おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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１０分近く待ってようやく店内に入ることができた。店員氏の威勢のよいかけ声が周りから唱和してくる。居酒屋チェーンに入るときのようなのりを感じた。何を言ってもそのあとフォルテで（喜んで）と応じるような勢いがある。ボックス席にすわった。となりの席が気にならないくらい隔絶感を持って配置されている。家族づれなどは、このほうが落ち着くかも知れない。醤油味のチャーシュー麺を注文した。

（ボンカレー）（老松）（金鳥）など。昭和レトロのホーロー看板があたり一面に貼りつけてある。また、ＢＧＭとして３０年代４０年代の歌謡曲が流れていた。「虹色の湖」「星影のワルツ」選曲に文句をつけるつもりはないが、私の座った入口近くでは、同時に広沢虎造の浪曲が流れている。双方の音がかぶってしまって、落ち着かないこと限りない。雰囲気作りとしてそうやっているのだろうが、聴覚に対する冒涜行為ともいえる、こういう無造作な音のたれ流しは、勘弁願いたいものだ。

元気のよい店員氏の声が背後からきて、丼を置いていく。これがなかなかの強インパクト。縁をかこんでチャーシューがグルリと巻いている。味玉がその中央に君臨・鎮座している。

背脂を飛散させたとんこつ醤油のスープである。決して薄くはないので（こってり系）の部類に入る。それでいて、味わいとしてはしごくあっさりしている。塩味といってもよさそうな薄い色あいだし、味もこの上ないくらいにマイルドに締まっている。ゆるい縮れ麺との相性も良い。するすると行く。箸がすすんだ。

個人的には、これでチャーシューがもっと厚ければ言うことないのだが。これも、味覚戦略があっての薄さなのだろう。この、こってり but あっさり系のスープには、折り重ねてごっそり食べられるような、柔々のこのタイプが最適なのかも知れない。

コンセプトとして、実によく考え抜かれていると思う。ある意味どこにも属さないようなニッチねらいであるし、どちらにも器用に対応できるようなマスねらいでもある。この店ならば、もっと洗練された塩ラーメンを出せるだろうが、あえてそれは出さない。（醤油ファン）（塩ファン）（あっさりファン）（こってりファン）どことも等距離をあけながら、いつの間にかそのすべてを吸引・抱合してしまっている。

面白いラーメン・不思議なラーメンに出会えた気がして仕方なかった。

「田島商店」
住　　所：市原市ちはら台４－１１－１５
アクセス：おゆみ野　ケーズ電気の通り　おゆみ野ゴルフの先　右側　Ｐ（８台）　　　　　
電話番号：０４３６－５０－２３０５
営業時間：１１：００－１５：００/１８：００－２３：００
定　　休：火曜日
客　　席：カウンター５席/７卓/
利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/グループ向き/
メニュー：（醤油）
　　　　　　らーめん６５０/辛らーめん７００/チャーシューめん８５０/
　　　　　　特製○田らーめん９００/
　　　　　（味噌）
　　　　　　味噌らーめん７００/味噌辛らーめん７５０/チャーシュー麺９００/
　　　　　　味噌特製○田らーめん１０００/
　　　　　（つけめん）
　　　　　　つけめん７００/特製つけめん９５０/
　　　　　（ごはん類）
　　　　　　ご飯１３０/からっこ丼３００/ちゃーしゅー丼３００/
　　　　　　ちゃーまよ丼２００/
　　　　　（単品）
　　　　　　ぎょうざ３００/おつまみ３５０/麺替玉１５０/
　　　　　（飲物）
　　　　　　牛乳（牛乳/コーヒー/いちご）１５０/コーラ１５０/ラムネ２００/
　　　　　　生ビール５００/ビール５００/レモンサワー３５０/
評　　価：☆☆☆☆
　　　　（味４/量３．５/サービス４/雰囲気４/ＣＰ４/駐車場４）

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