私訳・源氏物語

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October 2, 2008
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カテゴリ: 源氏物語つれづれ

 夕霧大将は柏木亡き後、彼の未亡人となった落葉宮を自邸に引き取ります。その計略にはぬかりがなく、落葉宮にとってはその行動力に恐怖さえ感じたのではないでしょうか。

 ところでこの噂を耳にしたとき、紫の上と花散里とではその反応が違っていました。

 花散里は夕霧にとって養母の地位にいますから、鷹揚に夕霧の肩を持つことができます。しかし紫の上は、このことを自分自身のこととして「心憂く」、こんなふうに感じていました。

 「女ばかり、身をもてなすさまも、所せう、あはれなるべきものはなし。物のあはれ、をりをかしき事をも、見しらぬさまに引き入り、沈みなどすれば、何につけてか、世に経るはえばえしさも、常なき世のつれづれをも、なぐさむべきぞは。おほかた、物の心を知らず、言ふかひなき者にならひたらむも、生ほし立てけん親も、いと、口惜しかるべき物にはあらずや。心にのみこめて、無言太子とか、法師ばらの悲しき事にする、昔の譬ひのやうに、あしき事、よき事を、思ひ知りながら、うづもれなんも、いふかひなし。わが心ながらも、よき程には、いかで保つべきぞ。」






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最終更新日  March 20, 2017 08:39:58 PM
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