おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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整然とそろった細打ちで、そのビジュアルだけで腕の良さが確信できた。きいてみると、敷地内の湧水をつかって打っているという。れっきとした本格二八で、いかにも蕎麦らしい剛毅なコシと豪放な口あたりを実現していた。噛めば噛むほど、その硬質さを体感できる。

つけ汁が個性的な代物だった。やや薄めといっていいだろう。硬派な辛口仕立てで、甘さを排除した超ドライベース。だしの風味や甘さも、それほど立ちあがってこない。ごくあっさりしていて、鋭敏なほどにすっきり。「淡麗辛口」の見品のようだった。

食べているうちに思いあたった。ここ久留里の町は「銘水の里」として知られている。それを利用した造り酒屋もあり、湧水が出ているスポットも数多く見られる。

たしかに。そのわき水を口に含んでみると。まろやかで柔らかで、変なくせがまったくない。酒造関係が栄えるのももっともな場所柄である。

結局、水なのだ。このせいろの最大にして最高の主客は、その磨きあげられた「水」そのものなのであって、蕎麦本体でもなければ、味つけ役のつゆでもない。本当は、その吟水そのものにつけた（ストレート系の水蕎麦）で食べるのが一番なのだろうが。それでは、あまりに味気なさすぎるので、それに通有性を持ったつけ汁にアレンジしているのではないか。

そう思って食べすすめると、この仕様にも得心がいく。

蕎麦湯は、ややとろみがついたタイプ。中にレシチンがたっぷり溶けこんでいるような気がして、あらかた飲み干してしまう。

メニューは、蕎麦だけに特化していて多くない。それだけ、そこに集中しているともいえる。参考のために天ぷら系の中身をあげると。海老、レンコン、カボチャ、なす、ピーマンというメンバーになっていた。

昼のみの営業なので、利用するときは注意が必要となる。この土地ならではの名物として、推奨しておこう。

安万支　せいろ蕎麦

「久留里　名水手打　安万支」（あまき）
住　　所：君津市久留里市場１５１
アクセス：久留里街道沿い　セブンイレブン久留里店近く　Ｐ（約９台）
電話番号：０４３９－２７－２８７８
営業時間：１１：３０ー１５：００/
定　　休：不定休
客　　席：テーブル２卓/小上がり３卓/（禁煙）
利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/
メニュー：【蕎麦】（冷）
　　　　　　せいろもり６００/海苔せいろ６５０/鴨せいろ１２００/
　　　　　　天せいろ１３５０/
　　　　　【蕎麦】（温）
　　　　　　かけそば６００/山菜そば７００/きのこそば７００/鴨南そば１２００/
　　　　　　天そば１３５０/
　　　　　【飲物】
　　　　　　ビール中びん５５０/コーラ２００/オレンジ２００/吟生８００/　　　　　
評　　価：☆☆☆☆
　　　　（味４/量３．５/サービス３．５/雰囲気３/ＣＰ４/駐車場４）

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