cyn1953さん
>こんばんは!
>読書案内、どんな本が小川さんの心に響いて、どんな表現でそれを表すかとても興味あります。
>読んでみます。

ぜひ読んで感想をお聞かせください。作家と共感したり、否定したり、それもまた楽しいものです。 (2009.07.02 09:48:02)

読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2009.06.30
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カテゴリ: エッセイ
今日ご紹介する本は、私の大好きな小川洋子さんの、読書案内です。


もともと私はプロが書いた読書案内が大好き。
このブログでご紹介してきた中にも、 林真理子の「20代で読みたい名作」 斎藤美奈子の「趣味は読書」 柴門ふみの「恋する文豪」 などがあります。
「20代で読みたい名作」は、あまり本を読まない人に読書を勧めるために、読み上手が料理しておいしそうに書いた読書案内。
「趣味は読書」は、社会背景や世相まで言及したベストセラー案内。
そして、「恋する文豪」は、一般の読み手の飾らない感想を書いたもので、私たち本好きの感想文に、いちばん近いものだと思います。

それぞれに好きですが、この小川洋子さんの本は、彼女の小説と同じように、しみじみとした幸せに包まれるような読み心地のいいエッセイでした。


たとえば、川上弘美の「蛇を踏む」についてはこう書かれています。
「普通小説は、ある到着地点をめざしてそこに着陸します。ところが川上さんの場合は、着陸するどころか、どんどん遠くへ、果てのほうまで行ってしまう小説です。たとえ読者がおーい、待ってくれと叫んでも、川上さんは聞こえないふりをして、勝手に足の赴くままに去って行ってしまう。そのような独特な読後感もあります。」


村上春樹の「風の歌を聴け」についてはこうです。
「それまでずっと私は、心の傷との葛藤を描くことこそが文学だと思っていました。その傷とどう向き合うか、どう克服してゆくかという問題と格闘することが文学だと。ところが村上さんは、そんなことは言葉では書けないのだという大前提に立って書いている。そこがいままで読んできた小説とまったく違うところでした。」


また、作家としてだけではなく、母性で読むという彼女の母親としての側面も垣間見えて、小川洋子ファンとしては、ほんとうに満足できる本でした。
変身、こころ、アンネの日記、悲しみよこんにちは、星の王子様、走れメロス、たけくらべ、車輪の下、銀河鉄道の夜・・・・・・・・・
かつての文学少女、文学少年ならば、誰でも甘酸っぱい思い出までがよみがえってきそうな、書名の数々。本好きさんには自信を持ってお勧めできる、すばらしい本です。





ところで余談です。
小川洋子さんは岡山市の出身ですが、私も転勤族だった父について、子どもの頃、岡山市に住んだことがありました。小川洋子さんの出身小学校は、なんと私も当時、1年間だけ在籍していたんですよ。もちろん年齢が違うので、私が6年間在籍していたとしても同時に通うことはなかったんですけど、なんだかうれしいですねえ。





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Last updated  2009.07.01 06:03:25
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Re:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
くまさん555  さん
読書案内という分野は、読んだことがないです
でも、ぱぐら2さんのお話を聞いていると読みたくなりました^^
(2009.06.30 16:02:05)

Re:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
かのこ.  さん
私も、読書案内という部類の本は、読んだことがありませんでした。
でも、ぱぐらさんの紹介を読んでいると、なんだか楽しそう♪
私だったら、きっと、案内を読んだだけで、本を読んだ気になってしまいそう(^_^;
最近、また、本が読めなくなってしまったので、読み途中の本があるのですが、
気になってるんだけど、1行読んでは休み・・・なので、
思い切って、手を付けないことにしました。
やっぱり体調が悪いと、鬱の人は、字が追えなくなるようです。
マンガさえも、休み休みとは・・・ちょっと淋しいです。

(2009.06.30 21:11:44)

Re:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
cyn1953  さん
こんばんは!
読書案内、どんな本が小川さんの心に響いて、どんな表現でそれを表すかとても興味あります。
読んでみます。 (2009.07.01 21:41:51)

Re:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
ミシェル・デマルケ さん
へぇ。けっこうたくさんあるんですね、読書案内本ってのは。

知らなかった~。

読書案内が好きというのは、ばぐら2さんがほんとに読書好きなひとだから、なんでしょうね。
ミシェルはというと、本は好きなんだけど、でも根っから好きというのとは違うって感じですから、読書案内本とかエッセイ本とか新書版とかは買ったとしても「積読(つんどく)」になりがちで・・・。

> 小川洋子さんの出身小学校は、なんと私も当時、1年間だけ・・
あ、そっちは判るわ~・・・って思えますです(笑)。ぜったい嬉しいですよね、たとえチッチャイことでも好きな有名人との共通点を発見するのって。 (2009.07.01 22:40:51)

Re:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
きたあかり  さん
こんばんはぁ~♪

この本は読もうと思っていましたが、すっかり忘れていました。 さっそくポチりました。 ご案内ありがとうございました♪♪♪ (2009.07.01 22:55:49)

Re[1]:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
ぱぐら2  さん
くまさん555さん
>読書案内という分野は、読んだことがないです
>でも、ぱぐら2さんのお話を聞いていると読みたくなりました^^

本好きな人なら、読書の幅が広がることマチガイナシですよ。読んだことのある本はもちろんのこと、未読の本も未読なりに、納得しながら読めます。ぜひ一度読んでみてね。宮部みゆきもミステリーのアンソロジーを出していますよ。 (2009.07.02 09:43:41)

Re[1]:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
ぱぐら2  さん
かのこ.さん
>私も、読書案内という部類の本は、読んだことがありませんでした。
>でも、ぱぐらさんの紹介を読んでいると、なんだか楽しそう♪

著者と対話している気分になれるのが、楽しいですよ。あーそうそう、そうでしたね!って友達みたいに。

体調が良くなるまで、しばらく待ってもらいましょう。私もぜんぜん読めないときがありましたが、本は黙って待っててくれるからうれしいです。名作は月日がたっても、味わいは変わりませんからね。 (2009.07.02 09:46:52)

Re[1]:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
ぱぐら2  さん

Re[1]:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
ぱぐら2  さん
ミシェル・デマルケさん

>読書案内が好きというのは、ばぐら2さんがほんとに読書好きなひとだから、なんでしょうね。

でもね、私が読書案内を好きなのは、本好きさんのブログを読むのが好きなのと、同じ感覚ですよ。共感したり否定したりされたり、同じ本をめぐって見も知らぬ人の考えを知る。そこがおもしろいんです。

>あ、そっちは判るわ~・・・って思えますです(笑)。ぜったい嬉しいですよね、たとえチッチャイことでも好きな有名人との共通点を発見するのって。

ふふふ・・・ミーハーなのよねえ。私実は、松島菜々子と誕生日が同じなんです。これもけっこううれしいわ~ (2009.07.02 09:52:58)

Re[1]:「心と響き合う読書案内」 小川洋子(06/30)  
ぱぐら2  さん
きたあかりさん
>この本は読もうと思っていましたが、すっかり忘れていました。 さっそくポチりました。 ご案内ありがとうございました♪♪♪

うわあ、うれしい。読み上手のきたあかりさんはどんな感想を持たれるのか、楽しみです。
感想をアップされるのを待ってまーす! (2009.07.02 09:56:35)

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