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2008.09.14
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カテゴリ: 日本映画


シコふんじゃった。 』『 双生児 』での熱演が記憶に新しいもっくんは、やはり上手かった。味があった。観る映画を選べば、日本にもいい役者さんがいっぱいいることを実感できるのだ。

 【あらすじ】チェロ奏者の大悟(本木)は、所属していた楽団の突然の解散を機にチェロで食べていく道を諦め、妻(広末)を伴い、故郷の山形へ帰ることに。さっそく職探しを始めた大悟は、“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接へと向かう。しかし旅行代理店だと思ったその会社は、“旅立ち”をお手伝いする“納棺師”の職だった―――。

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 前半はとにかくコミカルで、笑えて楽しかった。
母がやっていたスナックの跡地で、大悟夫婦は新生活を始めるも、夫が新しく就いた仕事はなんと 納棺師
なにかと曰つきな仕事に、いつか生きがいを見出し、生きることや死ぬことに真摯に向き合っていくまでを描く。


ひとは永遠の別れが来て初めて、後悔や理解や感謝や、思いがけない感情に遭遇するのかもしれない。それまで気づけずに。
見えなかったものが見えれば、赦すこともできる。そういう人の心の温かさをいっぱいに描いていた。
少しくらい出来過ぎでも、脈々と底を流れている純粋な心意気は、小さな田舎町を舞台にしたことで、日本の美徳にうまく溶け出して鼻につくことはなかった。

それにしても久石譲のテーマ曲には、いつもノックアウトされる。情緒豊かに切なく響くメロディラインの美しさは、久石氏の才能なんだろうな。チェロの音色が輪をかけて、人生の厚みのように濃厚に曲を惹き立てる。
主人公がチェロ奏者でいる夢を諦めてからの、チェロの存在位置が、私にはとてもよかった。
弾きたい時に必ず傍にあって、大好きな旋律を奏でられる、そのことが自分自身の心を高めたり静めたり癒したり律したりしてくれる。生きる糧ではなくなった音楽(楽器)の位置が、私はとても好きだった。

赦すこと は、しばしば映画のテーマになる。本作でも、主人公が、家族を捨てて女と駆け落ちした父親を憎んでいるという設定だった。
憎しみの心が溶解する時。それを観ることに意味があるとすれば、きっとそれは 尊い からだ。

「食べるしかないんだよ」
そう言った納棺会社の社長の言葉が素晴らしくよく響く。

死ぬのがイヤなら食べるしかない。とにかく生きるしかないんだから食べる、力強い食事シーンの数々が素晴らしかった。
社長を演じたのは山崎努。72歳となり、味を増した怪演をみせている。





脚本  小山薫堂
音楽  久石譲
出演  本木雅弘  広末涼子  山崎努  余貴美子  吉行和子  笹野高史

(カラー/130分)







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Last updated  2008.09.16 06:08:20
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