読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2011.01.31
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カテゴリ: 小説
中学時代に読んで以来、いつかもう一度読みたいと願いつつ、何となく機会がないまま今になってしまいました。

約40年ぶりに再会したジェーン・エア。
やっぱりこの本、すごく魅力的ですよ。しかも、愛情豊かでありながら、骨太!!
一筋縄じゃない彼女の愛の前に、脱帽するしかないと言う感じです。


両親をなくした女の子が、引き取られた家でいじめ抜かれ、厄介払いに預けられた寄宿学校でも悲惨な環境に耐えて成長する。その環境の中にも、親友が出来たり、やさしい先生と出会ったり、つかのまの幸せを感じることができた。
知性と教養を身につけた彼女は、ある屋敷に家庭教師として雇われ、そこの主人と恋に落ち・・・ラストは、今まで知らなかった親戚とめぐり会い、莫大な財産を得て、幸せな結婚。


つまり、定番中の定番とも言える、孤児のサクセスストーリーですね。
40年前に読んだときは、かわいそうなみなしごの行く末が心配で、そればかりに気をとられて読みました。読み終わったときは、すごく満ち足りた気分だったのを、今も覚えています。



ジェーンって、ものすごく頭が固くて理屈っぽくて、おまけに頑固なんですよね。
ロチェスター氏の愛に、酔ったりおぼれたりということが、まったくないんです。もっと言うと、可愛げが全然ない。
あんな心のこもった愛の言葉を投げかけられたら、石でできた女だって、心がとろけてしまうだろうと思うんですが、そういうことは全然なくて、いつもさめた目で、ちょっと斜めに現実を看破している。(しかもドレスだの何だの、いっぱい買ってくれるっていうのに、彼女は嫌がってるし)
若い女性として(なんと、18歳ですよ)なんて不幸なことだ!!と、思ったのは私みたいな凡人だけ?
ロチェスター氏のロマンチックな(しかも心の底から血の出るような!)愛の言葉にも、甘い反応をまったく見せずに、彼の元から出奔してしまうんです。
この人はなぜわざわざ不幸の瀬戸際に行こうとするんだろう。だってそれは、ロチェスター氏をも不幸のどん底に突き落とすようなふるまいですよ。

その後、変わり果てたロチェスター氏と再会して、やっと真実の愛にめざめるというラストシーンとなりますが、正直あーやれやれ、やっとたどりついたのね。というすれた感想を抱いた私なのでした。
私もおばちゃんになったのねと、今さらながら再認識したのでした。


同じ本を40年ぶりに読むという体験は、自分の変化も見ることができて、なかなかおもしろいものですね。


 【中古】文庫 ジェーン・エア 上【画】


 【中古】文庫 ジェーン・エア 下巻【画】





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Last updated  2011.01.31 22:15:43
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