仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.06.19
XML
カテゴリ: 宮城
旧国名が最も定着していないのが、わが宮城県でないかと思うことがある。

一般的に言えば、市町村名や鉄道駅名に際して、他域の同名との混同を避ける趣旨で用いられることが多いと思う。陸前原ノ町駅、陸前落合駅。陸前高田市(岩手県だけど)。

もっとも、これは他との混乱を避けるいわば一般ルールに従ったものであり、積極的に旧国名を使おうというほど地域に定着しているものではないだろう。例えば、肥後銀行、但馬銀行、下野新聞、信濃毎日新聞などはあるが、東北では、旧国名を冠するものは少ない。地域名を用いるとすれば、例えば津軽、会津、庄内などが多用される。

宮城県について言えば、陸奥国は広汎すぎるし、これを分割した陸中国も歴史が浅すぎて定着していない。さらに、仙台(藩)一色で主だった地域間の拮抗もないから、わざわざ特に旧国名を持ち出す積極的な理由がない、ということだろう。

かつて若い頃訪れた角田でバス停の名前に旧国名の磐城が冠されていて、歴史の一コマを見たようで一種の感銘を受けたことがあるが、宮城県ではせいぜい一般ルール程度のはなしで、人々の意識に根ざして、誇らしげに地域をあらわす名としては、とても定着したものではないと思う。昭和初期までは、例えば手紙を書くときに陸前国と表していたとも聞くが、これも一般作法に従ったまでだろうと思う。ましてや、平成の合併で新自治体名に陸前の名が浮かび上がったなどの話は聞いたことがない。

陸前の名を探してみると、駅名の他には、私が知っているのは、陸前浜街道という国道6号の通称と、企業名で陸前保安警備保障(栗原市)だけだ。それと、かまぼこ屋さんのコマーシャルで、ナレーションの中に「陸前女川」が登場するものがある。後は思い浮かばない。

岩手県の「陸中」の場合は、観光地の陸中海岸もあり、企業や団体名など、ある程度定着しているようにも感じるが、仙台・宮城の人は自ら「陸奥」と称したくないのだろうか、やっぱり。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.06.19 12:21:00
コメントを書く
[宮城] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

コメント新着

おだずまジャーナル @ Re:仙台「6時ジャスコ前」の今むかし(11/14) 仙台フォーラスは来月3月から長期休業。再…
クルック@ Re:黒石寺蘇民祭を考える(02/18) ん~とても担い手不足には見えませんけどネ…
おだずまジャーナル @ Re:小僧街道踏切(大崎市岩出山)(12/11) 1月15日のOH!バンデスで、不動水神社の小…

プロフィール

おだずまジャーナル

おだずまジャーナル

サイド自由欄

071001ずっぱり特派員証

画像をクリックして下さい (ずっぱり岩手にリンク!)。

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: