仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2014.10.13
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カテゴリ: 雑感
夏に出雲を訪れたときに思ったこと考えたこと。

町中や鉄道駅のローマ字表記は IZUMO で、仮名表記も「いずも」が定着しているようだ。出雲と名付けたのは八束水臣津野命(やつかみずおみづぬのみこと)が「八雲立つ」とおっしゃったから「八雲立つ出雲」というのだと出雲国風土記に書いている(古代出雲歴史博物館でいただいた資料から)。出雲の名は「出る(いづる)」と雲の合成だから、かりにそれが音訳で仮借した漢字表記だったとしても、仮名にすれば「いづも」なのではないか。わが東北の会津は「あいづ」だ。そもそも「津」が「つ」なのだから。

もっとも表音文字のローマ字なら idumo でなくて構わないように思うが(現に会津も aizu が主流のようだ)、仮名は漢字と密接に結びつくはずだろう。
(書きながら気になったが、羽生結弦は「ゆづる」さんたるべきだが、どうだろうか。ローマ字は Yuzuru にしても。)

■関連する過去の記事
会津はやっぱり「あいづ」か (2005年9月8日)

まあ、こんなことは小さなことか。本論に移る。

私が出雲大社を訪ねるのは、2度目。最初はもう30年以上も昔の学生時代だ。今回は一畑電鉄で宍道湖を眺めながら、出雲大社前駅から歩いた。



昔日の私は、山陰本線の出雲市駅から短い支線に乗り換えて終着の駅から、大社をめざしたのだった。しかし時間の関係でどうしても、橋のたもとの大鳥居から引き返したのだった。残念な思い出なのだが、このため大鳥居の先にある社殿に行きたいというのが今回の思いだった。したがって、大鳥居をめざしてしまったのだ。

後で位置関係に合点がいったのだが、電鉄の出雲大社前駅は、大鳥居と大社の中間地点になるのだ。すなわち、昔の私が降り立った終点駅はここではないのだ。確かに、駅の雰囲気も記憶と違ったし、大社も意外なほど近かった。

かつては国鉄の大社線があって、終点の大社駅が大社からみて大鳥居よりさらに遠くにあったのだ。このため、大社駅を降りた客は、大鳥居、神門通りを経て(このとき一畑電車の出雲大社前駅を傍らに過ぎることになる)、出雲大社に着くのだ。

参拝して、県立古代出雲歴史博物館を訪ねたりしていると、結局今回も時間は足りなく感じるほどだったのだが、帰りはバスで出雲市駅に向かった。駅の観光案内所に念のため聞いてみたのだが、的確な説明はなかった。私はたしか、時間を気にしながら出雲市駅のゼロ番線から乗り換えた記憶がある。今朝乗ってきた一畑電鉄ではないようだ。今は廃線になったのか。

後で別の駅で時間があったので、案内所で教えてもらった。やはりそうだった。言われて観光マップを凝視すると、「旧大社駅」との表記もある。これがなくなった国鉄大社線の駅跡地だろう。廃線後の路盤らしきルートも窺える。

ところで、念願の出雲大社は壮麗で雰囲気がおもしろかった。先週、皇族とのご婚儀で参拝の様子がニュースで流れたが、鳥居や社殿やバス停のあたりが映っていて、つい最近なのに懐かしかった。

隣接の博物館も内容が濃厚で、企画展と常設展を見たが、本当に時間が足りなかった。例の高層神殿もそうだが、豪族の活躍や出土品など、圧倒される。大陸との交流や、大和や九州との関係など、ダイナミックで歴史の重層さを見せつけるようだ。その内容はいつか研究を深めて記したいが、こんな時に、わが東北の地とつい比較してしまう。もちろん、古代東北も営々たる躍動があったろうが、史料も少なく、さだまらないのだ。

さて、昔日の学生の話だが、鳥取砂丘、大山、出雲などを歴訪したくて山陰に旅した。とはいえ、ろくに調べもしない貧乏旅だったため、いずれも中途半端だった。大山は麓の宿に入るのが遅くて登れず、砂丘にはバスでたどり着いたがラジコンの飛行機にカメラを直撃され、出雲大社は先述の通り。それでも、あの地に行ったつもりにはなっていて、思い出しながらの今回の出雲大社だった。





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最終更新日  2014.10.13 08:15:03
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