。真鍋さんはいろんなことを教えてくれた。食事も、しばしば一緒にとっていた。
 真鍋さんのところにときどき訪れる女性-真由美さんは、ぼくや、ぼくの母親のことをひどく悪く言っていた。真鍋さんと真由美さんが激しく言い争うこともあった。
 その真由美さんが、ホテルの一室から失踪するという事件が起こった。彼女の婚約者、太一が一緒に部屋にいた。太一がしばらく眠っている間に、真由美さんは消えていた。部屋の正面では、ホテル従業員が作業をしており、だれも部屋から出ていないと証言する。窓からの脱出も、不可能のように思われた。
 失踪から五日後、海で女性の死体が見つかる。真由美さんと同定されるが、そこはホテルからアクセスの難しい場所であった。いかに女性は部屋から抜け出したのか。誰に殺されたのか。
 事件が謎を残した。その頃、真鍋さんは、ぼくに何度か話してくれていた「外国」へと出発した。日本に、二度と戻ってこないだろうということだった。

 ホテルの一室からの人間消失事件。わくわくする謎でした。
 真鍋さんのところにある謎の機会。透明人間になる薬を使う機械だ、と真鍋さんが説明し、「ぼく」に証拠を示しているところなど、どこか幻想的でノスタルジックな気分になりました。主人公が子どもだから、というせいもあるでしょうか。

 …と思い、いろいろ書こうと思ったのですが、あまりに政治的なことになりますし、こんな個人のブログに過激な反応があるとは思いませんが、自粛するとします。共産主義って、理想だけきけば素敵ですが、理想を実現できたためしが(ほぼ)ないんですよね(19世紀末に試みにそういう共同体を作った人々がいる、ということは認識していますが)。とまれ、某国について描かれています。その国について書いている本もいろいろあるのでしょうが、不勉強で読んでいません。島田さんが、もっと大々的にとりあげて書いてくれたらなぁ、などと思いました。

 なお、本書は「かつて子どもだったあなたと少年少女のための"ミステリーランド"」第一回配本の作品となっています。箱から取り出すと、表紙が怖いです。





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Last updated  2006.05.24 15:39:16
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