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2006.09.02
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カクレカラクリ

~メディアファクトリー、2006年~

 2006年、コカ・コーラが120周年を迎えたそうで、本書はそれを記念した作品だとか。昨日、本書を購入した際の記事にも書きましたが、本書はドラマ化されて9月13日に放映されるそうです。映像向きの作品ですね。
 さて、ではいつものように内容紹介と感想を。

 2006年。古い鉄道や建物などに興味がある郡司と栗木は、同じく工学部学生の花梨と親しくしたいと思っていた。花梨の村の廃工場が雑誌で取り上げられていて、それを話題にしていると、花梨から声がかけられた。うちに泊まってもいいよ、というのだ。
 そこは、寂れていく村だった。花梨は村の二大名家の一つ、真知家の長女であり、大金持ちである。二人は離れに泊めてもらうことになった。花梨の妹の玲奈、その友人山添太一もともに行動し、工場などを見て回る。その中で、郡司たちは村に伝わる隠れ絡繰りの話を聞く。
 120年前。玲奈たちの部活の顧問であり、理科教師の磯貝の祖父の祖父、磯貝機九郎が隠れ絡繰りを作ったという。それは、120年後に動き出す、というのだ。どこにあるのか、120年後(すなわち今年)何が起こるのか、村の人々は知らず、いまでは知ろうともしない人の方が多いくらいだった。
 機九郎が残した碑石に記された暗号など、謎に迫るヒントは、さらに謎を呼ぶ。廃工場の見学もしながら、郡司たちは隠れ絡繰りの謎に迫っていく。

 寂れた村。対立する旧家。120年前から伝わる伝承……。どこか、いままでの森さんの作品とは雰囲気の違う要素がたっぷりです。主題は120年前に作られた隠れ絡繰りの謎を解明すること。推理を進める過程など、わくわくしながら読みました。

 クライマックスでは、陳腐な表現ですが、感動しました。ドラマでどう表現されるでしょうか。わくわくします(私はドラマは見ないかもしれないと思っていましたが、気になってきました)。ラストも良かったです。こういうかたちで泣かされそうになるとは…。
 謎解きの過程もとても面白いのですが、登場人物が魅力的な人が多く、そのドラマが面白かったです。
 本書では三カ所付箋を貼ったのですが、一つは、磯貝先生が作った、蒸気薪割り機が出てくるシーン。薪をくべて動力源にし、そして薪を割る。先生がこれを作った理由が、とても印象的でした。

 蛇足ですが、コカ・コーラとのコラボレーション作品ということで、コーラがたくさん出てきました。





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Last updated  2006.09.02 12:04:04
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