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2007.10.22
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~講談社、2007年~

 『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞してデビューされた真梨さんの第4作です。タイトル通りどろどろした話でした。

 弁護士の「私」の一人称で物語は進みます。休養のためパリに行くと決めた彼は、航空券を買いに行ったところで、一組の男女に眼をとめる。一人は、スキャンダルで芸能界を去った神崎ゆりこ。もう一人は、その後に詐欺と殺人の容疑で逮捕される斉藤啓介だった。
 飛行機で、ゆりこの母、辰子に話しかけられた「私」は、さらに事件に興味をもつ。パリでも、斉藤の事件に関する記事を読み、辰子に話を聞きに彼女のホテルを訪ねる。そこで、ゆりこが日本に戻っていたことを知る。
 帰国したゆりこは、すぐに斉藤との共犯の容疑で逮捕された。辰子は、「私」にゆりこの弁護を依頼する。

 金さえ手に入れば愛想がよいが、金が自由にならないと他の男を求めるゆりこ。泥沼にはまっていく斉藤。娘を利用する辰子。斉藤を詐欺に巻き込む金田。不快な物語ですね。
 物語の核心はやがて、「私」がゆりこの保釈を勝ち取れるかどうか、という部分になっていき、このあたりはそれなりに面白かったです。
 『孤虫症』が、気持ち悪いながらも面白いと思えたのでその後の作品も読んでいるのですが、インパクトが薄くなってきているような気がします…。





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Last updated  2007.10.22 06:49:36
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