田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2004年08月08日
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カテゴリ: ほどよく
通り過ぎてしまったのだ。

コム・デ・ギャルソン、通称ギャルソンは公式のホームページをいまだ持っていないようだ。
だから、すぐに公式にお店がどこにあるかはわからない。
非公式のサイトや人の話から、京都の御池にも店があるのを知った。

でも、私は通りすぎてしまった。
ちっとも分からなかった。

しばらくして、迷った末に戻ってきた私は黒壁を眺めた。
確かに、白抜きで「COMME des GARCONS」と書いてある。

その分かりにくさは赤い壁の心斎橋の比ではない。


道にアピールするショーウインドーなどなく、ガラスの扉が一つあるだけだ。

店員も大きな声でいらっしゃいませとは言わない。
中はレジカウンター以外は白い壁だ。
並べられている服が、なんがか浮かんでみえた。
天国の入り口の映画の映像みたいだった。
時々、店員が黒い天使に見えたほどだ。

いや、なんだか、店員総てが陳列されているようにさえ、感じる。

ブティックというより、近代美術館のモニュメントの展示場みたいだった。
勿論、油絵はないから、油の匂いはしない。

しばらく、シャツを眺めていると店員が話しかけてくる。
本当に詳細に、淡々としているが熱心に服について説明してくる。

ここらへんの姿勢は感服する。

店員さんに関西でのギャルソンの店舗なんかを聞く。
そして、京都のロケーションに話が及ぶ。
「ええ、わざとここはひっそりと作ってますので」
ひっそりしすぎだよ、第一、迷ったじゃないかとも私は思った。


店の一番奥にあり、しかも隠れている。
さらに階段はシンプルを取り越してむき出しである。
ちょうど、プレハブ小屋の外につけてある階段を思い出してもらえれば丁度いい。

ただ、不思議なことに真っ白な壁に囲まれていると、その階段さえオブジェがごとくになる。

大きさとしては心斎橋店よりは小さいが、それでも充分だった。
まったく同じような服もあるが、ちょっとずつ素材が違ったりしていたし、記憶によるとジーンズが多かったように思う。

結局、私にはちょうどいいものが無くて、服を買わずに外に出た。

店員はあくまで、冷静だったし、やかましすぎる売り場が多い中、むしろ、安心さえしたほどだった。

そして、振り返って黒壁を眺めて、考える。
それに、京都ってヒョコッと小さいけど、面白い店に出会うことがある。
この店もそうなのかもしれない。
さらに、こんな分かりにくいところでも、糸を伝うようにやってくる人がいるんだろうなぁ。
私もその一人だけど。

その姿勢を行過ぎた商業主義への反発とか、ヨーロッパの伝統的なモードへの反発とか色々言う人もあるだろう。
私はそういう歴史的な背景はわからない。

ただ、私がそこに感じたのは自信がもたらす余裕だ。
ある表現さえすれば、顧客を呼び寄せることができるんだという、態度だ。
ホームページを持たないのも、その表れなのかな。

だとしたら、もしかすると時代に乗り遅れているかも、といった不安に対峙する自信を持ちながら、独自の道をしっかりと歩んでいるのだろう。
感服する。

そして、今日も、京都にひっそりとギャルソンはそびえている。





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最終更新日  2004年08月10日 00時14分07秒
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