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2008.11.22
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~新潮文庫、2008年~

「異端の民俗学者」蓮丈那智先生が活躍するシリーズ第3弾です。4編の短編が収録されています(第4話の表題作は、中編と呼んでも良いくらいボリュームがあります)。
 では、それぞれについて簡単に内容紹介を書いて、感想を。

ーーー
「憑代忌」 蓮丈研究室の助手・内藤三國の写真が学内に広まっていった。彼の写真を犠牲とすることで、蓮丈の厳しい評価もくぐりぬけ、無事に卒業できるという噂ができたらしい。ちょうどその頃、那智は内藤と新しい助手・佐江由美子を調査に向かわせる。そして、調査先の邸宅の家宝である人形をめぐり、事件が起こる。

「湖底祀」 鳥居に関するレポートを下読みした内藤は、そのまま那智エマージェンシーコールにより、出張をよぎなくされる。そこには、円形でもないのに円湖と呼ばれる湖の底に、神社跡があるのではないかという説を唱えた民間研究者がおり、湖の調査が進められていた。そして、鳥居をめぐって事件が起こる。

「棄神祭」 学生時代に、那智と狐目の男が遭遇した殺人事件の起こった旧家へ、ふたたび那智たちは訪れた。3年に一度神像を燃やすという独特の儀式がちょうど開かれることもあり。そして、祭りにまつわる謎とともに、殺人事件の真相が暴かれる。

「写楽・考」 「仮想民俗学」を提唱する「式直男」という謎の人物に興味を引かれる三國と由美子。そして、高知で那智が巻き込まれた失踪事件の、まさに失踪した人物こそが式直男という。式直男はなぜ消えてしまったのか。そして式家に伝わるカラクリ箱と、「べるみー」という画家の正体は…。


 最初の3編がだいたい60ページずつくらいなのですが、表題作は130ページと、読み応えある作品となっています。
 佐江由美子さんがメンバーに加わったことも覚えていないまま、読み進めましたが、いやはや、面白いです。北森さんの他のシリーズは読んだことがないのですが、こちらは民俗学を題材にしていることもあり、興味深く、楽しく読み進められます。…しかしまぁあらためて考えると、私が民俗学をしていたとして、蓮丈先生にC判定以上をつけてもらえるのかと、不安になってきますね…。考える力と発想力の乏しさが恨めしいです…。
 それはともあれ、どの作品も楽しく読みました。けれど特に、表題作はぞくぞくしながら読みました。
 北森さんも、いろんなシリーズをリンクさせておられるようですが、とりあえずは他のシリーズまでは手をのばせなさそうです(いずれ余力ができればあるいは…)。でも、このシリーズはこれからも追っていきたいです。
(2008/11/19読了)





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Last updated  2008.11.22 08:35:10
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