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2009.07.16
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~講談社ノベルス、2001年~

 舞城さんの第二長編で、デビュー作『煙か土か食い物』の続編になります。デビュー作の内容が踏まえられているので、発表順に読まないと分からないかもしれません。
 では、簡単に内容紹介を書いたうえで、感想を。

ーーー
 奈津川三郎は、マネキンを田んぼに埋めている少女を目撃する。それが、ユリオとの出会いの始まりだった。
 ユリオが、マネキンの頭部にゴミ袋をかぶせてそれを田んぼに埋める姿は、あの連続主婦殴打生き埋め事件を連想させる。三郎が彼女を尾行すると、彼女は何度もその行為を繰り返していた。
 同時に、四郎が、連続主婦殴打生き埋め事件の犯人の続きをしようとしている者の存在に気付き、犯人を追っていた。
 さらにほぼ時を同じくして、陰惨な殺人事件が繰り返される…。


 刊行当時(少なくともその年内)に買って読んでいるので、もう8年ぶりの再読ということになります。時間が経つのは早いですね…。

 内容紹介がなんとも書きにくいですが、とにかくいろんな事件、要素がてんこ盛りの作品です。そして、デビュー作よりもさらに、狭義のミステリ(事件と謎の提示→捜査→論理的解決)的な要素が薄くなっています。
 なんというか、デビュー作が割合明快で分かりやすかったのに対して、本作はいろんな要素や事件が多すぎて、そして論理的解決に重点を置いていないこともあって、分かりにくいように思います。
 ですが、本作は、初読のときにとても印象に残る部分があった作品でもあります。それは、
(反転)「 ある種の真実は、嘘でしか語れないのだ 」(ここまで)
 という言葉です。
 主人公の三郎さんが愛媛川十三という筆名の作家ということもあり、本作では物語に関する考察も多く、それが初読のときも今も、興味深かったです。

(2009/07/12読了)





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Last updated  2009.07.16 06:36:14
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