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2007.09.02
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~角川文庫、2000年~

 「いちばん初めにあった海」「化石の樹」の二つの中編が収録されています。

「いちばん初めにあった海」
 言葉を失った堀井千波が、いづらいアパートから引っ越してしまおうと片付けをしているときに出てきた一冊の本。『いちばん初めにあった海』というタイトルのその本にも覚えがなかったけれど、その本の中には、<YUKI>という人物からの手紙が入っていた。入院していたときの千波に向けた文章から、8年前にもらったのだろうと想像はついたけれど、<YUKI>という人物に心当たりがなかった。しかし、その手紙に、「わたしも人を殺したことがあるから」という言葉に、とても気がかりになる。千波の心を引き寄せる『いちばん初めにあった海』という本とともに、<YUKI>からの手紙は、千波の心の封印を解き始める。

「化石の樹」
 大きな金木犀のうろの中から出てきた、一冊の古びたノート。そのノートには、一人の少女と、大きな子供というべきその母親にまつわる事件が描かれていた。少女が母親を殺したのではないか―ノートを書いた保育士は、その疑念を、封じ込めていた。

ーーー

 大好きで、私にとってとても大切な作品の一つです。もう何度も読み返していますが、何度読んでも泣かずに読めません。
 こんなにも(私にとって)大きな作品なのに、ほんの600円ほどで買える文庫本なんだなぁと考えると、なんだか不思議な気分になります。少なくとも、素敵な物語をたくさん読むことができるということは、幸せなことだと思っています。
 少し時間ができたので本書を読もうと思ったのですが(泣くのは分かっているのでとても電車では読めません)、本を手に取り、表紙を眺めるだけで、なんだか感慨深くなりました。





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Last updated  2007.09.02 06:47:09
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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