しぐれ茶屋おりくの部屋

しぐれ茶屋おりくの部屋

「気になる女」



       小さな喫茶に  座る女

       齢は三十    半ばか

       背中に感じる  孤独な生活

       悩んでいるなら 話してごらん

       一度でいいから 笑ってごらん

       何故か気になる 女だった




       日暮れの場末の ターミナル

       居酒屋暖簾を  くぐる女

       酒に二品か   三品

       薄目なくちびる 孤独な面影

       寂しい想いを  話してごらん

       閉ざした心を  開いてごらん

       何故か気になる 女だった


 この作品は今春まで勤めていた会社への出勤途上、いつもの喫茶店で決まった席に座っている女性をモデルに書いた作品です。実際は主婦で、職場や家庭では明るい人なんでしょうが、朝のまだピッチの上がらない時は、もの憂い気な女に見えるものです。


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