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太陽の死滅が近づき、存亡の危機を迎えた人類の最後の希望を託され、太陽再生の
ために宇宙船に乗り込んだ男女8人の壮絶な運命をスリリングかつミステリアスに綴る。
さすが、ダニー・ボイル監督のSFは一筋縄ではいかない。
ハリウッドでありがちな、自己犠牲のお涙ちょうだいとは、一線を画すシュールさだ。彼ら
が乗る宇宙船の名は“イカロス2号”。 ギリシャ神話に登場するイカロスは、父ダイダロス
の忠告に背き、太陽に近づきすぎたために、蝋でとめた羽を失って青海原に落ちたとい
う。神に近づくような、神秘的で精神的世界観をもつ本作も、ボイル監督の手にかかれ
ば、娯楽スペクタクルに仕上がるのだった。
前に同じミッションに向かったまま消息を絶ったイカロス1号の救難信号を受信する…。
7年前、いったいなにが起こったのか・・・サスペンスフルな展開が幕をあける。
命がけの任務に、さらなる問題と危機が彼らを襲い、ひとり、またひとりと命を落としてい
くのだが、ちっとも湿っぽくならないのが第一の魅力。淡々シビアなドラマと、上等な映像
表現と、テンポの良いボイル節はクセになるかもしれない。
太陽という超高温と、宇宙空間という超低温、どちらに転んでもおそろしい極限下での死
闘は、素直に楽しかった。
太陽に近づくにつれ、乗組員たちのなかに畏れを抱く者が現れる。神と太陽を結びつける
ことには違和感あったとしても、その微かな変化にも地球上の人類は生きていけない
――依存度の高さには、あらためてハッとさせられてしまう。
これから数十年にわたり、太陽の活動が弱まるときく。地球の天候に変化が起こり、気温
低下によって地球はミニ氷河期に突入するらしいのだ。太陽の大切さを噛みしめる未来
は、すぐそこに迫っているのかもしれない。

船長役には、われらが真田広之氏が英語で好演しているので注目。クリフ・カーティスや
キリアン・マーフィなど、役者さんの見どころも大きかった。
(カラー/108min)
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