私訳・源氏物語

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July 16, 2018
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カテゴリ: 源氏物語
光がお隠れあそばした後には、
ご容姿やご才能、御心構えなどにおいて並び立つことのできる方々は
おありになりませんでした。

ご退位なさった冷泉帝を御末と申し上げますのは、
もとより畏れ多いこととして、
今上の三宮、同じ六条院で女三宮腹にお生まれになった若君と、
このお二方はそれぞれにうつくしいと世の評判をお取りでいらっしゃいます。

ほんに比べることのできないほど並々ならぬご様子ではいらっしゃいますが、
光る君の幼いころのように、
眩いばかりのうつくしさではいらっしゃらないようでございます。

お二方ともに世の常の人としてはご立派で、気品があり
優雅でいらっしゃいますのは、
もとよりそのようなおん血筋でいらっしゃいますので、
源氏の君の御幼少時よりやや勝っておいでになるといった
世間からのご信望により、この上なくご威光があるのでした。

生前紫の上が特にお心を寄せ、たいせつにご養育なさいましたので、
三宮は二条院においでになります。

春宮は、もとより特に尊貴な御方でいらっしゃいますけれども、
帝も中宮も三宮をたいそうご寵愛あそばして、
内裏に住まわせたいとお考えでいらっしゃるのですが、
ご本人は気楽な故郷である二条院が住みやすくお思いなのでした。

御元服なすってからは、兵部卿の宮と申し上げます。

やはり明石中宮腹の女一宮は六条院の南の町の東の対を、
調度品やお飾り付けなど紫の上がご存命でいらしたときのまま改めずに
住んでいらして、朝夕上を恋い忍んでいらっしゃいます。

二宮も女一宮と同じ六条院の寝殿をお里下りのお休み所になすって、
内裏では梅壺をお部屋にしていらして、
昔、大将でいらした右大臣殿の中姫君を御手に入れていらっしゃいます。

二宮はこの次の春宮にお立ちになりますので、世の覚えは特に重々しく、
お人柄もしっかりしていらっしゃいます。

右大臣殿のおん娘は六人と、たいそう大勢いらっしゃいます。





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最終更新日  July 16, 2018 09:37:57 PM
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