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2009.02.24
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~講談社ノベルス、2000年~

 Vシリーズ第5作です。ついにエンジェル・マヌーヴァや各務亜樹良さんも登場し、Vシリーズもますます佳境に入っていきます。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
某年、11月。

 有名ジャーナリスト・各務亜樹良に呼び出された保呂草潤平。まず、各務が女性であることに驚く。
 そして、各務からの依頼は、半年前にフランスから日本に戻ってきた有名画家・関根朔太のもとにあるという秘宝(魔剣)、エンジェル・マヌーヴァを盗み出してほしいというものだった。
 なんとか関根に近づく手段はないかと試案する保呂草に、小鳥遊練無から思いがけない誘いが入る。朔太の娘、関根杏奈が所属するチームによるフライト・ショーへの誘いだった。

 練無は、憧れの先輩、杏奈からフライト・ショーの招待券をもらう。そこで、香具山紫子、保呂草潤平、森川素直、瀬在丸紅子、紅子の息子のへっ君、その使用人で拳法の師匠の根来機千瑛も誘い、森川の姉のワゴンで出発する。
 ところが、当日、事件が発生する。一度演技を終えた後、ふたたび飛び立った4つの飛行機のうち、2台に異変が起こる。二人乗りの飛行機の中、後ろに乗っているパイロットが、背中から銃撃されて死亡していたのだった。しその飛行機に乗っていた自称ジャーナリスト・アシスタントも現場から逃走していた。
 会場にきていた刑事の祖父江七夏たちに協力しながら、練無は事件の謎に挑む。
ーーー

 内容紹介でも、あえて事件の謎に挑むのは練無さんだと書きましたが、本作は練無さんの物語だと思います。
 事件自体は、空中での完全密室の中で起こった殺人事件と、謎は魅力的なものの、割合地味な印象も受けます。それは、保呂草さんの逃走劇や、本作のもう一つの大きなテーマである関根朔太やエンジェル・マヌーヴァの存在が大きいからかもしれません。
 最終章とエピローグでは、涙がおさえられませんでした。ちょっと文字色を反転させて書いておきます。(ここから) 今回は、最初から最後まで練無さんと紫子さんの仲がちょっとぎすぎすしてしまうのですが、きっとそれがあったからこそ、第九章で練無さんを抱きしめる紫子さん、その二人の姿がとてもきれいに感じられたのだと思います。S&Mシリーズから再読してきて、Vシリーズはなかなか登場人物に感情移入できないでいたのですが、今回で、この二人の大ファンになりました。 (ここまで)

 それでは例によって、付箋をはったところの引用もしておきます(文字色反転)。

木の葉は偶然にも、私の足もとに舞い降りる。こんな奇跡的なことが無限に発生して、日常を形成するのだ。
( 18 頁)

(2009/02/21読了)





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Last updated  2009.02.24 06:34:25
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