のぽねこミステリ館

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2007.04.21
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~光文社文庫、1988年~

 ミステリとしても面白いトリックもでてきますが、二時間サスペンスドラマの雰囲気です。簡単に内容紹介と感想を。

 職場では、気位の高い冷たい女で通っている私―岡江綾子には、人にはいえない趣味があった。テレフォン・セックスである。
 友人の美枝子が遊びにきたとき、彼女は間違い電話をしてしまった先の相手が、卑猥な誘いをしてきたという。興味を覚えた綾子は、その夜、美枝子が言っていた(と思われる)番号に電話をかけた。そのとき、電話の向こうから「助けて!……殺される!」という声が聞こえた。
   *
 美枝子によれば、彼女の兄の妻が失踪したという。失踪したと思われるのは、まさに綾子が電話をかけた日のことだった。美枝子の兄が、警察に疑われているらしい。しかし、美枝子の話によれば、綾子が電話をかけた時間に、兄のアリバイははっきりしていた。そこで、綾子は、警察に匿名の投書を書く。

 さらに綾子が調べていくと、美枝子にだまされていたことを知り、なんとか彼女に復讐しよう…というストーリーです。美枝子のなぞめいた素振りもわくわくするのですが、さらに、主人公が秘密を抱えていることも、サスペンスの雰囲気を盛り上げますね。
 記事の冒頭に、ミステリとしても面白いということを書きましたが、謎解きメインの物語ではありません。途中から、綾子VS美枝子という図式がはっきりしてきますので、その二人の駆け引き(というか、綾子の復讐劇)に手に汗握るといったところですね。





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Last updated  2007.04.21 06:52:08
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