仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2009.04.11
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カテゴリ: 東北
昨日は仙台で25度を越える陽気。まさに花見日和だが、ニュースでは、乾燥により山火事が起きやすいので、火の元、火の取扱には注意するよう呼びかけていた。

実際、山火事が起きている。昨日(10日)日昼には、一関市大東町摺沢で山火事が発生し、県防災ヘリが消火。山林8ヘクタールと小屋1棟が焼けたが、付近の国道456号線が5時間にわたり通行止め、JR大船渡線が2時間にわたって運転を見合わせ、付近の住宅も自主非難などの事態となった。

宮城では角田市島田で、10日夕方、住宅全焼の火が裏山に燃え広がり、山頂を隔てた隣の山元町は夜に、30世帯人に避難勧告。こちらも、今日の夜明けから県の防災ヘリなどが出て、消防と自衛隊も山に入り、消火活動が再開しているが、広い範囲で燃え続け、これまで80ヘクタールの山林が焼けているという。

弘前市では、10日昼から、山林や枯れ草など林野火災が7件相次いだ。このうち弘前市鬼沢では、リンゴ畑周辺の林などが広い範囲にわたって焼け、県の防災ヘリなどが出動。弘前周辺では強風が観測されたことも要因のようだ。

福島県塙町では、住宅裏山で燃やしていたゴミの火が下草に燃え移り、逃げ遅れた男性が犠牲となった。

このように、実に多くの山火事が起きている。

総務省消防庁の サイト によると、日本は山林面積の割合が多く、山火事も多い。1日当たり7件。そして、春先に多い。これは、降雨量が少なく空気が乾燥し、強風が吹く中で火入れが行われたり、山菜採りや森林レクリエーションなどによる入山者が増加することなどによるものと説明されている。

林野庁の サイト

東北地方の主な山火事を拾ってみた。宮城県のサイトにある 資料 から。
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焼失面積の大きい順に

1 昭和58年、利府町・仙台市・泉市ほか 580ha
2 平成14年、丸森町 162ha
3 平成17年、村田町・名取市 43ha
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昭和58年のものは稀に見る大規模な火災で、いくつかの気象条件が重なったためとされている。それは、4月27日伐採木の焼却作業を行っていたところ、穏やかな天候が昼過ぎから急変。竜巻状の突風により残火が飛散され、瞬時に四方から火の手が上がった。風による予測不可能な火点の拡散が消火を困難にさせ、森林860haと住宅6戸7世帯を焼失させる大惨事となった。当日を含めて、宮城県は異常乾燥注意報(現在は乾燥注意報)が7日間の長期にわたり継続発令されていた。

同資料に整理されている国内の大規模林野火災をみると、東北分では、
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(三陸大火と呼ばれる戦後最大の林野火災)
平成9年 花巻市・紫波町 320ha
(東北自動車道紫波SA寸前まで延焼。自動車道を通行止め)
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が掲げられている。なお、東北分ではないが、昭和46年の広島県呉市の災害は、消防職員18人の殉職を生じ、林野火災における人的被害として最大だそうだ。以前は、数千ha規模の山火事が例年発生したが、空中消火が導入された昭和50年以降は被害面積も激減し、1,000haを越える火災はほとんど発生していないそうだ。



5月29日午後、台風崩れの低気圧通過でフェーン現象が発生。風速20~30mの風が吹き、最高気温は29.6度まで上昇。下閉伊郡新里村二又の山林で製炭窯の亀裂から漏れた火から火災が発生した。強風にあおられ火は、普代町、岩泉町、田野畑村、大老町、山田町、宮古町に延焼拡大。宮古・下閉伊地区の空をまっ赤に染めたという。7町村にわたって林野40,366ha、建物53,047m2を焼損。焼損棟数1,062棟。建物被害としても林野火災としても戦後最大の火災となり、死者5人、97人が負傷、損害額は建物22億円、林野関係38億円と最大規模となった。起伏ある山地での注水消火活動には困難が伴ったが、2日後の31日夜に至って鎮火した。

なお、昭和36年は、青森県八戸市大火(焼損棟数720棟、焼損面積5万1,752平方メートル)など、全国的に火災の多発した年である。

大規模林野火災の対応が、ヘリコプターなど充実されるまでには、昭和46年4月の広島県呉市林野火災での18名の殉職など、貴い犠牲を払うこととなった。
消防庁災害伝承情報データベース 消防防災博物館 サイトなどからの要約)





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最終更新日  2009.04.11 17:33:16
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