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ずいぶん昔、薬局でもDPEを扱っていた頃のことです。ある日、
「お預かりしたスライド用のフィルムを、間違って写真ネガに焼いてしまいました」
と、デポから電話がありました。
それは私が、主婦とおぼしき子供連れの女性客からお預かりしたものでした。
「でも、お客様は『スライド用に』とはおっしゃいませんでしたけど。
……ネガにしたら、いけないのですか?」
「はい、だめなんです。いえ、当然こちらがチェックするべきで、私どもの不注意なんです」
電話の相手は私の責任をかばって、本当に申し訳なさそうに詫びました。
そればかりかこちらに電話を入れる前に、
フィルムの預かり袋に記載された名前と電話番号で連絡を取り、
アルバムやらフィルムやらの手土産を持ってそのお客様の自宅を訪問し直接詫びたが、
どうしても許してもらえない。
「ひょっとすると、お店に何か言いに行くかもしれませんので」
と、心配して連絡をくれたのでした。