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2016.12.24
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(島田荘司『島田荘司全集V』南雲堂、2012年、5-163頁)


島丘弓芙子さんと蓬田夜片子さんが活躍する 『消える「水晶特急」』 の続編です。
 では、内容紹介(初回記事を再録)と感想を。

ーーー
 1985年12月6日。
 12月10日の上海行きを前に、女性誌『L・A』記者の島丘弓芙子は、上海写真展を観に行った。展示室そばの喫茶店でコーヒーを飲んでいると、稲村という男がやけに親しげに話してきた。
 その男と別れてから、島丘は首筋に視線を感じた。視線の主は、ブルーのチャイナドレスを着て、つば広の帽子をかぶった女だった。自分に向ける痛いようなその視線の理由は、なんなのか…。
 その日、同僚の蓬田夜片子は、プリンスホテルの取材で、「上海レディ」こと、林翠玲という女性を知る。化粧品メーカーS社のキャンペーンガールの彼女は、島丘にそっくりだった。
 上海レディの写真を見せられ驚いた島丘は、自分が体験した話を語る。展覧会の会場をあとにした彼女は、帰り道で、空からレンガが落ちてくるという「事故」に遭遇していた。そのとき上を向いた彼女は、ビルにいる上海レディを見ていたのだった。

 ついに、上海に向かう「鑑真号」に乗ることになる。ここにもやはり、上海レディは乗っていた。そして、船上で起こった殺人事件。島丘は、上海レディが犯人だと主張するが、そんな女は船上のどこにも存在していなかった。
ーーー

 島丘さんの視点で語られる、とてもサスペンスフルな作品です。
 自分そっくりの女が、自分につきまとい、殺そうとしてくる―。しかも、船上では、誰に聞いても「上海レディ」はいないと言われ、島丘さん自身の妄言が疑われる。この状況にはらはらしながら読み進めました。
 実際に殺人事件が起こってしまい、島丘さん自身も何度も切り付けられるあたり、前作よりも重たい状況です。
 気になる展開に、ぐいぐい引き付けられる物語でした。





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Last updated  2016.12.24 15:40:05
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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