zeroから始めよう

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ODそして生還


それでODすることを決意しました。

精神科で出される薬はODの危険性も踏まえて処方されるので
死ぬことはないんだろうな、とぼんやり考えながら
それでも少しでも長い時間眠りたいと考えました。

母と弟が出かけた後、薬を袋から全種類出し、効き目が弱そうなものから
1錠ずつ口にしていきました。
最後は効き目の強い抗不安剤と眠剤を20錠ほど一気に口に入れ、
普段は飲めもしないワインで飲み干しました。

それからまもなく記憶がなくなりました。

目を覚ましたのは救急病院のベッドの上でした。
意識が朦朧としながらも母がずっとついていてくれたことが分かりました。
点滴やら胃洗浄で身体中の薬を流したようです。
数えていませんでしたが、私が口にした薬は全部で166錠
病名は「薬物中毒(軽症)」でした。

こんなことをしてもたくさんの人に迷惑をかけるだけだと分かっていました。
それでも自分を止められませんでした。

付き添ってくれた母と弟が一言も私を責めないことに心が痛みました。




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