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昨年12月、同人誌が送られてきました。
一年に二回のエッセイ集を上梓しているそうで、A5版で200ページを超える堂々とした第三十号です。
この中から気に入った3本を「選んでください」とあります。本来は二十九号からも3作品を選ぶようですが、9月に入会した私はこの一冊だけでした。
正直なところ読むのは気が進まず、新参者の私などが投票するのはさらに気が重かったので、「一人くらいエスケープしてもいいだろう」と返信せずに放置していたところ、書面で催促を受けてしまいました。
書くことは好きですが、実は私は、書物を読むのが苦痛なのです。ただ不思議なことに「源氏物語」や古文は例外で、読んでいて楽しく、心慰められます。古文には現代文にはない「何か」があるとしか思えないのですが、なぜか現代文は心理的に負担であり苦手なのです。
しかしとにかく、会員としての義務は果たさなくてはなりません。次号には掲載されるのですし、それを読んでくださる方への礼儀でもあります。
とはいえ長編が23編、2000字以内が53編もあります。これらをすべて読むのは、私にとって大変な作業です。タイトルを眺めて、興味の湧きそうな作品を探してみましたが、最初に目にする題名と書き出しの一行がいかに大事か、ということに気付きました。
気づいたといえばご高齢の方、そして女性の多いことにも驚かされました。人生の大先輩が、職業や様々な社会活動を通じて得られた経験をもとに、それを文章に昇華していらっしゃる、しかもこんなにたくさんの人々が。そう思うと背中を押されたような、力強い励ましを受けたような暖かい喜びを感じました。