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2007.07.16
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カテゴリ: 映画





演劇を映画にすることの意味とはいったいなんだろう。舞台は舞台にしかない良さがあって、カットも撮り直しもない一発勝負。幕が開く緊張感がたまらない素晴らしいものなのに。映画という枠にはめて、成功した例をあまり見ない気がする。
それでも、コクトーが初めて自身の作品を映画化した本編は、きっと深い思い入れがあったのかもしれない。室内劇の閉塞感は、溺愛ママとマザコン息子によく似合っていた。息が詰まりそうになるほど。

じつは、同居する姉の婚約者を奪う形で、今の夫と結ばれている母親。静かに身を引き、いまだ独身で家事を引き受ける姉の内心の苦悩と嫉妬は、生半可なものでなく。夫を顧みず息子ばかりを溺愛する、糖尿病に病んだ神経衰弱の母も、息子ミシェルの恋人が自分の愛人マドレーヌと知って、突然の暴挙に出る発明家の夫も、パトロンが恋人の父親と知って驚愕するマドレーヌも。みんな八方塞がりのなかを、自己愛、利己愛、盲目様々にあっぷあっぷしている姿が、あまりにも滑稽。

マザコンの気色悪いミシェルが、黒い糸引く大人たちを見ているうち、まともに見えてくる面白さ。彼はそう育てられてしまっただけで、泥沼のような家馬車(憎しみを込めてそう言った)から抜け出そうと、必死にもがいているだけ。
初めて女性を愛した時、溺愛する母親から逃れるためには母親殺しをするのかと思いきや、、父親の独断で、ミシェルとマドレーヌの仲は引き裂かれてしまうのだった。

失恋に落ち込む息子、破局を喜ぶ母。果たして結末は・・・?
愛人に濡れ衣を着せひとり安堵した父親も、彼への思いをやっと乗り越えた姉も、若い二人の破局の痛手を知って後悔しはじめる終盤。真実が暴露されたとき、衝撃のラストが待っている。


 原作・脚本・監督  ジャン・コクトー
 製作  アレクサンドル・ムヌーシュキン
 撮影  ミシェル・ケルベ
 音楽  ジョルジュ・オーリック
 出演  ジャン・マレー 、イヴォンヌ・ド・ブレー 、ジョゼット・デイ
      ガブリエル・ドルジア マルセル・アンドレ

   (カラー/98分)





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Last updated  2022.02.01 09:10:21
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