真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2025年08月26日
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前回の日記 ​に続いて冒頭画像に映る島は、本州最西端の「毘沙ノ鼻」の展望台より、西方の響灘に浮かぶ「蓋井島」の全容を撮影したものだ。

日本最高峰の「富士山」と本州最西端に限りなく近い「吉母富士」と、この二つの「富士山」を結ぶ軸線は本州最西端の「毘沙ノ鼻」を透過し、その先にある上の画像の「蓋井島」を貫通していたことも含め、これまでの様々な経緯から私なりの”見立て”として、この「蓋井島」は「本州」を象徴する「扇子」を閉じるための”責め”に観えていたのであった。

そして繰り返しとなるが・・・いよいよその”責め”を外す時が来たのではないか・・・とのことで、今回の「蓋井島」への渡海に繋がったと感じている。



今の時期に蓋井島に渡るフェリーは一日三便、今回は下関の吉見港13:30発の便に乗り、蓋井島までの所要時間は約40分。そして帰りの便は蓋井島15:50発だったので、同島の滞在時間は約2時間であった。

そこで上の画像は、蓋井島の港に下船してすぐの辻に掲載されていた「国指定重要文化財」に関する解説版を撮影したものだ。

かつて、この7年毎にある「山の神」神事が斎行された聖地を訪れたことがあったが、その信仰の原点ともいえる祭祀形態の素朴な佇まいに、とても感銘を受けたことを憶えている。



まず当日の限られた時間に向かったのは、同島の港湾に近い高台に鎮座する「蓋井八幡宮」であった。その当社本殿を正面から撮影した画像が上である。(当社祭神…八幡大神・神功皇后)

そこで注目してもらいたいのは、社殿向拝の梁に施された彫物(意匠)である。その左右の二ヶ所に対称的に彫刻された意匠は「兎(ウサギ)」であり、その左右に施された「兎」の彫刻を拡大して掲載したものが、この下に続く二枚の画像だ。







この「蓋井島」の浮かぶ”響灘(ひびきなだ)”という山口県西部の海岸域は、近年になって下関市と合併するまでは「豊浦(とようら)郡」と称されていた。

そこで、上記の「宇佐神宮」の鎮座地を含む現在の大分県全域から北方の福岡県北九州市の小倉地区辺りまでは「豊国(とよのくに)」という大きな古代の国域だったことから、現在の本州と九州を隔てた”関門海峡”を挟んで、南方の九州側を『 豊の〔表〕の国 』、北方は本州側の山口県西部の海岸域から内陸にかけた一帯を『 豊の〔裏(浦)〕の国 』と、古来より表裏一帯の広範囲な「豊国」と称されていた可能性を(私的見解ではあるが)ここで指摘しておきたい。

加えて、古代の「宇佐神宮」の宮司家を務めた「宇佐(兎狭)氏」は、「月」の”満ち欠け”を基盤とする「天津暦(あまつこよみ)」を司り、アジア全域でみられる「月のウサギ」の信仰を継承し、「兎(ウサギ)」をトーテムとし崇めた氏族とされることから、上掲画像の社殿の梁に「兎」の彫刻を見た時の私的インパクトが強かったのであろう。

以上の解説からお分かりいただけるように、当社社名の「宇佐(うさ)」とは、「兎(うさぎ)」の「ぎ」が脱落して社名になったことが自ずと類推でき、またその神氣を明確に継承する「蓋井八幡宮」が同島に鎮座していたということであろう。

ちなみに、宇佐族が〔豊国〕の「宇佐神宮」に拠点を移してからは、奈良時代には”神託の聖地”として、皇室から「伊勢神宮」以上の崇敬を寄せられていた。



蓋井島の港に近い高台に鎮座する八幡宮の参道から、真っすぐの石段を通して遠望した画像が上である。

この画像中央の海原に浮かぶ手前の島は「雄島」(北九州市若松区)で、その右側に見える二並びの山は宗像市にある「孔大寺山(標高499m)」と「湯川山(標高471m)」で、かつて両山をかけて登ったことがある馴染み深い山々であった。



そして上の画像は、帰りのフェリーから「蓋井島」を撮影したものだ。

同島の向かって左に突き出た山は「乞月山(標高149m)」(冒頭の画像では左隅の山)で、まさに上記の宇佐族が太古より信仰した「月の兎」の風情を彷彿とさせていた。(了)






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最終更新日  2025年08月26日 08時49分39秒


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