行きかふ人も又

行きかふ人も又

PR

Free Space

ゆるい分室はじめました
dekunotato.exblog.jp

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

Calendar

Comments

ミリオン@ Re:【 恋人たちのアパルトマン (FANFAN)】 1992年 フランス映画(06/01) こんばんは。 フランス映画は面白いですね…
ミリオン@ Re:【 第三の男 (THE THIRD MAN)】 1949年 イギリス映画(05/30) こんばんは。 映画は面白いですね。見るの…
ミリオン@ Re:【 オペレッタ狸御殿 】 2005年 日本映画(05/29) こんばんは。 物語は楽しいですね。見るの…
ミリオン@ Re:【 BULLET BALLET バレット・バレエ  】 1999年 日本映画(05/26) こんばんは。 映画は面白いですね。見るの…

Favorite Blog

Kabu + Plus エースNo1さん
ある日どこかで リラ11さん
ベティ333のブログ ベティ333さん
でくの坊 雨にも … なんぜんたろうさん
My 映画 on TV 日記 タケ88フミさん
2008.04.23
XML
カテゴリ: 台湾映画


まだどちらも未見だけれど、両方ぜひ観たいと思っています。
本作は、リー監督のデビュー作。

太極拳の師匠、朱老人は、息子夫婦を訪ねてニューヨークへ来るが、息子の嫁マーサはアメリカ人。言葉も通じず、食事も違って気まずくなるばかり。心安らぐのはチャイナタウンで太極拳を教える時だけという朱老人に、息子のアレックスは父の第二の人生を応援しようと、恋のお膳立てをするのだが・・・。

『春にして君を想う』に続いて、同じようなテーマを持った作品です。
べつに、老後の生活を考えて悩んでいるわけではありませんよ。
老後を自分らしく生きる場所がない、場所はあっても居場所がない。そんな主人公の朱老人と息子一家のドラマ。
息子の嫁マーサは作家の卵です。家族が出かけた後、家に残された義父とふたり、重苦しい沈黙のなか、執筆ははかどらなくなっていました。
生活習慣の違いと、言葉が通じないイライラ。仕事場と繋がった居間で、太極拳をしたり、ビデオを観たり閉じこもり気味の義父へ、苛立ちは募るばかり。

ふたりの間に立っていつも板ばさみの息子は、さらに苦しい立場にいて、どちらの思いも汲みながら愚痴を聞いたり通訳したりで、ついには大爆発する時を迎えてしまうのです―――

配偶者の親と暮すこと、私には経験ありませんが、その苦労は想像するにやすいです。
誰も正論で、どの苛立ちもごもっともで、まったく我慢をしていないわけじゃないのが、なお辛い。
一昔前には、どんな風でも家族みんな一緒に暮すのが当然だったのかもしれませんが、現代は違う。
すっかり生き方が変わってしまって、欧米化してきて、民主主義といいながら個人の自由を優先してしまいがちなのかもしれません。自分の生き方を曲げたり変えたりなんて、私もきっとできません。このお話の朱老人だってそう、70歳になってアメリカへ渡ってはきたけれど、ここの暮らしにチェンジすることは不可能なのです。

結論は別居するしか方法がなく。
可愛い孫とも離れ、中華街のマンションでひとり暮らし始めるのでした。
太極拳教室をまた開き、教室を通じて知り合った未亡人・陳夫人と共に、第二の人生を歩み始めようというラストシーンには、希望はあるけど、息子夫婦との歩み寄りはない。
父親を受け入れる決意をし、新しく広い家に越した息子は、きっとまだそのことを知らないけれど、どちらにしても、互いに心が楽なのは離れていることだというのが、淋しい。

この結論にたどり着くまでに、おじいちゃんは自慢の太極拳で警察沙汰を起こしたり、恋をしたり、散歩に出たまま迷子になったり・・・紆余曲折いろんなエピソードが描かれています。
デビュー作とは思えないくらい、巧くまとまった、良質な作品となっていました。

老人が話す台詞「アメリカのアニメは暴力的だ」「バランスのとれた食事が大事だ」「子どもに甘い」・・・などなど。
監督自身も、たぶんカルチャーショックで苦労した人なのかも知れませんね。


 監督  アン・リー
 脚本  アン・リー  ジェームズ・シェイマス
 撮影  ジョン・リン

 出演  ラン・シャン  ワン・ボー・チャオ  ワン・ライ  デブ・スナイダー

 (カラー/108分/台湾=アメリカ合作/PUSHING HANDS)

latelolita,20061011213518.jpg







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.04.23 17:15:02
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: