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2005/04/17
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テーマ: ニュース(95826)
カテゴリ: カテゴリ未分類
一昨日、昨日と、メールをたくさん頂きました。掲示板を閉めていて申し訳ないです。

sumairu1962さんより、 4月14日の日記 で書きました、「国立大学授業料を無料化せよ」につきまして、メールを頂きました。ありがとうございます。北大大学院工学研究科博士課程において、今年度から、一旦納めた授業料と同額を、研究補助員に対する報酬の形で支払うことにより実質的に授業料の無料化を行うというニュースのご指摘を頂きました。

宮武外骨さんからも、雑誌「世界」に授業料に関する論文が掲載されているというメールを頂きました。近いうちに読んでおきたいと思います。ありがとうございました。

夏夜景さん、musamejiさんからも、激励のメールを頂きました。ありがとうございます。

博士課程の実質的授業料免除について書いてみたいと思います。
私は、大学は理学部の物理学科で、同期の人間はほとんどが大学院に進学しました。私も、その気になってしっかり勉強すれば進学できないこともなかったのですが、オイル・ショックとぶつかり、進学してしまうと就職が難しくなるのではないかとビビってしまい、サラリーマンになってしまいました。私の同期で修士課程に進学した人も博士課程には進まず、就職してしまった人が多いように聞いています。

ちょうど、私たちの頃は、オーバー・ドクター問題が深刻で博士号はとったものの仕事が無く、結局、タクシーの運転手をやるしかない、というような話をよく聞きました。修士課程までにしておけば一般企業の採用枠もありますが、博士課程となると一般企業では新卒採用ではなく、中途採用扱いにすることが多いのではないかと思います。博士課程での研究成果を活かせるような就職先となるとなかなか見つけられず、やむを得ず、高校の先生になったという方も多いと思います。まして、大学に残って教授職に就くということになると、私の同期でも数人です。博士課程に数十人進んで数人分のポストしかない、ということで、専門的研究に進むことをほとんどの人が断念することになります。

まして、修士課程、博士課程になると、自分の研究を進めるために、できる限りの時間が欲しい、多くの文献に当たりたい、多くの実験を行ったり、多くの共同研究プロジェクトに参加したい、と思っても、霞を食って研究できるわけではありません。研究テーマによっては、位置移動が必要で旅費がかかる場合もあります。しかしながら、奨学金枠も限られています。やむを得ず、塾教師や家庭教師をやりながら、ということになりますが、こうした仕事もアルバイトだからということで軽く済むような仕事ではありません。しっかり準備しておく必要があります。結局、生活費を稼ごうとすると、自分のやりたい研究に時間が割けない、というジレンマに陥ります。



というわけで、日本で基礎研究で業績をあげるためには、富裕層の子弟でない限り無理という厳しい現実があります。これでは、大学に残って基礎研究に命をかけようと考える人は出てこなくなります。北大の博士課程でも最近は定員割れの状況が続いていたそうです。小泉政権ができたとき、小泉さんは「米百俵の精神」という言葉を持ち出しました。私も大きな期待感を持ちました。しかしながら、国家財政の赤字に減少の兆しが見えないのに、災害復旧・震災対策、とか、東シナ海の海底資源試掘に金を使うというのならともかく、いまだに、不要不急の高速道路を造り、新幹線を造ると言っているのです。高速道路を造るたびに、都会からの観光客は日帰りするようになって、地方の観光業は潤わなくなり、地方の消費者は便利な都会にまで買い物に出かけるようになって、地方経済はどんどん弱っていきます。自然は破壊され、生態系も変わり、クマやシカやサルが人里に現れて農作物を荒らしたり、人を襲うようになります。

最近、日本人のノーベル賞受賞者がよく出ています。しかしながら、最新の研究成果に対して賞が与えられているわけではなく、'80年代、'90年代の業績に対してです。'80年代に日本は、様々な工業品目で世界の頂点に立ちました。しかし、バブル崩壊とともに、首位の座は遠のくばかり、アジアの追い上げに遭って、韓国、中国、台湾、インドに迫られている状況です。日本が現時点で世界の最先端に立っていると言える分野は、かろうじて、ナノテクノロジー、医療分野などに少々あるくらいではないでしょうか?半導体分野でも、コンピュータ分野でも、遺伝子工学分野でも日本は世界に遅れをとってしまっています。やはり、日本は予算配分を誤っていると言わざるを得ません。日本人が、再度、「米百俵の精神」に立ち戻って、何を大切にすべきかを考え直す必要があると思います。





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最終更新日  2005/04/17 12:18:57 AM


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