読書の部屋からこんにちは!

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2007.11.01
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カテゴリ: 映画と原作
昨日読み終わりました。模倣犯。


以前読んだときとは、ちょっと感じが変わりました。昔は「あーこんな犯罪も出てくるのか」とちょっと他人事みたいな、想像の産物という受け取り方をして読みましたが、今回は違います。なにしろ世の中では薄気味の悪い凄惨な事件が、実際に次々に起こっています。
憎いから殺す。興味があるから誘拐する。そういう犯罪は、同じ犯罪でもまだ普通の人間に近い場所にあるように思います。この小説のような、作品としての犯罪。観客に見せるための犯罪。人間はどこまで壊れていくんだろうなと、暗い気持ちになりました。

この小説では、読み手は初めから真犯人を知っています。二人の主人公が事故死することも知っています。読み手の知識に、ルポライターや被害者の家族や、警察が追いついてくるのを待ちながら読むことになります。終盤には真実に近づくいろいろな証言や証拠が挙げられて行くのですが、なぜか挙げっぱなしで、警察がそれを捜査するところは描かれません。そこはちょっと物足りなかったです。たとえば、北海道の女性が飛行機の中でピースの声を聞いたこととか、カズの声の録音が残っていたかどうか、子どもに拾われた携帯電話がどうのように扱われたか、等など・・・
真犯人は逮捕され、事件は落着しますが、結局誰一人として幸せになりませんでした。被害者の家族のつらさは癒されることがありません。その中で、事件の発見者真一が生きる意欲を持ち始めたことだけが、小さな光となって心に残りました。



ところでついでに、「模倣犯」のDVDも借りてきて、見たんですよ。ぱぐらさんってヒマ人なのねって言わないでね。ほんとうにヒマ人なんです。
でも、見なけりゃ良かったよー、こんな映画。全然ダメ。おもしろくない。
長大な小説を映画にするためには、設定が変わったり省略したりするのは当然のことですが、それは映画をおもしろくするためのものでしょう。それなのに、何の意味もなく原作と変えているところが多すぎます。





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Last updated  2007.11.01 23:16:32
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