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2005/02/11
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テーマ: ニュース(95826)
カテゴリ: カテゴリ未分類
北朝鮮外務省が10日、核兵器製造保有を明言するとともに核兵器庫を増やす政策をとる、さらに、6カ国協議参加を留保し、6カ国協議からの日本の排除を求める、と言う声明を発表しました。

10日に、北京の日本大使館から北朝鮮大使館に宛てて、北朝鮮から提供された骨が偽物であることを丁寧に解説し、拉致被害者の帰国を求める文書が送られているそうです。そもそも1200度で高熱処理した骨を日本に渡して、何の証拠性もなく拉致被害者の骨だと主張すること自体に、北朝鮮政府の誠意と人道性を疑いますが、明らかな犯罪行為を行い、それを糊塗し、さらには科学的な反論を捏造と言い放ち、核兵器を持ち出して脅迫するという神経には、もはや何も言う言葉もありません。

中韓米にとっては、核問題解決だけが目標なので6カ国協議の中座は問題かも知れませんが、拉致問題を抱える日本としては、中韓米の非難を浴びたとしても、日本独自の対応をとるべきだと考えます。もう何度もこのブログ・スペースで訴え続けてきていますが、平和を尊重する国家である日本がとれる最大級の抗議の意思表示である「経済制裁」を行うとともに、中韓米に更なる拉致問題解決への支援を訴えるように、できれば、中韓両国の政治的圧力によって平穏無事に北朝鮮の政権交代が行われ、正常な指導体制の下に拉致被害者の方が安全に帰国できるように、粘り強い外交努力を関係当局・自民党・民主党にお願いしたいと思います。

時を同じくして、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開の話が持ち上がってきています。 2月4日の日記 にも書いたのですが、核兵器を持たないことを宣言している日本がとりうる最大級の核抑止力が高速増殖炉という考え方があるのかも知れません。核分裂を利用する発電形態としては、天然ウランの主成分のウラン238が活用できて、燃料のプルトニウム239が炉の運転に伴って自然に増殖できるという方式は、資源を持たない日本には最適のものと言えます。ですが、これは、成功すれば、という条件付きでの話で、核兵器を既に製造したと言っている北朝鮮に対して、原爆の材料プルトニウム239を即座に大量保有することにより対抗できるというわけではありません。事故続きの日本の原子力技術では成功する保証がないのです。

月刊現代の3月号で、上坂冬子という事情のわかっていない人が間抜けな評論(バカバカしくて反論する気にもならない)を書いていますが、裏付けもなくただ原子力開発は安全だ、95年のナトリウム噴出事故や昨年の美浜原発の蒸気噴出事故は大した事故ではないと言い張るその感覚、そして、こうしたいい加減な議論を雑誌に掲載して平気でいられるマスコミが存在すると言うこと自体が、北朝鮮が核を持つなら、日本はプルトニウムを保有しよう、高速増殖炉復活だ、という安易な発想ではとても無理だと言うことの証明です。科学技術はそんな生易しいものではありません、精密な実験、冷静沈着な思考の産物です。細かな失敗への再評価、その対策の積み重ねです。冷却剤のナトリウムの制御は非常に難しく、欧米諸国は全て断念しているのです。なぜ、日本に期待しているかのように言ってくるかと言えば、日本国内が高速増殖炉の実験よってどう荒れようと対岸の火事だからでしょう。失敗したところで、自国の経済に大きなストレスがかかるわけでもない。それなら、危ないものは日本に押しつけよう、ということです。

私は、ロケットさえ打ち上げることのできない日本のお寒い科学技術の現状では、「もんじゅ」運転を再開してもいずれまた事故を起こして中断と言うことになると思います。大量の税金が無に帰します。そんなことが許されるような日本の財政事情なのでしょうか?仮に、何とか「もんじゅ」の運転が軌道に乗ったとしても、安定的にプルトニウム239を生産し、実用的に発電を行えるようになるのには、10年程度の時間がかかってしまうでしょう。北朝鮮がテポドンを撃って来るのに間に合うんでしょうか?あるいは、「もんじゅ」運転再開は純粋に日本のエネルギー対策でしかないのだ、ということを認めるとしても、安定的な電力供給を行えるのは相当に先の話です。現在の軽水炉タイプの原発の寿命がくるのに間に合わせられればよい、という位の時間感覚です。

ならば、日本としては究極の技術を目指すべきではないでしょうか?高速増殖炉は成功すれば夢のような話ですけれども、成功する保証がないのです。技術的困難克服の課題が数多くあります。どうせ、そうなら、海水から重水素を採取して燃料にできる核融合方式に特化すべきではないでしょうか?核融合方式でも安全面には難しい問題が数多くあります。高温プラズマを閉じ込める容器の材料、高温プラズマの制御、そしてやはり放射性廃棄物が出ます。現状想定されている核融合反応では三重水素も使うのですが、これをどうやって得るのか、という問題もあります。ですが、核融合の放射性廃棄物はあらかじめどのような物質が生成されるのか予測がたちます。核分裂方式では、分裂後に何が生成できるのかという予測がたたないのです。核のゴミの処理の問題は深刻です。これは、中性子が原子核内の陽子間のクーロン力の緩和を行っていて、質量数が大きい原子核ほど中性子の比率が大きい、従って核分裂により生成される原子核は中性子が過剰で不安定になる、しかも原子核の振動のどの状態で中性子を吸収するかによって分裂後の生成物が種々のものになる、というところから来ている原理的問題なので、技術で克服できる問題ではないのです。日本がとるべきエネルギー政策は、核分裂式発電から核融合式発電への転換であり、ITER誘致に成功することです。

話を北朝鮮問題に戻しますが、平壌宣言中の「双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。」という記述を、小泉首相が訪朝した時点から既に北朝鮮が破っていたことが確認できたわけです。日本が平壌宣言を守らないなどと言う北朝鮮は厚顔無恥も甚だしいですが、このような不誠実な政府を国家間交渉の舞台に入れるべきではないと主張するのは日本の側です。こういう時に、国際間の問題は交渉の駆け引きで決まるというようなことがよく言われますが、中韓米がどう言おうと、拉致問題を国際間の駆け引きの問題に引きずり込むべきではないと考えます。



今までも、このブログで何回も訴えてきましたが、日本がこうした立場をとれば、北朝鮮が日本に向けてテポドンを撃てるわけがないのです。一切の武力的背景を使うことなく、背広とネクタイだけで交渉に当たろうとしている国に対して武力で応酬すれば、いかなる国際的な報復が待っているか、それは北朝鮮の不誠実な人間たちにもよくわかっているでしょう。むしろ彼らが保身を図ろうとしているのが見えすいているからこそ、日本は平和的な手段に訴えて国際的な理解を目指すべきなのです。日本対中国の試合で起こったような対応を日本人が取らずに、平穏無事にワールド・カップ・サッカーの予選の試合を行って、きちんと試合では日本が勝利している、これが日本の有るべき姿です。

「北朝鮮に対抗して核武装」がだめなら、プルトニウム239確保のために高速増殖炉だ、という無駄なお金の使い方のないようにお願いしたいと思います。





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最終更新日  2005/02/11 08:57:50 PM


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