読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2006.12.03
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カテゴリ: その他の本
本との出会いには、いろいろな形があります。

この頃では本好きさんのブログから興味を持ってというのがふえました。
他にも、 こんな出会いもあれば こんな出会いもあります
ところで、先日の東欧旅行のときにも、こんな出会いがありました。

ちょうど、私が旅行にでかける直前に、村上春樹さんがフランツカフカ賞を受賞されたというニュースがありました。
授賞式はチェコのプラハの旧市庁舎であったそうです。


さて、東欧旅行の往路のことです。ヒースロー空港で乗り換えの時間がありました。
免税店のぶらぶらと見て歩いていた私は、偶然入った書店で、「海辺のカフカ」の英訳本をみつけたのです。
お店の隅っこの方に、村上春樹の本が数冊。
その中でも、一番分厚いのが「海辺のカフカ」でした。
買おうかどうしようか、迷いました。
だって、旅行はまだ始まったばかり。本はかなりの厚さで重い。
機内持ち込みの荷物は一つだけと決められているので、バッグはすでにパンパンです。
座席は、ただでさえ狭くて、うんざり。
おまけに、旅行の直前までアルバイトしていたので、その疲れから体調も最悪でした。
そして何よりも躊躇した理由は、私にその英訳本を読めるだけの英語力がない、ということです。

だから、買わない方に心が傾いていました。

「こんな本をみつけたんですよー。買おうかどうしようか、迷っています」
と言ったら、彼女が言ってくれました。
「それは、無理しても買ったほうがいいですよ。一度逃したら二度とチャンスがないかもしれないです。」
確かにそうですね。
乗り換えに立ち寄っただけの空港の免税店でお目にかかるなんて、よっぽど縁があるに違いない。

思いきって買いましたよ。買った後のうれしかったこと!
読めないかもしれないなんて、考えることが間違ってました。
人生は長い。これから勉強して、読めるようになればいいんです。

その日の深夜にプラハに到着。
翌日にはなんと!おもいがけなくフランツカフカの作業場だった家や、
授賞式のあったという旧市庁舎を見学しました。
おかげでこの本は今、私の本棚に鎮座しています。
でだしの部分はこうです。


"So you're all for money,then?"the boy named Crow asks in his Dharacteristic sluggish voice.
The kind of voice you have when you've just woken up and your mouth still feels heavy and dull.
But he's just pretending.He's totally awake.As always.

「それで、お金のことはなんとかなったんだね?」とカラスと呼ばれる少年は言う。いくぶんのっそりとした、いつものしゃべりかただ。深い眠りから目覚めたばかりで、口の筋肉が重くてまだうまく動かないときのような。でもそれはそぶりみたいなもので、じっさいには隅から隅まで目覚めている。いつもと同じように。





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Last updated  2006.12.03 12:39:29
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