おいしい 千葉 ~ponの食べある記~

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2006.09.05
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カテゴリ: 空に刻まれた言葉


ここのパフェは、盛りの良さ、豪華さでけっこう評判になっていた。

彼女と知りあったのは、ピアノの先生を通じてだった。伴奏者を探しているフルートの子がいるときいた。それから3度くらい合わせて、やっと互いの呼吸というか、間合いが分かってきた頃だった。駅前教室から、表通りのほうに抜けてきた。

注文品がそろいでやってきた。彼女は、その大盛りの品物を見て(!)という顔を向けてきた。パフェのほうだけ、空の小さなプレートを添えてある。淡い射光が、口もとをよぎっていた。一度、そのカップの上を、大切なものを両手でおおうような仕種をしてから、椅子を引きよせた。長い髪がやんわり揺れた。瞳がきらめいた。

上面に、メロン・西瓜・いちご・パイン・バナナ・オレンジ・キウイ・パパイヤなどが盛り沢山に飾ってある。それはパフェというカテゴリーを越えて、ほとんどフルーツの盛り合わせ状態だった。1口サイズの品はなくて、よくて2口3口。中には半身で入っているものもある。皮へりに沿ってナイフを入れてあるが、皮つき・ヘタつきの仕様が多かった。

実は、彼女がこれを注文したときに、はたしてどういう風に食べるのか、興味津々だった。男はみな、最初は素手でこの果物の群れと格闘していた。ひとまわり小さなナイフとフォークを手に持つと、彼女は大柄なパインとか西瓜などを、小皿に移しはじめた。フォークで相手ができそうな小物だけが、カップにそのまま残る。

パインを小さくカットして口もとに運んだ。そしてまた一口。ナイフを入れる角度が絶妙なのか、それとも品物の熟し加減が最適なのか。計ったようにスッと切れていく。同じように、フォークの入射角と入射力もうまい具合にいくらしく、すんなり命中する。

ミスがなかった。すべらなかった。たまにカップのクリームのほうに手をつける。スムーズさの極地がそこに実現していた。いつも、男子の無骨で不器用なフルーツパフェの食作法ばかりを見ていたので、この対照的な様子がいたく新鮮だった。この品のハンデを全く感じさせず、ほとんどチョコパフェを食べているのと同様にパーフェクトに食べ進んでいくさまは、本当にお見事としか言いようがなかった。

16の私は、ただただ見惚れるばかりだった。甘やかな香りが、周りじゅうからやってきていた。やわらかな眼差しのさなかに、一瞬きらめく光がのぞいた。(おいしい)というときに、まばたきが入る。酸味系のフルーツを食べると、口もとをキュンとすぼめた。これ以上かわいい存在はないような気がした。

たぶん。そのときすでに、恋に陥ちていたのかも知れない。大切な原風景の一つになっている。もしかするとあのときから私は、進歩も退歩も進化も退化もせず、その場でフリーズしたまま長い年月を漫然と過ごしているのではないか。たまに、そんな気がするときがある。


「初恋主義」

君は なんて
初恋の
大事な上にも大事なひと

ボクはいつでも
想っているよ
だから
そのあとの恋は
全部 浮気

君のことは ずっと覚えているよ
恋をして その恋が破れても
次の恋をして その恋が破れても

結婚して 子どもができても
二度目の結婚をして 子どもができても
三度目の結婚をして 子どもができても
何度結婚して 何人子どもができても
ずっと ずっと

ひとつだけお願いがある
この先 一生のうち
一秒だけでいい
ボクのことを 強く想って

ボクもこの先
一生のうち 一秒だけ
君のことを 強く想うから

それは
デリケートな光となって
宇宙のかなたに飛びだしていく

互いが互いを想う
二本の光軸は
やがて 時空を超え
億光年の奥底の
ひっそりした広場で
やさしく めぐり逢う
透明なリボンを結ぶように
相手の夢をいたわるように

君は なんて
初恋の
大事な上にも大事なひと

この場所は 誰にもゆずらない
ボクのありったけの力で
きれいに守っていくよ

いつまでも ずっと
いつまでも…





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Last updated  2010.06.11 03:24:15
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