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2007.12.05
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~講談社ノベルス、2007年~

 『きみとぼくの壊れた世界』の続編です。前回、探偵役をつとめた病院坂黒猫さんのいとこ、病院坂迷路さんが基本的に探偵役をつとめます。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
 上総園学園の中等部一年、ぼく―串中弔士は、なんの変化もない、単調な毎日、単調な日常に、なんらかの変化を起こそうと試みていた。たとえばそれは、お弁当を持って行くのをあえて忘れるような、小さな変化を起こすこと。その変化で、なにか非日常な世界が開けるのではないか…。
 お弁当を、学園の三人奇人の一人にして姉の串中小串が届けてくれ、図書館ではしゃぐように話したものの、物足りないぼくに、姉は、女子に告白することをすすめる。ぼくは、三人奇人の一人で嘘しかつかない童野黒理―ろり先輩に告白しようと試みるも、ろり先輩に避けられ、同じく三人奇人の一人、崖村牢弥と話をすることに終わる。
 さらにぼくは、同級生のふや子さんに告白しようとして、彼女を時計塔の頂上に案内する。分針がとまってしまっている時計塔は、ぼくには非日常の出来事を予感させるものであったが、非日常など起こりもしなかった。
 結局、ふや子さんに告白するこもせずに終わった、その日の翌日。学校に着いたぼくは、強く非日常を予感する。時計塔の分針が、動いていたのだった。そして、時計塔の下のあたりに群がる多くの人々。その場に居合わせた病院坂迷路が人混みに近づいていくと、人混みはすーっと道をあけていく。「静かなる人払い令」の名をもつ病院坂迷路は、だれもが接触をさける一人奇人であった。そして、開けた人混みの向こうには、転落して死んでいる、姉―串中小串の無惨な遺体があった。

ーーー

 なかなか面白い物語でした。
 病院坂迷路さんが、いっさい何も口にせず、表情だけで串中くんとコミュニケーションしているのが楽しいですね。そんな馬鹿なというツッコミをしなければ、これは楽しめます。彼女から送られるメールもすごいです。
 ミステリの要素も良いのですが、本作で面白かったのは、串中くんの言葉遊びですね。シュールな会話をときどき紹介したりしていて、楽しめました。
 また、本作では、登場人物が将棋の駒になぞらえられています。久しく将棋をしていないので、久々にしてみたくなりました(下手なのですが…)。





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Last updated  2007.12.05 06:40:30
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