私訳・源氏物語

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July 2, 2006
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カテゴリ: エッセイ


くもが大嫌いな私にとっては大迷惑で、まず巣を木の枝で払い、竿をきれいに拭き上げてからでないと、洗濯物は干せません。ずんぐりした体にあの気味の悪い足で、白く清潔に洗い上げた洗濯物の上を歩くかもしれないと思うと、巣に近い部分には吊るすことができないでいます。

しかし幸い、ご本尊はお隠れあそばしたままなのでお目にかかることがないのですが、お天気のいい日が続くと、払っても払っても巣がかかっているので、私は毎日それを見るのが憂鬱になりました。どこか違う場所に行けばいいのに、とも思いました。

雨が続いたあとの久々のお天気の日、やっぱり同じ場所にくもの巣があります。
でもそれは張りがなくたわんで、風に力なくなびいていました。糸も細くて、これでは獲物が逃げてしまいそうです。

せっかく張った網を私が毎日せっせと払ったせいで、くもは餓死寸前だったのかもしれません。栄養失調で身を震わせながら、ようやくの思いで糸を吐いたのだ、と私は思いました。





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最終更新日  March 9, 2017 06:56:07 PM
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