仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.07.16
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カテゴリ: 宮城
宮城県の県南部一帯を仙南と呼ぶことが多い。例えば県の保健所は仙南保健所(大河原町)だし、消防などを扱う広域行政体も仙南地区広域行政事務組合だ。他にも、仙南信用金庫(白石市)、JAみやぎ仙南(柴田町)、仙南病院(角田市)など。各種団体や大会のブロックの呼称としても、仙南の語は定着していると言えるだろう。

これに対して、県北部をさす仙北は、使われてはいるものの、仙南ほどピッタリはしていないように思われる。

仙南の場合は、広域行政に用いられるだけあって、指し示すエリアもおおよそ共通認識として理解されている。大河原、柴田(船岡、槻木)、白石、角田、などの伝統ある町が割拠していて都市名で一帯を呼ぶことが遠慮されていることも、仙南の名が使われやすい環境なのかも知れない。

仙北の場合、そもそもどこからどこまでを想定しているのか、県民に共通認識はないのではなかろうか。私は、栗原市や登米市を思い浮かべる。石巻や気仙沼ははずれるような気がするし、黒川や大崎は、含まれるような含まれないような、微妙な雰囲気だ。

もともと旧仙台領を城下からみて南北に区分したのならば、黒川や大崎も含めて現在の県土の中部、北部、北東沿岸部をもカバーして良いことになるだろう。しかし、それでは広すぎて、現実に呼称として用いる実益もない。その上、大崎、石巻、気仙沼(本吉)などは広域行政単位としても定着している呼び方なので、消去法的に、栗原や登米あたりが、特に仙北と呼ばれるエリアだろうな、というのが私の感覚だ。

固有名詞として用いられている例としては、仙北信用組合(栗原市)、仙北郷土タイムス(登米市)、仙北鉄道(現在の登米市と栗原市)がまず思い浮かぶ。或いは、逆にこうした用例から私の地域イメージが形成されているのかも知れない。

企業の支社や営業所なら、県北部エリア全体をカバーする拠点を仙北営業所などと呼ぶことが多いように思う。仙南、仙台、仙北の3つのフィールドに分割し、あるいは石巻などを加えることもあるかも知れないが、こうすると仙南オフィスは名取や岩沼あたり、仙北オフィスは大崎市あたりが好適なのだうか。行政のエリア区分は関係なく、交通事情や物流特性などによるのだろう。

ところで、だ。仙北。読みは、「せんぽく」か「せんぼく」か。

盛岡の仙北町(駅や小中学校がある)は、「せんぼ(bo)く」だ。秋田の仙北市も、「せんぼ(bo)く」だ。宮城の仙北はどうか。


■仙北信用組合(栗原市) せんぽ(po)く
■仙北郷土タイムス(登米市) せんぽ(po)く
■有限会社サポート仙北(大郷町) せんぽ(po)く
■株式会社仙北建設(大崎市) せんぽ(po)く
■仙北自動車学校(大崎市) せんぽ(po)く
(参考までに秋田県仙北市の仙北自動車学校は、せんぼ(bo)く)
■仙北薬品株式会社(仙台市泉区) せんぽ(po)く

以上の通りで、宮城はすべて「せんぽ(po)く」のようだ。

宮城県人たちはどう発音しているだろうか。「あんだ、せんぽくの出身だすぺ」てな感じか。やっぱり po が主流か。私自身は、使うならば「せんほ(ho)く」と発音するんじゃないかと思うが、いややはり po か。わからない。意識などしていない。





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最終更新日  2010.07.16 00:27:36
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