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2009.07.13
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~文春文庫、2001年~

 土屋賢二先生のエッセイ集です。

 今回は、土屋先生風のユーモアにも良い意味でなれてきたせいか、いろんなところで笑ってしまいました。なので、電車の中で読んだときは笑いをこらえるのが大変でした。
 笑えたので面白かったのは、ずいぶんタンメンが登場すること。エッセイでいえば、「あなたの健康法は間違っている」が楽しかったです。中でも、(反転)「 できるだけまんべんなく食べるのが大切である。たとえば朝はソーメン、昼はラーメン、晩はスパゲッティと和漢洋そろった場合、グランドスラムを達成したようで気分もよい 」(ここまで)という一節は秀逸だと思います。電車で読んでいていちばん大変な部分でした。
「岡山県人の特徴」も、岡山県人としては嬉しい一編でした。岡山弁が楽しいです。

 と、ユーモアの方ももちろんなのですが、今回は考察が興味深いエッセイもいくつかありました。「もしかしたら私は自由でないかもしれない」「首相になれといわれたら」「ナンセンスの疑い―「わたしってだれ?」って何?」などは、特に興味深かったです。「首相になれといわれたら」で、首相へのいわゆるぶらさがり取材についてふれられていますが、このエッセイで指摘されていることが本来求められていることなのだろうと思います。しばらくテレビを(なので当然ニュースを)見ていないので分かりませんが、いままでに見たことがあるそれを思う限り、今のようなぶらさがり取材はあまり有意義ではないように感じました。

 また、「不死の薬」では、人間が空想的な快楽を求める場合(たとえば不死の薬)、いかにそれが自分勝手で十分な考察にもとづいていないか、というところに気付かされました。不死の薬があったとして、本当にそれが欲しいですか? というわけですね。



 今回は、考察が興味深かったエッセイについていろいろ書いてみましたが、もちろんそれらにもユーモアのセンスは光っており、それも含めて楽しく興味深かったです。

(2009/07/10読了)





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Last updated  2009.07.13 06:38:00
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