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2015.08.08
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  • 55塙侯爵一家.jpg


~角川文庫、1978年~

 ノンシリーズの中編2編が収録されています。
 簡単に、それぞれの内容紹介と感想を。

―――
「塙侯爵一家」
 ロンドン橋近くのバーで、畔沢大佐は、絶望にひたっている一人の青年を連れ去った。青年―鷲見信之助は、資産家の塙侯爵の7男、塙安道とうり二つだった。大佐は、アヘンにおぼれた安道を、思い通りに操れる信之助とすり替え、塙侯爵の跡継争いに勝利し、大きな目標を果たそうとしていた。
 帰国後。安道を憎む姉を、何者かが襲う。さらに、塙侯爵その人が誕生祝の日に何者かに殺害され、安道と兄との相続争いは激しさを増していき……。

「孔雀夫人」
 有為子は、夫の俊吉との新婚旅行の初日、電車の中で急に夫の態度が変わったことに不安を覚える。宿で、俊吉に届けられた何者かからの手紙、そしてそれを受けての夫の外出に、彼女の不安はピークに達する。同じく宿を出た有為子は、夫と紫色の服の女が一緒に歩いているのを目撃し……。
 そして、海から、紫色の服の女の死体が発見された。夫の俊吉は、殺人容疑で捕まってしまう。被害者と目されたのは、有名な医学者にして俊吉の恩師の妻である、通称孔雀夫人。悪名高いその女を殺したのは決して夫ではないと信じる有為子のため、彼女の友人の圭子、そしてその夫で新聞記者の慎介が、真相解明に尽力する。
―――

 表題作は……。ん?という感じでした。真相がちょっと…? ですが、サスペンスフルな雰囲気に、安道自身、そして彼を取り巻く人々の愛憎といった部分はたいへん面白かったのです。

 いずれも戦前の作品(前者は昭和7年(1932年)、後者は昭和12年(1937年)ですが、やはり語り口の面白さは抜群です。ぐいぐい物語に引き込まれます。

※表紙画像は横溝正史エンサイクロペディアさまからいただきました。





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Last updated  2015.08.08 19:25:52
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