Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2006/12/10
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 スコットランド産のシングル・モルトは、本土のほか、6つの島(アイラ島、ジュラ島、アラン島、マル島、オークニー島、スカイ島)で生産されている。Talisker

 アイラ島以外の5つの蒸留されるモルトは、「アイランズ・モルト」とも言われ、それぞれに個性溢れるモルトを産み出している。

 今回紹介したスカイ島産の「タリスカー(Talisker)」( 写真左 =オフィシャルの10年ものです)も、アイラでもジュラでもアランでもない、独特の味わいが特徴だ。

 僕が「タリスカー」と出合ったのは、本格的にモルトを飲み始めてしばらく経った頃。島生まれのモルトに共通する潮の香りやスモーキーさはある。

 しかしそれだけではなく、スパイシーで、力強くて、ぴりぴりくるようなテイスト。しかし少し加水すると、ドライ・フルーツのような甘い香りも現れるから面白い。

 プロのウイスキー・ブレンダーはよく、「舌の上で爆発するような」とか「強い胡椒のような風味」とか表現する。そんなモルトはスコットランドでも、他にはない。強いて言えば、オークニー島産の「スキャパ(Scapa)」に近い雰囲気がある。タリスカー蒸留所

 タリスカー蒸留所( 写真右 )は1831年、スカイ島の西岸にあるカーボストという町で創業。現在でも、島で唯一の蒸留所だが、当初は地元の教会から、「風紀が乱れる」と猛反対されたという話も伝わっている。



 初溜釜から再溜釜へつながる中継管の途中から細い管が枝分かれし、その管は再び元の初溜釜へ戻る仕組みになっている。タリスカー・ダブルマチュアード

 初溜の後、中継管に残ったニューポット(蒸留されたモルトの原液)は再び、初溜釜に戻り、初溜釜のニューポットと混じり合い、再び蒸留される。

 こうして繰り返し蒸留されたニューポットはどんどん、スパイシーで、濃厚な味わいに変身していくのだという( 写真左 =オーク樽で熟成させた後さらにシェリー樽で熟成させた「ダブル・マチュアード」。旨いです)。

 もう一つの秘密は、モルトの造りの仕込み水に使われる蒸留所の周辺の地下水。この地下水なしではあの独特のスパイシーさは生まれないという。蒸留所の数だけ違った味わいがあると言われるのは、やはり仕込み水の個性に負うところが多いのかも。Talisker Old Bottle

 そして、蒸留所はごつごつした岩場の多い海岸べりにある。長い熟成の眠りにつく間、海からの潮っぽい風に包まれて、スパイシーでパワフルでスモーキーな「タリスカー」が育っていく。

 昔はそんなに飲まなかったタリスカーだが、最近は結構、BARで頼む頻度は多い。アイラでもスペイサイドでもない独特の個性。ボトラーズ(独立系瓶詰め業者)のモルトも数多い( 写真右 =今はなきオールドボトル。昔飲んだけど、感動ものでした)。

 普通のモルトに飽きた人は、ぜひ一度BARで「タリスカーをストレートで」と頼んでほしい。そして、まずそのまま味わって、その後1対1くらいに加水して味わってほしい。きっと、今までとは違うモルトの世界が開けるはずだ。

 ちなみに、銀座にこのモルトの名をとった有名なBAR(僕も時々お邪魔するお店です)があるけれど、マスターのUさんは、以前、ある雑誌で一番好きなモルトとして「グレンリベット」を挙げていた。じゃぁ、なんで「タリスカー」なのかな? 今度聞いてみようっと。

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Last updated  2006/12/11 12:15:04 AM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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