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一緒に蓮を見に行った例の饗応夫人(?)と、今度は恵庭のカフェに行って来ました。
千歳に向かう36号線の道の駅「花ロード」に近い、
緑いっぱいの牧場の一角に建つログハウスがその紅茶カフェです。
饗応夫人は何やら聞いた事のない珍しい名前の紅茶を、
私は誰でも知っているアールグレイを注文しました。
そこで出て来たのがこの硝子のカップにステンレスのソーサー。
彼女はカチカチ響く金属音が嫌いなのだとかで、
ソーサーもスプーンもはずしてしまいました。
そういえば彼女は長ネギの後味が嫌いで、お蕎麦のネギも除けてたべていましたし、
牛乳はお腹がゆるくなるから飲めないしで、なかなかメンドクサイのです。
3年ほど前に夫を亡くした彼女は、月に十日ほど優雅に仕事をしていて、
休みの日には有名な和菓子店の大福餅や人気店のケーキをどっさり買い込んで、
「あなたの血糖値が、そろそろ下がる頃だと思って」
と、思いやり深げに3時のおやつを差し入れしてくれるのですが、
「ダイエット」を口実に彼女自身は一切手を付けず、
誘惑に負けて大福餅に喰いつく私を尻眼に、
ノンシュガーのエスプレッソをそっと口に運ぶのです。
★
ところで昔むか~し、「饗応夫人」という小説を読んだことがあります。
どういうわけか、武者小路実篤の作品だと思いこんでいたのですが、
このたび検索してみて太宰治だったことを改めて知りました。
友人はこの短編の主人公のように気の小さいお人好しではありませんが、
ふんわりした優しい雰囲気が、どうも重なるのです。
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