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2008.07.09
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カテゴリ: 映画
 貧しい大学生ミシェルはふとしたきっかけで自分にスリの才能があることを発見する。一度は刑事に捕まったものの、証拠不十分で釈放されると再び悪事に手を染め、やがてその手口は仲間を引き込んだ組織的なものになっていくが―

冷淡な大人の映画。淡々として感情やカラーが削がれていて、思わせぶり。若者の疎外感を描きつつも締め付けられはしません。
一見しただけではわからない驚くほど凶暴だった『ラルジャン』が、同じく若者の犯罪を描いていて好きだった。あの鋭さを期待すると、ゆるく描かれたこの頃のフランスの犯罪ものは、あまり好みではないかも。

スリに手を染めたミシェルは成功するたびクセになっていきます。簡単に金品が手に入り、スリルが病み付きとなり、犯罪者の生活へとずれていく。それを止めようとする友人にも、目をつけた刑事にも構うことなく、根暗な主人公はプロのスリになります。
自分の存在は特別だ、秀でた才能を持つものは盗みをしていい、そんな自惚れた自説を持つミシェルは、仲間から技の手ほどきを受けて、見る間に上達した手口で見事なスリを繰り広げていくのですが・・・。
当のミシェルは一向に満たされる気配がありません。

この無気力、当時のパリの潮流でしょうか。病床の母さえ顧みることなく、無味乾燥とした描き方です。
実家の隣りに住む女性と知り合うけれど、孤独で寂しげな二人は似たもの同士で、惹かれても未来は描けず、恋心は凍結したまま。再会を経て、改心して、幸せの在り処を知った瞬間にもそこに体温はないのでした。

犯罪哲学を謳う独白形式も単なるジェスチャー。この荒んだ生活に魅力はありません。どこを見て楽しむべきかわからないままのTHE END。ただスリの手口を、大胆なアップとカット割で、流れるように演出した多くのシーンは印象に残ります。そこが見所といえばいえる。

pickpocket2005.jpg


監督・脚本  ロベール・ブレッソン
撮影  レオンス=アンリ・ビュレル
音楽  ジャン・バディスト・リュリ
出演  ピエール・レマリ  マルタン・ラサール  マリカ・グリーン  ピエール・エテックス

(モノクロ/76分)






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Last updated  2023.02.17 15:57:17
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