おいしい 千葉 ~ponの食べある記~

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2006.10.09
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わが家の場合それは、何か新しい製品を買ったときと似た行動パターンとなる。私はとにかくマニュアルを手に取り、読みすすめる。奥方は、マニュアルその他一切の文字・説明を排して、あちこちをひたすら触りまくる。子供は、その二人のようすをうかがいながら、冷静に構えている。必要があれば(ほとんど名探偵コナンのように)分析し、ときに解答を導いたりする。

(明かりがつかないんだけれど~)と浴室のほうで声がした。ホテルのファイルを片手に行ってみると、たしかに何度スイッチをon/offしても真っ暗なまま。DSの用意をしていた子供が(カードキーでしょ。カードキー)と、面倒臭そうに言っている。(あ、入口だよ)それでもピンと来ない彼女を置いて、テーブルにあったカードを扉口のケースに差し込む。(ついたついた)と奥方が歓声をあげる。

(けっこう広いかもねー)いちおうスイート仕様なので、各所に余裕がある。洗面台は2面横ならびだし、浴室もシャワーブースが独立した一区画となり、その横に長いバスタブが据わっている。リビングとベッドルームそれぞれに液晶TVが置かれている。

奥方のチェックは続いていた。部屋のあちこちの照明が、ついたり消えたり忙しい。開き戸をあけて、すぐ閉める。リビングの一つの扉をあけると(うわこんな一杯。…うれしい)と、また歓声をあげた。見ると、ナッツ・さきいか・ポテトチップ・カップヌードル・赤いきつねなどが小かごに満載に入っている。その下の冷蔵庫には、飲物類が25種類くらい、きれいに並んでいた。

どうやら完璧に誤解したようだ。(お客さま。これは売り物なんで…。一つよろしくお願いします)(あ。考えてみたらそうだよね)(旅館の最初の茶菓子とは違いますんで。そこの所なにぶん、よろしく)チェックシートを見ると、カップ麺は320円也。子どもはその会話を聞いて、笑っていた。

成田は、子供のリクエストで行くことにきめた。「房総のむら」「空港」と社会科見学で訪れたのだが、そのとき時間が少なかったので、もっとじっくり見てみたいというのである。日帰りで十分な距離だ。それをあえて、お泊り旅行とした。観光スポットをいくつ回ったとか、テーマパークに入ってアトラクションをいくつ回ったとか、数で勝負の年代はとうの昔に過ぎている。今は、どれだけのんびりゆったりできるか、味わえるかのほうに主眼が移っている。

着陸寸前の飛行機が、石を投げたら当たりそうな近さで何機もながれていく。完璧な防音がしてあって、無音のまま続々とやってくるその姿を眺められるというのが、ここの一番の売りなのかも知れない。

子どもと風呂にはいった。リラックスした姿勢でつかっていると、こちらの胸板をゲレンデにして、そこにホテルのミニ石鹸をすべらせて遊びはじめた。お湯の中につかったそれをさがしていると(これなあに。この部分が変)と訊いてくる。タブの下の部分、身体を伸ばすと、ちょうど太ももの下あたりの表面が2センチ幅で細長くザラッとしている。(これはさ。こうやって身体がすべらないようにするわけさ)

見本をやってみせた。(ほら。この通り。これがついているからズブズブ奥にいかないで、ストップするだろう)子どもも同じようにやってみる。彼の場合は、そのザラつきが足の先のほうに触る。今度は子どもを上にのせたまま、ツルとすべってみた。0.5秒のあっという間のすべり台だが、これがけっこう面白いらしい。ケラケラ笑いが止まらない。扉が勢いよくあいた。(あんたたち。遊んでないで、早く洗っちゃいなさい)ほとんど兄弟というレベルで、こちらも注意されてしまった。

11時すぎ。子どもと私とが先にベッドについていた。奥方が入口のほうから明かりを落として来ていた。トイレだけは点けたままにしておく。ベッドサイドのランプを消そうとする。(パパ。このスイッチは?)(そのへんでしょ)適当に指さすと彼女は、ランプの根元のふさ飾りを引っ張っていた。(グ・グ)という無理して引っ張る音が、パーフェクト防音で無音の室内にきっちりと響いた。(いや。それはどう頑ばっても、ただの飾りでしょ)たまらず子どもも私も、大笑いしてしまった。(見りゃわかるでしょ)(だって、そこっていうから)これで眠気が完全に吹き飛んでしまった。(スイッチ類は、入ってすぐに予習したんじゃないの?)(そんなのすぐに忘れちゃうの)

夜中に一度、目がさめた。横を見ると、二人とも気持ちよさそうにスヤスヤ眠っていた。奥方は両腕をあげ、ちょうど顔を中心に円を描く格好でねていた。無防御そのもので、口もとが心なしか笑っている。子どもは横向きで丸まっていた。何か寝言をつぶやいたらしいが、よく聞き取れなかった。





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Last updated  2006.10.11 05:00:22
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