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バーUK・第18回「テイスティングの集い」(テーマは「エドラダワー」)は、21日(水)、18人のご参加を頂き、盛況に終えることが出来ました。 参加者の皆さま、講師を務めて下さったエドラダワー正規輸入代理店「ボニリ・ジャパン」社長の西尾和浩さま、本当に有難うございました!貴重なサプライズ・ボトルやノベルティもご提供頂きました。心から感謝致します。 西尾社長は約1時間余、現地で撮られた写真(スライド)を使って、興味深い話をたくさん聞かせてくださいました。スコットランド最小規模の蒸溜所が、日々どのようなウイスキー造りをしているのかがよく分かった、とても有意義な夜でした。 ご参考までに、本日試飲したボトルは以下の通りです。 基本5種=スタンダード10年、15年(フェアリー・フラッグ)、シングルカスク(シェリー樽熟成)、バレッヒェン10年、スタンダード10年・オールドボトル(90年代) 追加テイスティング(1)=ノンチルフィルタード10年、12年(カレドニア)、スーパータスカン・カスク、バローロ・カスク 追加テイスティング(2)=シングルカスク5種(熟成樽違い=シェリー、マデイラ、ソーテルヌ、シャルドネ、バーガンディ)、バレッヒェン・バーガンディカスク ※サプライズ・ボトル2種=1973年蒸溜の30年熟成、ホワイト・バーガンディ樽4カ月熟成原酒(非売品)【Bar UK】大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半(入店は8時まで)、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2019/08/22
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東京出張の折、銀座のあるBarで特別なリキュールを頂きました。なぜ、特別なのかと言えば、故・成田一徹さんがそこでキープしていたのです。そのリキュールのボトルが(小瓶ですが)半分ほど残っていたのです。 神戸の偲ぶ会にも来てくれたそのBarのマスターから「ぜひうちの店に来て、飲んでみてほしい」と言われていました。そして、今回の出張でそれが実現しました。その名は「メンタ・アルピーナ(Menta Alpina)」(写真左)。アルプス地方で、約60年前に造られたミントのリキュールです。 成田さんは、その著書「To The Bar」で「優しくて気品がある香味」と評しています。まさにその通りでした。加えて言えば、僕の印象は「とげとげしさがまったくない、柔らかな味わい」です。 これが本当に半世紀も以上も前に造られたリキュールなのか!と、驚くほどの素晴らしさでした。飲んだ後も、グラスの残り香が、いつまでも優雅に漂っています。 僕が飲んでも、瓶にはまだ3分の1ほど残っていました。マスターから「持って帰りますか?」と言われましたが、僕は「この絶妙の味わいをまだ知らないお客さんに、ぜひ飲ませてあげてください」と丁重にお断りしました。成田さんも、きっとそう望んだに違いないと信じたから…。 もう1本頂いたのが、これも古い時代のリキュール。ラベルには「Avernus Cucchi」(写真右)。1950年代のものだとか。めちゃくちゃ上品で、フローラルな香り。文句なしに美味しい味わいです。 マスターの話によれば、樺の花のリキュールだとか。欧米のネットで調べたら、確かにその通りでした。ただし、僕は生まれてこのかた、樺の花というものを見たことがありません。いつか、一度見てみたいと願っています。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2013/04/07
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故・成田一徹さんから聞いて以来、ずっと前からいつか味わってみたいと思っていた液体窒素を使ったカクテル(By Takuo Miyanohara @ Orchard Ginza)。ようやく実現しました。 今回ははデコポンが材料。ウオッカに漬け込んだデコポンをマイナス196度で瞬間に凍らせ、細かくしてグラスに乗せ、シャンパンを注ぎます。 カキ氷でもシャーベットでもない不思議な食感、上品な旨さ。高級スイーツのような印象です。カウンターの横に一徹さんがいれば、もっと良かったのけれど…。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2013/03/27
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ほぼ5年ぶりに味わったタンカレーのマラッカ・ジン(Tanqueray Malacca Gin)。 旨い! 華やかさと複雑さのハーモニー。いったい何種類の材料を使っているんだろう? 日本ではなかなか味わえないプレミアムなジンが味わえる幸せをかみしめる。 今回はストレートで味わったので、次回はロックで飲んでみようっと。有難う、マスター! ちなみに前回味わった時の日記がこちら→ 「2008年12月8日の日記」こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2013/03/15
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噂に聞いていたスモークド・モルトを、とあるBarで初めて味わいました。 モルト・ウイスキーそのものがスモーキーなのではなく、ベースとして使うのは通常のシングルモルトです(「シングルトン」という銘柄でした)。 まずガラス製のティー・ポットのような専用容器の上部のネット(金網)上でスモーク・チップを燃やし、容器の内部にも煙を満たします。 燃えるのが一段落したら、チップの燃えカスの上からモルト・ウイスキーを注ぎます。そしてしばらく容器の中で煙香となじませます。それをテイスティング・グラスに移していただきます。 味わった印象は、煙香がモルト全体を実にまろやかに、優しく包み込んでいるかのようです。 モルトそのものが生まれつきスモーキーという自己主張しているボウモアやラフロイグ、タリスカーなどとはまた違った印象です。とても面白い発見でした。 僕はこの専用の容器を運よく手に入れましたが、家でも試してみたい方は、スモーク・チップがあればガラス製のティー・ポットでも十分にできるかと思います。ぜひお試しを!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/12/30
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シェリーのマンサニージャで有名な銘柄「ラ・ヒターナ(LA GITANA)」に、無ろ過のタイプ(「エン・ラマ=En Rama」と言います)があることを、初めて知りました。 「ラ・ヒターナ」はうらんかんろも大好きなマンサニージャで、家にもいつも常備しています。この「エン・ラマ」は春だけに造られる限定品で、日本にはなかなか入って来ないそうです。素朴で、なめらかな味わいで、とても旨いのです! シェリー好きの皆さん、どこかのお店で出合ったら、ぜひお試しを!(その際は、ぜひ通常タイプの「ラ・ヒターナ」と飲み比べしてみてください)。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/09/06
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ウイスキー・フェスティバル2012OSAKA(@天満橋OMMビル)にお邪魔して、美味しいモルト・ウイスキーの試飲を楽しんできましたが、その会場で、ウイスキー評論家・土屋守さんのセミナー(話)を聞いていて、めちゃ驚いたこと。 昨年、世界中で消費されたウイスキーの銘柄ベスト10、1位はジョニー・ウォーカーだが、それ以外で我々が知っているのは、ジャック・ダニエル(8位)、バランタイン(10位)くらい。 で、残りの7銘柄はすべてインド産の(主に)インド国内向けのウイスキーだったこと(ちなみに、我が日本の銘柄は、サントリーの角瓶がようやく26位)。 インドではここ数年、急速にウイスキー人気が高まっていて凄い消費量なんだとか。しかし、輸入スコッチは値段が高くて、一般庶民はもっぱら国産ウイスキーを飲んでいるということです。 12億人とも言われる人口を持つインド(中国を抜くのは時間の問題)は将来、日本のウイスキーメーカーにとっても、とても魅力ある市場になるかもしれませんね。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/15
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6月1日の日記で、サントリーのウイスキー「山崎」「白州」の裏ラベルの製造者住所の表示が、山崎は蒸留所の住所になっているのに、白州はそうではない(「東京都港区台場2丁目」となっている)ことについて、「同社の営業担当者に尋ねているところです」と記しました。 しかし、営業担当者の説明は疑問に十分答える内容ではなかったので、改めて、同社のお客様センターに直接尋ねました。その返答が一昨日とどきましたので、うらんかんろのブログの読者の皆様にもお知らせいたします。以下がその内容です。 *************************************** ****様 ご連絡をいただきましてありがとうございます。また、日頃からのご愛顧に心よりお礼申し上げます。お問い合わせの件につきまして、以下のとおりご案内いたします。 1. 商品表示に関する法律で、基本的には「製造者名」と「製造所所在地」を記載することになっています。ただし同一製品を複数の工場で製造している場合は、「製造者名」、「本社所在地」、さらに「製造所の固有記号の記載」という 方法をとることができます。 「白州」につきましては、貯蔵は白州蒸溜所で行っていますが、瓶詰めの設備がないため、瓶詰め工程は別の場所で行っております。そのため、「製造者所在地」をサントリー酒類株式会社の住所(台場)にしております。 「山崎」については、貯蔵も瓶詰めも山崎蒸溜所で行っているので、山崎蒸溜所の住所を、そのまま記載してあります。 2. 白州の裏ラベルにある製造者名「サントリー酒類(株)A」のアルファベットは製造所固有記号で、「A」の工場の所在地は大阪府です。 3.「白州」は、大阪にあるサントリーの工場で瓶詰めしています。 今後とも皆様にお喜びいただけるような製品づくり、企業活動に努めてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/04
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馴染みのBarで、見たことのないオフィシャルのラフロイグ(英スコットランド・アイラ島産のスコッチモルト)を味わいました。 訪れた日、マスターが旅先のパリから持ち帰ったばかりの「ペドロヒメネス(超甘口のシェリー)樽熟成」です。 ペドロヒメネス樽熟成と言っても、最初から最後までその樽で熟成させたということではありません。ラベルに記されている説明では「final subtle maturation in(Pedro Himenez Cask)」ということですから、最後の1、2年間だと思います。 味わってみると、そんなに甘ったるくはなく、程よい甘さが、あのラフロイグのスモーキーさに見事に調和していました。ボディには奥行きもありました。 そのうち、きっと日本にも輸入されるでしょうが、皆さんも機会があれば、ぜひ試してみてください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/06/07
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5月2日の日記で、サントリー社の「角瓶」の「ラベル表示」問題を取り上げました。そして、その日記でのうらんかんろの批判的な問題提起について、ブレンダーの方から頂いた見解を、5月17日の日記で紹介しました。 「ラベル表示」の件についてはこれ以上言ってももう空しいので、再び取り上げないつもりでした。しかし、先日初めて味わった新「山崎」「白州」のボトルの裏側のラベルを見て、うらんかんろは驚きました。 「これは、もうひとこと言っておかねばいけないと思った」ので、あえて書かせていただきます。この文章をお読みになった、心あるサントリー社の関係者がいらっしゃればぜひご見解を聞かせていただきたいと思います。 先般、角瓶で指摘したのは、「なぜ製造者の住所を(サントリー発祥の地である)従来の大阪から東京に変えたのか」でしたが、これに対しては「2008年に『持ち株会社』化して、製造者である(子会社の)サントリー酒類(株)の本社登記が東京都港区台場2丁目に変わったので、法律上やむを得なかった」という説明でした。僕も十分には納得できなかったけれど、しぶしぶ了承しました。 しかし、今回の発売された新「山崎」「白州」のボトルの裏ラベルがどうなっているか、皆さん、機会があれば一度とくとご覧ください。製造者は、「山崎」も「白州」も「サントリー酒類(株)」となっているのは「角瓶」と同じですが、その住所は驚くなかれ、「山崎」は「大阪府三島郡島本町」となっているのです。 そして、さらにもっと驚いたのは「白州」の裏ラベルはについては「東京都港区台場2丁目」となっているのです(え!? 白州はいつからお台場で蒸留し始めたんだ?)。 「山崎」と同じ理屈であれば、当然白州蒸留所がある「山梨県北杜市白州町」としなければおかしいはずです。この首尾一貫のなさは、いったい何なのでしょうか? 法的にはこれでいいのでしょうか? 「山崎」は山崎蒸留所のモルトしか使っていないからこれでいいのだ、しかし「白州」は白州蒸留所以外のモルトも混ぜているから、本社登記のある東京都にしたのだと言うのでしょうか?(しかし、パンフレットには白州以外のモルトを使っているなど一切書いていません)。 両銘柄の裏ラベルの「不統一」の理由はいったい何なのでしょうか? これが許されるならば、あの「角瓶」だって製造者住所は、法的にも、サントリー発祥の大阪市北区堂島浜2丁目でも許可されたのではないのでしょうか。 さて、この疑問にサントリーの担当者はどう答えてくれるのでしょうか? 回答がありましたら、またこの日記でご紹介したいと思います。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/06/01
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販売が解禁になったノンエイジ表示のサントリーのシングルモルト・ウイスキー「山崎」「白州」を早速味見してきました。 今回の山崎、白州は、10年、12年とか18年という熟成年数の表示がありません。そして入門用ということで、お値段も手ごろに設定されています。希望小売価格はともにボトルで3500円です(量販店なら、2800~2900円くらいで売られるのでしょうか)。 どういうコンセプトでの新商品なのか気になりますが、その点は先日、友人のI氏が同社のブレンダーの方に聞いてきてくれました。 その話によれば、「初めに年数ありきの作り方はしなかった。上(隠し味)には20年を超える原酒を使い、とにかくハイボールにしても違いが分かる、ストレートで口にして違いが分かる造りにした」とのことです。 それぞれの造り方の特徴は、パンフレットによると、「山崎の伝統であるミズナラ樽貯蔵モルトと赤ワイン樽貯蔵とをバッティングした」「白州蒸留所の古酒モルトと同蒸留所のよりスモーキーな雰囲気を持ったモルトとをバッティングした」とあります。 年数表示がないのでなおさら、中に入っている原酒(モルト)が何年物なのかとても気になるところですが、同社は「年数は非公表」ということなので、正確なところはよく分かりません。 ただ、I氏から聞いたこのブレンダーの方の話と他の関係者からの情報を総合すれば、「(ウイスキーとして出せる下限の)3年熟成とか、そんなギリギリでは無くて、基本は5年以上で上限は9年以下。メインは7~8年物の原酒」ところではないでしょうか。 さて、実際にストレートで味わったうらんかんろの感想は、山崎は甘くて、なめらかで味わいで、パンフレットにも書いてありましたが、(ワイン樽由来の)イチゴのようなアフター・テイストに驚きました。一方白州は、やはり従来の白州の延長線上かなぁという感じ。柑橘系、ミント系のような軽やかな香りが印象的でした。欲を言えば、どうせならもっとスモーキーさを強くしても良かったかなとも思いました。 皆さんもBarのバック・バーの棚で見かけられたら、ぜひお試しくださいませ。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/05/29
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誕生日祝いにスコッチ・モルトウイスキーを頂きました。ラベルには「WEMYSS MALTS Smooth Gentleman 8 years old」と記されています。 恥ずかしながら、うらんかんろもこれまで見たことのない名前(銘柄)とラベル・デザインのモルトです。でも、8年ものとは思えない、いい琥珀色をしています。とても旨そうです。 贈り主にメールで尋ねてみると、「**百貨店限定のボトル」なんだとか。ネットで調べると、かなりこだわりのメーカーみたいです。う~ん、(贈り主は)なかなかいいセンスをしている。やるなぁ…(笑)。心して大切に味わいます。本当に有難う!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/05/23
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5月2日の日記で、最近発売された角瓶の復刻版の裏側のラベルの住所が変わった(大阪・堂島浜→東京・台場)ことについて、うらんかんろは、サントリー社の姿勢を「悲しく思う」と記しました。 この件について、先日友人がサントリーの関係者に会って僕の思いを伝えて、見解を尋ねてきてくれました。友人は、広報の責任者と会うことは叶わなかったのですが、同社のブレンダーの方2人から直接、話を聞くことができたそうです。 ブレンダーの御二方の説明は、要約以下の通りだったとのことです。 「弊社の製品を関西の方に愛して頂けていることに感謝しています。角瓶に関しては『変わらぬことが価値』ということで商品開発や営業とも意見がおおむね一致しており、可能な限り、昔のスタイルと味を維持するように努力しています。ご指摘の裏ラベルに関してですが、ご存知のように会社の組織変更に伴うもので、法律的な見地からも大阪から東京に変えざるを得なかったこと、悪しからずご了承いただければと思います。 弊社としても、シェリー香を特徴とする昔の味を復元した特殊な商品でもあり、関係省庁と折衝の末、表側ラベルに本来は許可されない弊社の旧称である『壽屋』を使うことを許可して頂きました。かような事情を御推察頂き、引き続きサントリー製品を御愛顧いただければ幸いです」 この説明を聞いて、僕が納得したかと言えば、そうではありません。法律的な見地というのは、2009年に、サントリー株式会社社が持ち株会社制に移行して、持ち株会社のサントリー・ホールディングス以外、すべての子会社の本社登記を東京へ移したことを指すのでしょう。ウイスキーなどアルコール類の製造・販売は、サントリー酒類(株)という子会社の担当となり、その本社登記は東京都港区台場2丁目に移されました。 ある会社が食品類を製造・販売する際は、おそらく、その会社が本社登記した住所を明記しないといけないと法律で決まっていて、だから、2009年以降の製品については住所表記が変わるのはやむを得ないから理解してくれ、たとえ復刻版ボトルであっても、住所表記は変えられなかったんだということなのでしょう。 法律的には仕方がないのかもしれません。結局は「そもそも論」に立ち返ってしまうのですが、やはりその企業の「創業の心」「存立の精神」とか、この場合は「ウイスキーづくりの原点」は何かということです。 サントリー社のウイスキーラベルの住所表記から「大阪」という2文字がなくなるということは、僕にとっては、夏の甲子園が東京ドームで開催を変更するとか、吉本興業が大阪から撤退するとか、宝塚音楽学校が宝塚からなくなるのと同じくらいショッキングで、理解しがたいことです。 サントリーの場合、やはり原点は山崎蒸留所であり、大阪発祥の鳥井商店・壽屋ではなかったのでしょうか。今の角瓶はボトルデザインは基本、昔のものを継承していますが、ラベル表示を見ても、そうした「原点を大切にする心」はほとんど感じられません(唯一、鳥井信治郎さんの英文のサインが肩ラベルに見られるくらいでしょうか)。 持ち株会社に移行することは、時代の流れとして仕方がなかったのかもしれません。しかし、ウイスキー製造・販売会社の本社登記はあくまで、「大阪市北区堂島浜2丁目」にこだわってほしかったと思うのは、僕だけでしょうか。 一消費者がこれ以上言っても、「遠吼え」でしかなく、むなしいのでこの辺りでこの件にはケリを付けたいと思いますが、「創業地への愛」を忘れてしまったような姿勢に重ねがさね、悲しく情けない思いでいっぱいです。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/05/17
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とある馴染みのBarで、マスターと米国の禁酒法時代の話題になりました。するとマスターやおら、バック・バーの棚の奥の方からか古いボトルを引っ張り出してきました。 「こんなん持ってます。禁酒法時代のバーボンです。私の師匠が昔、オークションで競り落としたのをもらったんです。中身はもう飲めませんけど」とマスター。ラベルには「Old Mork Whiskey Louiville, Kentucky」等とありますが、初めて見るバーボンの銘柄です(おそらく今はもうない銘柄でしょう)。 面白いのは裏側のラベルです。「Manufactured Prior to Jan. 17, 1920 / For Medical Purposes Only」とあります。「(禁酒法が施行された)1920年1月17日以前の製造/医療目的に限る」と。 すなわち、これは医師が治療目的で薬として患者に与える酒類であって、医師の処方箋があって初めて薬局で購入できたバーボンでした。(禁酒法が施行された)1920年1月17日以降製造のウイスキーは、一部の例外を除いていちおう販売が禁止されたので、わざわざ「1月17日以前の製造」であることを強調したのでした。 処方箋とは言っても、当時、書いてもらう費用は2ドルくらいだったと伝わっていますから、富裕層は医者をまるめ込めば、好きなだけウイスキーが買えた訳です。 なお、この裏ラベルのシールは、禁酒法時代、たくさん偽造されて、1920年1月17日以後に製造された(医療用)ウイスキーボトルの裏側に貼られたそうです。このボトルは禁酒法がいかに"ザル法"だったかを今に伝える「証人」かもしれませんね。 ちなみに、こうしたバーボン、お値段は当時の資料によれば1本5~10ドルくらいだったとか。禁酒法時代の一般労働者の平均月収は80~90ドルだったそうですから、富裕層はともかく、庶民にはそう簡単に手に入るものではなかったでしょう。 一般庶民は闇ルートで出回る(比較的安価だけれども)粗悪な酒に手を出し、健康被害も少なくありませんでした。そしてそうした庶民の弱みにつけこんだのが、アル・カポネに代表されるマフィア(ギャング)でした。禁酒法時代の悲しい現実です。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/05/05
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先日、行きつけのとあるBarで、うらんかんろは、バック・バーの棚に見慣れないボトルがあるのを見つけました。ラベルには、筆文字で「博多」と書いてあります=写真。 「そのボトル、何なん?」と僕。「あっ、これはお客さんが買ってきてプレゼントしてくれたんです。博多(エリア)限定で販売されている、ニッカのモルト・ウイスキーやそうです」とマスター。 「限定」という言葉を聞くと、僕はとても弱いのです。「へぇー!、こんなん初めて見たわ、飲んでみたいなぁー、1杯ストレートでちょうだいなー」と、早速お願いしました。 第一印象は「とにかく、バランスがとれていて、甘さも程よく、喉越しがいい」というもの。度数は43度。値段はいくらなのかは正確には知らないのですが(8000~9000円という説も)、とてもよくできた芳醇なモルト・ウイスキーです。 ボトル裏のラベルには「大麦麦芽100%を使ったモルトをホワイトオークの樽で熟成させた」としか書いてなくて、詳しい成り立ちはあまりよく分かりません。ただ、ニッカのHPで少し手がかりを得ました。 2005年頃から博多地区限定で、販売が始まっていて、中味は「余市と宮城峡のモルトをバッティングしてつくった、とても香りの高いピュア・モルトです。瓶詰めは柏工場でおこなっています」とのこと(他にも仙台限定の「伊達」というニッカのモルト・ウイスキーもあるらしいです)。 博多へ行けば、有名どころのBarではたぶん飲めるかもしれませんが、関西では果たして他に置いている店はどれくらいあるでしょうか。ウイスキー好きの皆さんはぜひ、見つけたら味わってみてほしいです。ほんと美味しいです。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/05/04
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サントリーの角瓶の復刻版ボトルが最近また発売されたので、早速少し買ってみました。この復刻版ボトルは5年ほど前にも一度限定発売されたことがあり、その時も購入しましたが、いまだにもったいなくて飲めていません(笑) さて、今回の復刻版を買って、改めてボトルを見て、驚きを通り越して、少し悲しくなったことがあります。ボトルの裏側のラベルの表示です。 製造者と住所の表示ですが、5年前の復刻版(写真の右)にはちゃんと「製造者・サントリー株式会社 大阪市北区堂島浜2丁目」となっていたのに、今回の復刻版(写真の左)では「製造者・サントリー酒類(株) 東京都港区台場2丁目」と記されているではありませんか! 大阪発祥のサントリー。現在でも商法上の本社(登記)は、大阪本社に置いていると聞きます(東京の台場は社内では「ワールド・ヘッドクォーター」という位置付けだそうです)。大阪で生まれた角瓶の「復刻版」ということであれば、やはりラベルの製造者や住所表記は、5年前と同じにしておくべきだったでしょう。 サントリーもご多分にもれず、会社の主要機能は事実上、東京へシフトしてますが、「創業の地(原点)」とか「大阪で創業した誇り」を忘れる姿勢が情けないです。このラベル表示に、社内で異議を唱える人は誰もいなかったのでしょうか? Barのマスターの皆様、もしサントリーの営業の方が店に立ち寄られたら、貴社と貴社のウイスキーを愛し、こういう思いを持っている人間もいることをぜひお伝えください。 PS1.最近購入した通常の角瓶の裏側を見たら、すでに表記は「サントリー酒類(株) 東京都港区台場2丁目」でした。いつから表記変わったんでしょうかねぇ…。 PS2.詳しい友人に聞いたところ、2009年に持ち株会社と子会社に分離して以来、持ち株会社のサントリー・ホールディングスのみ大阪に本社を置き、それ以外はすべて東京へ登記も移したそうです。従って、ラベルの表記も2010年くらいには変わっていたのか。気が付きませんでした。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/05/02
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あるBarのマスターから教えてもらって、そのうちに一度味わってみたいと思っていた「シャルトリューズVEP」を先日初めて味わいました。 シャルトリューズと言えば、1767年からフランスのシャルトリューズ修道院で造られている秘伝のハーブ・リキュールです。 イエローとグリーンの2種類があります。お菓子やケーキづくりの材料にもよく使われています(現在は民間会社で委託生産されているらしいですが)。 このVEPは通常のシャルトリューズのワンクラス上の品で、VEPとは「Vieillissement Exceptionellement Prolonge」の頭文字をとったもので、「長期熟成...品」という意味だそうです。 大樽で8年以上熟成させたものを瓶詰めした高級品とのこと。せっかくだから、イエロー、グリーンともにストレートで味わいました。第一印象はいずれも、「実にまろやかで、滑らかで喉ごしがいいなぁ」でした。ナイトキャップ向きのお酒かもしれません。 度数はスタンダードなものとほぼ同様、イエローが42度、グリーンは54度と差別化していますが、グリーンはやはり度数がきついので小さい氷を一個くらい入れた方がいいでしょうね(笑)。 もしこの日記を読んで、「じゃぁ、僕も飲んでみようかな」と思う人にお勧めするのは、同じシャルトリューズ・イエロー同士で、スタンダード品とVEPの飲み比べ。より違いが分かっていいと思います。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/04/29
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いつもお世話になっている神戸のBar・SHで、マスターから素敵なリキュールを一杯御馳走して頂きました。 バイオレット・リキュールです(元々は東京のお客さんIさんからのプレゼントだそうです)。マスターが「これはぜひそのまま味わってみてください」と言うので、そのまま頂きました。 一口味わったとたん、僕は驚きました。こんなになめらかで、奥行きの深いリキュールは30年以上Bar巡りをしている僕でも初めての経験です。その旨さに脱帽でした。 聞けば、このリキュール、ドイツのマリエンホーフという会社の高級品で、なんと200mlで約5000円近くするということです。ボトルだといったいいくらするのか、考えるのも恐ろしい(笑)。 マスターも「カクテルの材料で使ったら、まったく採算合わないですね」と苦笑。普通のBarでは、そう簡単には味わえないということですね。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/04/22
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明後日3月11日は、あの東日本大震災から1年です。被災地の復興は遅々として進まず、いまだ避難されている方も多い現実を前にして、改めて「政治家よ、国会よもっとしっかりしろー!」と大声で言いたいです。 さて、東北の現地まで支援に行くのは叶わないうらんかんろですが、せめてもの復興支援にとその後も引き続き、日本酒を頼む時は、「東北のお酒置いてますか?」と尋ねて、できるだけ岩手、宮城、福島、それに風評被害で苦しんでいるその周辺地域の酒を飲んでいます。 最近呑んだ被災地&周辺の酒のなかから、素晴らしい逸品8本を以下に紹介したいと思います。福島が6本、残り3本は岩手、山形、秋田です。メーカーなど詳しいデータはお手数ですが、グーグルかヤフーでお調べください。すみません。 被災3県の一日も早い復興と、被災・避難した皆さんが一日も早く故郷へ帰れることを、心から祈っています。 以上、すべてBarCluricaun(クルラホン)で【Bar Cluricaun】大阪市北区曽根崎新地2-2-5 第3シンコービル4F 電話06-6344-8879 午後7時~午前3時 日休(連休の場合は最終日のみ休)【ご参考】過去に復興支援のため飲んだ東北の酒は、こちらで紹介。こちらにも、まだこちらにも。ここがはじまり。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/03/09
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今年も大阪Bar・K正月恒例のモルト半額ウイークへ、友人と2人で行って参りました。 今年は、Mマスターからいきなり“先制パンチ” 「**さんと**さんが喜ぶような貴重なモルトは、もううちでは今年でネタ切れですよ。うちの店にある美味しいのは、お二人ともこれまでにもう全部飲んでしまわれましたから」と言われた。 確かにここ7、8年、このBarでのモルト半額ウイークには必ずお邪魔しているが、有名どころはほぼ味わってしまった。ブラックボウモアも、バイセンテナリーも、マッカランやハイランドパークやタリスカーの60年代ものも、山崎のミズナラも、竹鶴の35年(モルトじゃないけど)も。その他ボトラーズの珍しいのもいろいろ。 友人とも、「確かにもうだいたいの有名なボトルは味わってしまって、もしまだ飲んでないものがあっても、味はだいたい想像できるレベルまで来てしまったからなぁ…」「そうだなぁ、最近は腰を抜かすくらい驚くようなモルトと出会うことも少なくなったしなぁ…」とお互い、納得するしかなかった。 で、あともし生きてるうちに飲みたいモルトは何かという話になった。で、お互いの意見が一致したのは、(1)沈没船から引き揚げられたモルト=昔、銀座で置いてるBarを見たが、とんでもないお値段で飲めなかった(2)1940年代のマッカラン=第二次世界大戦中でシェリー樽がない時代のもの(3)山崎50年--かなぁ…と(番外では、モルトじゃないけどあの「ロマネコンティ」も)。 さて来年は、飲みたいと思える貴重&稀少モルトとあのBarで出会えるだろうか? ちなみに、そんなこんなで今年Kで味わった7種類のモルトたちは以下のようなもの。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/01/22
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その後も、東北の復興支援のお役に立てるならと、東北の日本酒を置いているBARでは、相変わらずよく頼んで呑んでいます。今回紹介したお酒の詳しいデータは、また後ほどということで、とりあえずラベルの写真をアップしておきます。 以上、すべてBarCluricaun(クルラホン)で=大阪キタ。 以上、すべてBar公界(くかい)で=東京・渋谷。【Bar Cluricaun】大阪市北区曽根崎新地2-2-5 第3シンコービル4F 電話06-6344-8879 午後7時~午前3時 日休(連休の場合は最終日のみ休) 【Bar 公界】東京都渋谷区宇田川町41-26 パピエビル1F 03-3780-6773 午後6時~午前4時(金~5時) 不定休 ※偶然ですが、この2軒はどちらもリーデルのワイングラスで適温に管理された日本酒が味わえて、その味わいと奥行き、香りが心ゆくまで堪能できます。加えて、両店とも日本酒に合う絶妙な肴を、数多くそろえています!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/07/02
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被災地経済の復興支援の気持ちを込めて、最近は日本酒を飲む時は、もっぱら東北の酒を指名していますが、今度は宮城の地酒を飲みました。 栗原市一迫(いちはさま)というところにある蔵、「金の井酒造」の純米吟醸「綿屋」です(あまり土地勘はありませんが)。 「綿屋」は酒造米や造り方の違いで、いろんなシリーズが出ているようですが、これは酒米で有名な「雄町(おまち)」でつくったもの。 超すっきり、さっぱりの辛口でした。飲みやすい! う、うまーい! 頑張れ東北! うらんかんろは、これからも東北の酒蔵を応援します。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/04/27
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被災地経済の一日も早い復興を願って、先日の東京での「南部美人」に続いて、昨日お邪魔した大阪キタのBar・Cでも、東北の日本酒を飲みました。ささやかですが、うらんかんろ流の被災地支援のつもりです。 Bar・Cは、ウイスキーやワインだけでなく、日本酒や焼酎も、いつもそれぞれ40~50種類は置いているので、その日の気分で飲めるので重宝しています。 岩手や宮城の酒も飲みたかったのですが、被害の大きい酒蔵が多いことと、流通(輸送)手段がまだ十分回復していないので、欲しい銘柄は入手がなかなか難しいそうです。 という訳で、この夜はたまたますべて福島の酒でした。店にあった5種類のうち、3種類(雪小町、天明、栄川)を頂きました。マスターは「近々、岩手や宮城の酒も入ると思います」と言ってましたので、期待しましょう。 頑張れ東北! 現地に行けない酒呑みは、義援金を送る以外は、せめて自分のできることでこれからも支援していきます!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/04/16
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ワインのコルクを利用して暖簾をつくりました。 電動ドリルでコルクの中心に数ミリの穴を開け、ヒモを通してつなぐだけという簡単なものです。 一番下にくるコルクはアクセントとして、シャンパンのコルクにしました。写真ではよく分からないかも知れませんが、サイズは縦約65cm、幅約40cmです。 この暖簾、実は昔、友人がシンガポールで営んでいたBARにこのようなコルクの暖簾があるのを写真で見せられて、「面白い、いつか作ってみよう」と思っていました。 で、家で飲むワインやシャンパンのコルクは捨てずにずっと残してきました。集めているのを知った友人が使用済みコルクをよくくれたこともあって、今ではその数、千数百個(数えたことがないので、ほんとは何個あるのか分かりません)。 ちなみに、今回の暖簾では約220個使いました。今回のは、あるお宅からのリクエストもあったのでプレゼントすることになっていますが、次は我が家用にも一つ作ろうと思っています。タペストリーみたいに飾っても面白いかも。でも、どこに吊るそうかなぁ…。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/01/18
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週末、スコットランドのシングルモルト・タリスカー(Talisker)のイベント、「ディスカバー・タリスカーwithクラヤミ食堂」に抽選で当たったので、期待に胸を膨らませて行ってきました。 このイベントは、タリスカーを美味しい料理と一緒にいろんなスタイルで味わって、その魅力を再発見しようというのが狙いですが、「クラヤミ食堂」とはその名通り、真っ暗な中で味わうのです。 会場のホテルに着くと、まず、「イベントの途中ではトイレに行けないので先に行っておいてください」と言われ、その後目隠しを渡されます。会場へは目隠しをしたまま、スタッフの介添えで入り、所定の席に座ります。 文字通り暗闇の世界。声が聞こえるだけです。何も見えないと時間の経過がよくわからなくなります。席に着いてからイベントが始まるまでとても長く感じられました。 さて、この日のメニューは、1.タリスカー10年ソーダ割りと、帆立とツブ貝のカルパッチョ2.タリスカー10年ミスト・スタイルと、ベーコンと色とりどり野菜のスープ3.タリスカー10年ソーダ割りのペッパー載せと、サーモンとマッシュルームのBBQ風、羊肉ソーセージ&キャベツの酢漬け4.タリスカー・ディスティラリーズ・エディションのミスト・スタイルと、岩塩載せチョコレート5.タリスカー18年オン・ザ・ロックと、スペアリブ、ダンディ・ケーキ という本格的なものでした。グラスや皿の位置は、スタッフの方がだいたい説明してくれるのですが、料理が何かという説明はあえてありません。口に入れて初めて何かが分かります。真っ暗なのでやはり、フォークやスプーンが使いにくいです。時々手づかみになります(笑)。視覚障害者の方のご苦労が、少しは分かった気持ちになります。 目は見えないけれど、同じテーブルに座った人とは、あれこれ楽しく話しながら、タリスカーと料理を味わっていきます。見えない相手がどんな方なのかなぁと想像するのも一興です(最後にケーキを食べる際、ようやく目隠しを取ってもいいというお許しが出ました)。 改めて思ったのは、我々(の脳)は普段、舌だけでなく、視覚を通じても味を認識しているのだということです。あるソムリエの方は「例えば赤ワインは、舌だけで赤ワインと判断してるのではなく、目で赤だと認識していることに助けられている。色が見えないグラスでブラインド・テイスティングすると、プロでも濃厚なタイプの白と赤を間違うこともある」と言っていました。 何も見えない世界で頼れるのは、ただ、自分の舌(味覚)と鼻(嗅覚)だけです。だからこそ、料理や酒の本当の味を評価できると言えるかもしれません。本当に、興味深い楽しいイベントで、貴重な体験でした。これで無料ですから、本当に申し訳ないくらいです(お土産には、タリスカーのピンバッジを頂きました! スタッフの皆さん、本当にご苦労様でした!!)。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2010/11/08
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うらんかんろが最も馴染みにしているBARのうちの1軒、大阪キタのBar・Kでは毎年正月の1週間だけ、お店にあるモルトはすべて半額で飲めるという「大奉仕キャンペーン」をやってくれます。嬉しいですね。今年は18日~23日の1週間でした。 で、早速お店に行って参りました。毎年この半額大奉仕には欠かさずお邪魔して、普段は飲めないような、ちょっといいモルトを味わい、至福の時間を過ごすことにしています。 今年は何からいただこうかなぁと悩んでいたところ、松葉マスターが「**さん、とりあえずこれ今年のおすすめです」と「Tomatin(トマーチン)1976年」の31年熟成(2007年ボトリング)=写真左=を僕の前に。 う~ん、さすがです。思いっきり熟成感が出て、芳香もしっかり漂っています。Tomatinはあまり人気のない、マイナーな銘柄ですが、最近は頑張っているようです。 2杯目は、やはり僕の好きなアイラ島のBowmore(ボウモア)で。とは言え、Bowmoreは相当呑み荒らしているので、最近はあまり驚くようなBowmoreには出合いません。 この夜出てきたマスターおすすめのBowmoreは、1994年蒸留の14年熟成で、2009年ボトリングの「ボトラーズ」もの(Berry Brothers社販売)です=写真右。90年代以降のBowmoreはオーナーであるS社の設備改善の成果もあって、80年代よりも大幅にクオリティが上がりました。 しかし、それでもBowmore黄金期の60年代~70年代前半のような味わいや香りはなかなか再現できません。だが、このBowmoreはなぜか、60年代~70年代前半のような、オレンジやパッション・フルーツのような柑橘系の香りが結構しっかり付いています。なぜだろうか?という僕の疑問に、マスターが解説してくれました。 「実はこのBowmoreは、Bowmore社の歴史に残る美酒、『Bicentenary』などを造るのに使った空き樽を再利用して熟成させたらしいのです。だから、そうした美酒の樽香や残留したエキスが結構残っているという訳です。こういうBowmoreは、90年代前半のものに時々見られるんです」。 もっとも90年代前半のボトリングと言っても、「当たりはずれがあるので、全部が全部そうじゃありませんが…」と言います。皆さんも、こうした蒸留年&熟成年数のBowmoreを見かけたら、ぜひ一度お試しあれ。 さて3杯目。シェリー樽系のモルトにしようかとも思ったのですが、この夜は松葉マスターのおすすめに最後まで従って、「Ardbeg(アードベグ)10年」のオフィシャルのオールド・ボトル(写真左)にしました。 1970年~80年代頃流通していたボトルでしょうか。この頃のアードベグはあまり味わったことがないので、Bowmoreとの対比という点でも興味深いです。 で、味わってみると、さすがにボディは少し枯れているような感もありましたが、Ardbeg独特のピート香や潮臭さがとてもよく出ていました。 という訳で今年もBar・Kの「モルト半額大奉仕」をたっぷり楽しませていただきました。松葉マスター毎年ほんとうに有難う! 来年もよろしくねー!【Bar・K】大阪市北区曽根崎新地1丁目3-3 好陽ビルB1F 電話06-6343-1167 午後6時~午前1時 日祝休こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2010/01/24
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うらんかんろが最近飲んだウイスキーの話題を2つ。 以前、08年6月22日の日記で紹介したアイラ島で8番目の蒸留所「キルホーマン(KILCHOMAN)」。そのキルホーマンからこのほど、ついに初のオフィシャル・モルトのボトルが発売されました=写真左。 2005年6月に操業を始めたキルホーマン蒸留所からは、これまでにもオフィシャルのニュー・ポット(3年未満熟成の酒)が、「ニュー・スピリッツ」という名前で3~4種類ほど発売されていましたが、今度はいよいよ「シングルモルト・ウイスキー」です。 英国の法律で、ウイスキーと名乗れるためには「最低3年間、熟成させなければならない」というルールがあります。すなわち、キルホーマンでようやく瓶詰めできる3年熟成のモルト・ウイスキーが誕生したということです。 うらんかんろはすでに「ニュー・スピリッツ」は味わい、そのクオリティを高く評価していました。だから、満を持して登場した「オフィシャル・モルト」には、個人的にも大きな期待を寄せていました。 46度で売り出された初のモルトは、ニュー・スピリッツの流れをくんで、ピートの効いたしっかりした味わいです。3年熟成にしてはボディはとてもしっかりしています。しかし、色合いを見て、僕は「えっ?」と不思議に思いました。3年にしては色がしっかりした琥珀色をしているのです。 あるBARのマスターさんに「3年でこんな濃い色が出るんですか?」と聞いてみました。するとマスター曰く。「おそらくは(カラメル色素で)色付けしているでしょう。3年じゃこんな色は出ません。ただ、色付けは(英国の)法律上認められているんです」と。 僕は考え込んでしまいました。キルホーマンはなぜ、3年熟成そのままの色でボトリングしなかったのか。色が薄くても、旨ければいいじゃないかと思います。カラメルの「化粧」を加えて熟成年数を多く見せることは、犯罪ではないのかもしれないけれど、僕は釈然としません。 ウイスキーでも「樽出し」とか「無濾過(ノン・チルフィルター)」とか、そういう「ありのまま」が好まれる時代です。だからキルホーマンも素直に、正直に、ありのままを出したほしかったと思うのは僕だけでしょうか。 ◇ ◇ ◇ もう一つの話題は、サントリーがついに国内発売に踏み切った「響12年」=写真右。チーフ・ブレンダーの興水精一さんをして「私の最高傑作」と言わしめたブレンディド・ウイスキーです。欧州で先行発売されたので、国内で飲めるのはいつかと心待ちにしていました。 これまで「響」は17年、21年、30年の3種しかありませんでした。ノンチル・フィルタードでアルコール度数55.5度の「響」もあります(ありました?)が、最近は姿を見ません。発売をやめたのでしょうか? オーセンティックBARでは、せいぜい「17年」が飲まれるくらいで、21年や30年は高嶺の花でした。お値段も結構する(普通1杯1500円前後はします)ので、僕自身も「17年を飲むくらいなら、モルトを飲む」ことが多かったのです。 しかし、手頃なお値段で飲める「響」が誕生するなら、それは嬉しいことです。「12年」は名前は同じ「響」ですが、これまでの「響」とは味の趣がかなり違います。「響」であって、「響」でない別のウイスキーのようです。 それは、興水さんも言うように、様々な個性的なモルトに、超長熟モルト(おそらく「ミズナラ樽のモルト」のことか)と梅酒樽熟成のモルトを少しずつブレンドし、さらに多彩なグレーン・ウイスキーで仕上げているためでしょう。 とくに、この梅酒樽熟成のモルトが効いています。舌の上でころがしても、テイスティング・グラスで味わっても、梅酒の甘い香りがほのかに立ち上ってきます。「12年」のキャラを決めるポイントになっていると言ってもいいでしょう。ほかにもプラムのような果実香やハチミツ香も漂います。 この絶妙の配合(ブレンド)が、「響12年」の芳醇で、フルーティで、ほのかに甘いキャラクターを形作っています。サントリーはなぜか、ハイボールで飲むのがおすすめだというポスターやチラシも作っていますが、僕はぜひストレートで、「12年」の素晴らしさを味わってほしいと思います。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2009/10/27
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昨夜、社内の送別会の後、あるBARに独りでふらっと寄りました。すると、マスターが「**さん、きょうは時間あります? 実は、ロバート・ヒックスが後でうちの店に来てくれるんですよ。9時から10時くらいの間にって言ってました。何時かはっきり分からないんですが、それまで待ってませんか?」と耳打ちしてくれました。 ロバート・ヒックス氏と言えば、ことし64歳。「バランタイン」社のマスター・ブレンダーとして長年活躍し、同社を引退後はラフロイグ(Laphroaig)蒸留所に移り、マスター・ブレンダーをつとめている偉大な方です。「クォーター・カスク」など最近のラフロイグの味わいは、最終的にすべて彼が決めていると言ってもいいのです。 僕はこのブログでも以前書きましたが、同蒸留所が運営する「ラフロイグ友の会(Friends of Lapfroaig)」の会員になっているほどのファンです。あのスモーキーで、ピーティーな香りと味わいにはまってもう12年になります。 2年前の秋、アイラ島への旅でラフロイグ蒸留所を訪れた際は、彼に会えなかったので、こんな嬉しいことはありません。蒸留所を訪れた際の、従業員の皆さんの歓待にも改めて御礼が言いたいと思いました。 そして待つこと1時間余。ヒックス氏がやって来ました! 下はスコットランド伝統のキルトの衣装です。提携先の日本メーカー、S社の方3人ともう1人、親会社の社長と言われる外国人と一緒でした。 5人がカウンターに座ってしばらくして、マスターが「実は、Friends of Laphroaigの会員の方が来ておられるんですよ」と僕を紹介してくれました。するとヒックス氏は椅子から立ち上がって、僕に歩み寄り、固い握手をしてくれました。 実は、ヒックス氏が19日から約1週間の予定で来日することは、友の会会員への全員メールで知っていました。しかし、どこのBARに出没するのかはまったく触れておらず、会えるなんて夢にも思っていませんでした。Hicks氏「ミスター****、会えて嬉しいよ」僕「4日前に貴方(蒸留所)から来日されるというメールをもらいましたよ。お知らせ有難うございました」H「日本は何度来ても楽しいよ。君はラフロイグに来たことがあるかね?」僕「はい、2年前に妻と一緒に訪れたんですよ。すごく皆さんに親切にしてもらいました。改めて感謝します。とくにジャックという名前の男性に」H「あぁ、ジャックね、彼はとても素晴らしい男だよ」僕「また、いつか再訪したいです。日本での滞在をぜひ楽しんでくださいね」H「有難う。すでに十分楽しんでいるよ。日本の友人とも再会できたしね」 この夜の出会いは約1時間余にもなりました。その間、「スランジバー、スランジバー!(ゲール語で「乾杯」の意)」とヒックス氏にのせられて何回杯を上げたか分からないくらい。すっかり酔ってしまいました(それにしても、ヒックス氏はよく飲む、よく飲む。このBARに来る前、山崎蒸留所ですでにボトル1本分を空けたらしいというのに)。 ヒックス氏は、マスターのためにBARに置いていた友の会限定ボトル「CARDEAS」のラベルにサインをして、僕との記念写真にも快く応じてくれました。こんな嬉しい偶然って、人生でそうあることではありません。このBARでは、以前、ボウモア(Bowmore蒸留所)の名物工場長、インア・マクファーソン氏とも偶然会えたし、そういう意味では、僕って運がいいのかもしれませんね。 ヒックスさん、素晴らしい夜と出会いを本当に、本当に有難う。僕は、死ぬまでラフロイグを愛し続けますよ!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2009/04/23
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ジンと言えば、ジンリッキーやジントニックなど、カクテルのベースになることが多く、あまり主役になりきれない、かわいそうな酒だ。 でも最近、あるBARのマスターから勧められたのがきっかけで、ジンだけでストレートやロックで味わい、ジン本来の旨さ、良さを僕は見直している。 ジンにもいろいろある。とんがったジンばかりではない。香りが良くて、クリアで、まろやかなジンだってある。 そこで近頃はBARに行くとよく、「そのままで飲んで美味しいジンの銘柄って、何か置いてます?」とマスターやバーテンダーに尋ねる。 で、そうして勧められて飲んだ、美味しいジンたちを紹介。まず、「Victorian Vat Gin」(写真左上)。ロンドン生まれ。普通の2倍のジュニパーベリーを使って樽熟成させた正統派。樽熟なのでほのかに琥珀色している。 次に「Zuidam Gin」(写真右上)。ジンの生産国として有名なオランダの生まれ。これも木樽熟成、しかも5年も熟成させている。飲み口は軽く、さわやかな香り。ウイスキーのような雰囲気も漂わせる逸品。文句なしに旨い。 こんどはなんと南半球のジン、「South Gin」(写真左)。ニュージーランドで初めて造られたジンなのだとか。そう期待しなかったのだけれど、呑んでみると結構いける。フレッシュでスムースで、香りも爽やか。ボトルの形が細く、高く、美しい。 最後に、「Tanqueray Malacca Gin」(写真右)。Tanquerayと言えば、ジンの王道をゆく銘柄。1839年に造られたオリジナルのレシピで味わいを再現したのだと言う。3回蒸留。実にまろやか。まだ正規輸入はされていないとかで、BARで見つけたら、貴方はラッキー。 ジンの飲み方はストレートでもロックでもいいが、できれば二つの飲み方で味わって、味そのものと香りの両方の比べてみるのが面白い(ソーダ割りや水割りなどは決してなさらぬように)。 世界は広い。これからもいろんな国がジンを造ってくるだろう。ホワイト・スピリッツの世界もますます面白くなりそうだ。皆さんも一度、ジンをそのままロックで味わって、その旨さを再発見してみませんか?こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2008/12/08
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「グレンリベット(The Glenlivet)」と言えば、全世界で最も飲まれているスコッチモルト・ウイスキーの一つ。ゲール語で「静かな谷」を意味する銘柄は、フルーティーで、ハニーやバニラのような香りを漂わせ、ほど良い甘さで、優しく繊細な味わい。絶妙なバランスが自慢のシングルモルトとして広く知られている。 その味わいは、グレンリベットと同じくらい世界中で多く飲まれているモルト、「グレンフィディック」とも共通点があるが、シングルモルトの王道をゆくものとして愛好家から高い評価を受けている(写真左=オフィシャルボトルの12年、15年、18年(左から))。 僕の馴染みのBARのマスターは、初めてスコッチモルトを体験するという客に代表的な3種類のティスティング(20mlずつ)を勧める際、ボウモア、マッカラン、そしてグレンリベットを選ぶことが多い。 すなわち、様々な銘柄のモルト旨さや味わい、香りなどを比較する上での「スタンダード(標準酒)」とも言える。僕も他の銘柄のシングルモルトを味わう際、「リベットに比べると***だなぁ…」と言い方をよく口にするくらい。 酒税法が改正され、密造酒の横行が一段落したスコットランド・ハイランド地方で、1824年、創業者のジョージ・スミスが興したグレンリベット蒸留所は「政府公認」第一号となった。エレガントな香りと優しい味わいが人気を集め、当時多くの蒸留所が「***** of Glenlivet」と名乗るモルトを商品化したほど。 スタンダードをゆくバランスの良さは、見方によっては、「個性に欠ける」という評価も受ける。実は僕自身も、そうした欠点らしい欠点のない味わいが物足りなく、普段はあまり飲まないシングルモルトだった。しかし、ある機会に古い時代(1970年~1980年代)のグレンリベットを味わった僕は、それが間違いだと気が付いた。 クリーンな味わいのゴールド色モルトを造り出すために、バーボン樽の使用比率(シェリー樽の使用は抑えめ)の高さにこだわり、ゆっくりとした風味づくり・熟成のために樽材は仏産オーク(「リムザン・オーク」と言う)にこだわる。それが軽やかだけれどもエレガントという味わいを生む。 そんなグレンリベットのすべてをじっくり味わえる機会があるというメールを先日、なじみのBARからもらった。ニューポット(樽詰め前の原酒)、12年、15年、18年、ナデューラ、オフィシャル12年の旧ボトルの6種類(約10mlずつ)を一度に味わえるという=写真右。 そんな機会はなかなかないので、早速お店にお邪魔した。聞けば、このテイスティングを企画したのは、輸入代理店だとか。もちろん販促や客へのPRが目的なのだが、そんなことより、僕にとっては、まだ味わったことのないグレンリベットのニューポットを楽しめることが何よりの魅力だった。 味わった6種のうち、オフィシャル12年、15年はまぁ知っての通り。18年の熟成感も言うことなし。シェリー樽熟成のお手本のような味わい。ナデューラは何度か味わったことがあるが、度数が強い(約59度)ので、まだつかみどころがよく分からない。 嬉しかったのは、1杯(種類)ずつ提供される際、そのモルトに合うつまみ(ドライ・フルーツ、チョコレート、スパイスなど)がチョイスされて一緒に楽しめること。これだけ飲めて味わえて2500円だなんて、夢みたいな話です(写真左上=モルトとドライフルーツは相性抜群!)。 この夜、どれよりも感動したのは、旨みが凝縮したニューポット(よく言われるたとえだけれど、まるで上質のグラッパかマールのよう)、そして12年の旧ボトル(写真右)。オールドボトルの特徴である「ひね香」はかすかにするけれども、それがうまい具合に旨みと調和している。 グレンリベットは不思議なモルトだ。独特のクセや個性をあえて強調せず、優しさやエレガンスを追求することが、グレンリベットをグレンリベットたらしめている。6種類を一晩で味わえる至福に包まれ、改めてその素晴らしさを見直した夜だった。 この貴重なテイスティング、年内一杯は希望すればまだ楽しめるという。ご興味がおありの方は、大阪ミナミの「Bar・HAYAFUNE」(大阪市中央区東心斎橋1-4-1 大和ビル10号館B1F 06-7651-8007 午後3時~11時 日祝休)まで、ぜひどうぞ。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2008/11/17
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あんまりいいネタもないんで、近頃飲んだウイスキーたちのことを…(ご興味のない方は読み飛ばしてください)。以前ほど超熱心という訳ではないですが、相変わらずシングルモルトは味わっています。 今回紹介するのは、いずれも何かを記念したシングルモルトのボトルです。写真左はハイランド・パーク。スコットランド・スペイサイドの名ホテル「ハイランダー・イン」の2008年限定ボトルで、阪急百貨店が今年の「英国フェア」記念で輸入したものです。22年物のカスク(たぶんバーボン樽)でした。 濃厚で、奥行きのある味わい。上品な甘味。さすがです。ちなみに英国フェアでは、29,400円で販売されていました(欲しいけど、今はちょっと手が出ません(笑))。 写真中は同じ「ハイランダー・イン」の限定ボトルですが、1973年蒸留・シェリー樽熟成で2005年のボトリング、すなわち32年(!)の歳月が詰まったグレン・ファークラス。文句を言わせないほど完成されたボディで、これも僕の好みの味わいです。 グレン・ファークラスっていう蒸留所は、毎回思いますが、ほんとにいい樽を持っていますね。シェリー樽熟成の長熟モルトはどうしてもお値段が高くなるんですが、これは意外とリーズナブルでした。 3本目。写真右は、ウイスキー・マガジンの編集長が選んだというボトル(エディターズ・チョイス)。1968年樽詰めの2005年ボトリングというから、なんと37年熟成です。 これもシェリー樽。カスク(樽出し)だから度数も高くて、ボディはしっかり。バニラやナッツのような香りもしますが、ソルティでピーィティな味わいもしっかり残しています。 しかし肝心の銘柄はと言えば、厳密には明かされていません。ウイスキーマガジンのHPを見ても、スペイサイドの蒸留所としか記されていませんが、蒸留所名のヒントとなる説明が少し添えられているので、推理してみるのも楽しいかも。 残念ながら、こういう素晴らしいモルトに出会えるのは、(懐とも相談しなければならないので)月に1~2度あればいい方。でも、頻度が少ないからこそ、本当に旨いものが飲める有難味が分かるのかもしれませんね。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2008/10/12
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梅酒がブームだそうです。酒屋さんやデパートの酒売り場でも、扱っている梅酒の種類は半端じゃありません。うちの近所のディスカウントの酒販店でも、30種類くらいあります。数年前なら、せいぜい7、8銘柄くらいしか置いてなかったのに。 梅酒ブームは健康志向の表れなのか、それともテレビCMの効果か。いや、それともお酒をよく飲むようになった女性層の支持を得たからなのか、よく分かりません。 まぁ、そういう専門的な分析はともかく、個性的な梅酒がたくさん市場に出てくるのは嬉しいことです。美味しい梅酒を、女性だけに独占させることはありません。男性陣もぜひあれこれお試しを。 という訳で、きょうはBARカウンターで、「梅酒づくし」といきました。いろんな美味しい梅酒を飲みたいなら、あそこしかないということで、大阪キタのBar「C」へ。 このBARは以前にも触れましたが、ウイスキー、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、リキュールなどおよそ酒と名が付いているものなら、まんべんなく揃っているという不思議な酒場です。 こだわりのあるマスターは、いつも珍しい、個性的な銘柄を全国から取り寄せています。そう広くない店内のどこにそんな隠しスペースがあるのか、いつも驚かされるばかりです。 「きょうは梅酒で」と注文を伝えると、案の定、どこからともなく、次々と梅酒のボトルが出てきます。その数10本以上! たくさんあって選びきれなーい。 マスターにおすすめを聞いて、選んだのが今回の3本。「あらごし梅酒 日本酒仕込み」(奈良・梅乃宿酒造)=写真左上、「7年熟成 青谷の梅」(京都・城陽酒造)=写真右上、「鳳来の倉出し 梅原酒」(愛知県豊橋市・福井酒造)=写真左。 どの梅酒も個性的で、梅酒の概念を打ち破るようなものばかりです。単に甘酸っぱいだけの梅酒は1本もありません。とくに「あらごし…」は、果肉がいっぱい入っていて、まるで濃厚なジュースを飲んでいるよう(でも、しっかりとしたお酒です)。 いつも度数の高い、辛口の酒(モルトウイスキー等)を飲むことの多い僕ですが、たまにはさっぱりした梅酒もいいなぁと再認識した次第。世の酒好きの皆さん、ビールやワイン、ウイスキーに飽きたら、たまには梅酒もいいですよ。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2008/07/20
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僕の大好きなアイラ・ウイスキーの故郷、アイラ島には現在稼働中の蒸留所は8カ所あります。 昨年秋アイラ島を訪れた際には、そのうちボウモア、ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベグ、ブルックラディックの5カ所にお邪魔することができました。 残る3カ所はカリラ、ブナハーブン、キルホーマンですが、このうちキルホーマン(写真右 =(C ) Kilchoman Distillery )は2005年6月に操業を始めたばかりの新しい蒸留所です。 しかし、当然のことながらモルト・ウイスキーを蒸留して樽で熟成させ、出荷できるまでには最低でも5~8年もの日数が必要です。 昨年秋アイラに訪れた際も、もちろんキルホーマンの存在は知っていました。ただ、蒸留所へ行ってもそこで造られたウイスキーが飲めないのではあまり意味はないので、足は運びませんでした。 しかしキルホーマンも、商品を出荷できるまで待っていては、従業員の給与も払えません。そこで、「ニュー・ポット」(「ニュー・メイクス」とも言います)と呼ばれる、出来て間もないモルトを瓶詰めして、少しずつ市場に出すことにしたようです。 そんなキルホーマンとしての初めての酒を、なんと大阪キタのあるBarで飲む機会がありました。初めてお邪魔したBarでした。店名が、ブルックラディックの蒸留所長の名にちなんでいたことにも興味をそそられました。 僕が昨年の秋、アイラへ旅したことを話すと、バーテンドレスの方が「それじゃぁ、これは飲んだことありますか?」とバックバーから出してきてくださいました(写真左)。 いつか飲めるだろうと思っていましたが、こんなに早く味わえるとは! ニュー・ポットは普通、あああ無色透明な酒です。しかし、この「キルホーマン」にはほんの少し色があります。ラベルには「ニュー・スピリッツ」と記されています。 説明を読むと、「07年12月蒸留、08年2月瓶詰め」とあります。すなわち出来たてほやほやではなく、3カ月間樽で熟成した後、瓶詰めしたものです(「ニュー・ポット」とは名乗らず、「ニュー・スピリッツ」と名付けたのはこのためか?) 口に含んでみると、当然、ニュー・ポット独特の麦芽臭はありますが、上品な甘味がほのかに感じられ、ニュー・ポットというより、4、5年熟成させたモルトのようなまろやかさも見せています。62.4度と樽出しの強さですが、そんなとげとげしさを感じさせない味わいです。 う~ん、わずか3カ月の熟成でこれほどまでに。キルホーマン恐るべし。これからが期待できます。熟成を重ねた本物のキルホーマン・モルトの登場が待たれます。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2008/06/22
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また、しばらく日記をさぼっておりましたm(__)m 新年になって事実上最初の日記はまず、最近飲んだモルトウイスキーの話題から。 味わったのは、こんなボトルたちです。まずはアードベグ。とは言っても、通常のボトルの4本分の量のビッグ・ボトルで、ラベルには「Ardbeg Mor」と記されています(写真左=右が普通のボトル)。 大阪キタのあるBARのマスターから、「珍しいのが手に入ったよ」と勧められていただきました。世界限定で300本とか400本とかいうボトルだそうです。 味わいはまぁ、アードベグの王道をゆくスモーキー&ピーティーです。「限定***本」と言われると得した気分になって、なぜか美味しく感じる僕でした。 次は、言わずと知れた「ラフロイグ」(昨年秋、蒸留所を訪れたのも、もう随分昔のような気がします)。その25年ものオフィシャル・ボトル(写真右)です。 ラフロイグのオフィシャル(市販品)はご存じのように通常、10年、15年、クォーター・カスク、カスク・ストレングス、30年の5種類しか出ていません。 だから、これは何かを記念した限定ボトルらしいです。色は普通のオフィシャルより少し赤みが強いので、おそらくは最後は、シェリー樽でのフィニッシュ(熟成)でしょう。 僕の家族でプライベートの祝い事があった翌日、あるBARへ行ってその話をしたら、マスターが「僕も一緒にお祝いさせてください」と言って、サービスで1杯くださいました\(^O^)/。 嬉しい心遣いです(僕がなんだか催促したみたい(笑))。このマスターはいつも、そういう何かいいことがあった時には、必ず少しサービスしてくれます。だから20年も通い続けてるのかなぁ…(^_^;)。 3枚目の写真は正月明けのとあるBARのカウンター。「ストラスアイラ12年」と「タリバーディン21年」のオフィシャルのオールド・ボトルです(写真左)。 今ではもう、なかなか口にできない貴重な味わいです。ストラスアイラはご存じのようにシェリー樽熟成。40度だからやさしい口当たりで、シェリー香もたっぷりでした。 タリバーディンは、今は「ホワイト&マッカイ」などのキー・モルトに使われていますが、これはホワイト&マッカイに出荷する前の時代のモルトだそうです。 味はハーブ香が豊かで、オールドボトル独特の枯れた感じも少しします。マイナーな蒸留所ですが、「俺たちだって」という心意気が伝わります。 最後の写真(右)には3本写っています。嬉しい「お正月料金」(普段の半額)だったので、「ご祝儀だからね」とさらに、3種類、普段は飲めない上等のモルトをいただきました。 左からハイランド・パーク30年、ボウモア30年、クラガンモア17年(これだけボトラーズもの=マネージャーズ・ドラム=です)。 味わいは言うに及ばず、です。「こんないいのを正月から飲んじゃうと、あと1年間、飲むモルトがなくなるなぁ」という心配もしながら、幸せな気分に浸った夜でした。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2008/01/12
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マイケル・ジャクソン氏(写真右 (C ) The Whisky Magazine)が8月30日、英国の自宅で心臓発作のため亡くなったという悲しい知らせが入ってきました。 マイケル・ジャクソンと言っても、あのお騒がせ歌手のマイケルではありません。同姓同名ですが、英国の著名なお酒(とくにウイスキーとビール)の評論家です。新聞にはビール評論家としているところが多かったようですが、僕にとってはウイスキー評論家としての方が馴染み深い方です。 ジャクソン氏はモルト・ウイスキー好きの方なら、おそらくほとんどの人が持っている「モルトウイスキー・コンパニオン」(写真左下=邦訳は小学館刊)という有名な本の著者で、「ウイスキー・マガジン」の編集者でもありました。 彼は「モルトウイスキー・コンパニオン」の中で、スコットランドのウイスキー蒸留所から生産されたシングルモルトの銘柄(現在では閉鎖されている蒸留所も含めて)のほぼすべてをテイスティングし、初めて100点満点で採点しました。 すなわち、ジャクソン氏は「モルト・ウイスキー界のロバート・パーカー」(ワイン好きの方ならご存じですよね)のような存在でした。僕もご多分にもれず、モルト・ウイスキーを飲み始めた頃、銘柄選びの際、このジャクソン氏の本を一つのよりどころにさせて頂くなどとてもお世話になりました。 ある銘柄のモルト・ウイスキーが旨いかどうか、どの程度旨いかを点数化するという行為には、プロのバーテンダーの間にも賛否両論ありました。そもそも個人的嗜好にも左右される味わいを、特定個人の五感(好み)で評価していいのかという根元的な問題もあります。 マッカラン、ハイランドパーク、ラガヴーリンなど「(マイケルが)個人的に好きな銘柄には評価が甘い」という声もあります。実際、「あの本の評価なんて信用しなくてもいいですよ」というBARのマスターもいました。 確かに特定の個人が付けた評価は、絶対不可侵のものではありません。僕もジャクソン氏の評価には「ちょっと違うんじゃない?」と思う銘柄もありました。そして、あくまで最終的には自分自身が感じる旨さ(味覚)を物差しにしてきました。 しかしそれでも、彼のシングルモルトの評価は、数多くのウイスキー愛好家を納得させるものがありました。モルト・ウイスキーを一部の愛好家ものから一般大衆のものに変えるきっかけをつくった方でした。 「ウイスキー・マガジン・ライブ」ではたびたび来日した親日家でしたが、僕は直接お会いしたことはありません。それでも数多くのモルト・ウイスキーに近づくきっかけをつくってくれた恩人には違いありません。 享年65歳。ほんとに若すぎる死です。心から冥福を祈りたいと思います。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/09/03
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飲酒運転での悪質で悲惨な事故が相次いで、ここ1~2年で道交法の刑事罰が強化されるとともに、「酒気帯び運転」の基準も0.25mg/Lから0.15mg/Lへと厳しくなりました(より罰則が厳しい「酒酔い運転」は外見的な酩酊度で警察官が判定します)。 それでも新聞やテレビによると、飲酒・酒気帯び運転で悪質な事故を起こす輩(やから)が絶えません。悲惨な被害者を生み、自分も加害者として賠償責任に苦しむのに、なぜ、いまだに飲酒運転をする人間が後を絶たないのか、僕にはよく理解できません。 酒を飲むと判断力が鈍ります。それは僕も同じです。酒好きだけれどさほどアルコールに強くない(顔が真っ赤になる)僕なら当然ですが、顔に出ない人で、時々、「俺は酒に強いから運転くらい大丈夫」と言う人がいるから困ります。 10年前、20年前は、一緒に飲んだ時、お酒に強くて顔に出ないような人が帰途、マイカーを運転して帰っていく場面がありました。今ではさすがにそういう人とは出会いませんし、一緒に飲むことはありません(もし誘われても断ります)。 で、最近は飲酒検知器というもいろいろ市販されるようになってきました。先日、さる所から借りた検知器(市価約1万円の製品)=写真左=を使って、実際飲んだらどれくらいの呼気アルコール濃度になるのか、自らの体で調べてみました。 午後6時頃からビール350ml、焼酎ロック2杯、ウイスキーの水割りやロック3杯の計6杯を約5時間で飲みました。まず、飲酒中に測ってみました(息を吹きかける検知器です)。飲酒開始後1時間で早くも0.67mgです。やはり凄いですね。 飲酒3時間後の午後9時過ぎに測ると、「おぉー!」自分でもびっくり。1.14mgを記録しました。自分では、精神はしゃきっとしているつもりですが、やはり酔っているのかもしれませんね。 ただし飲酒5時間後に再度測ると1.05mgです。ほとんど横ばい、高値安定という感じ。こんな状態で車を運転したら、自分では酔っていないと思っても、きっと大変なことになるでしょう。 飲酒停止後3時間の午前2時頃、寝る前にもう一度測りました。酔いは少し醒めた感じもしますが、まだ0.48mgありました。アルコールはまだまだ抜けていません。深夜に、もう飲酒検問はないだろうと思って、ハンドルを握るときっと留置場行きです。 翌朝の10時にもう一度測りました。息はまだ酒臭い気もするのですが、なぜか検知器は0.00mgを示しました(息が臭い気がするのは気のせいなのか?)。検知器ではOKでしたが、検知器の精度を100%信用するのもよくありません。自分で「二日酔いかなぁ」と思う間は、やはりハンドルは握らない方が賢明だというのが僕の結論です。 皆様もくれぐれも飲酒の後は絶対に車の運転などしないでください。飲酒検問に会えば一発で免許取り消しです。万一、死亡事故でも起こせば貴方も、貴方の家族も、被害者の家族もみんな悲劇のどん底に落とされるのですから。それでも貴方は飲酒運転をしますか?こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/08/21
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久々に焼酎浸りしました。行きつけの酒場の一つBar「C」は、ウイスキーやワインだけでなく、日本酒や焼酎の品揃えがハンパじゃないのが嬉しい。 そう大きくもない店のどこに隠しているのかと思うほど、次から次へと新しいストックが増えている(しかも、素人が普通じゃ手に入れにくい稀少で、珍しい銘柄が多い!)。 で、この夜は焼酎をメインに酔いを楽しんだ。「一期一会」って言うけれど、焼酎との出会いもそんな気がする。銘柄選びは、いつも「麦で何かおすすめを」とか「芋で最近いいの入った?」とか聞いて、マスターに任せる。 すると、いつも期待を裏切らない面白い焼酎を出してきてくれる。まず最初は「三段じこみは麦味」という手書きラベルの逸品(写真左)。宮崎県の岩倉酒造という家族経営の蔵元が生産者という。 普通、麦焼酎は「米麹→麦」の二段仕込みがほとんどなのだが、これはその名の通り「米麹→麦→米麹」の三段階。しかもそれを3年熟成させるという。これで旨くないはずがない。 僕はいつものようにロックでいただく。味わいは麦香も豊かで喉越しもよく、それでいて結構ハードなキレもある。この蔵元からは「月の中」というさらなる逸品が出ているそうだが、こちらは入手超困難なのだとか。残念。 気分を変えて芋に移る。「川越」(写真右)という一本。こちらも宮崎の小さな蔵元(「川越酒造場」)だが、ご夫婦2人だけで営むというから、生産量はたかがしれている。 朝掘りの「黄金千貫」という芋をその日のうちに丹念にかめに仕込む。機械も使わず2人だけで造るので、年に数百本が限度とか。 味わいはまろやかで、優しい。噂が噂を呼んで、マニアの間で評価が広まり、ANAのファーストクラスで採用されたこともあるという。 この「川越」もネット販売でも高値が付いて、そう簡単には手に入らない。一時はこのご夫婦の代で蔵をたたむという話だったが、息子さんが後を継ぐことになったというニュースを聞いた。とりあえずはひと安心だ。 3杯目、また麦に戻る。プレミアム芋焼酎で有名な「佐藤酒造」がなんと初めて「麦」に挑んだ。でも、名前はやはり「佐藤」(写真左)。 これがひと口飲んで驚く旨さ。麦の素材感を生かし、柔らかく、上品な甘さと麦の香りが口中にふわーっと広がる。 麦香がウリで知られる「兼八」が荒々しい雰囲気が特徴なのに対して、この「佐藤」はどこまでも上品だ。さすが「佐藤酒造」。普通の麦焼酎は造らない。 残念なことに、この「麦の佐藤」は、蔵元も含めてほとんどの酒屋で品切れ状態で、マスターも「この1本が最後。もう当分手に入らないでしょうねぇ」と言う。 こうした上質の焼酎が普通に供給される時代が来ることを心から願う。そうなれば、ネット・オークションで高く売って儲けようという不届きな輩は駆逐されるだろう。 さて、最後にもう1杯と思って、再び芋を頼んだ。鹿児島の桜井酒造の「造り酒屋 桜井」という銘柄(写真右=これだけ撮り忘れたので画像は借用です。多謝!)。こちらも飲んでびっくり。「ほんとに芋なの?」と思うくらい、クセのない味わい。 聞けば、醸造過程で徹底的に雑味をそぎ落とす作業を重ねて、このようななめらかで、芳醇な甘さを生み出したのだという。 桜井酒造は1905年(明治38年)の創業というから、もう百年以上の老舗と言っていい。だが、ここも規模は若干大きいけれど、家族経営。旨くて上質の焼酎は、なぜか小規模の家族経営の蔵元産のものが多い。 「ものを丁寧に、大切に造る」という当たり前のことを、我々は忘れてはいないかどうか。上質の焼酎を堪能しながら、そんなことを思った夜だった。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/08/16
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皆様、長らくご無沙汰いたしました。2週間のブレイク(充電期間)をいただきましたが、本日からブログの日記を再開いたします。今後も、基本的には中3~4日くらいのペースで更新してゆくつもりです。時には、今回のような長めのお休みを予告なくいただくかもしれませんが、何卒よろしくお願いいたします。 ブログは04年11月にスタートしましたが、これほど長期間のお休みをいただいたのは、海外旅行の時以外は初めてです。突然、休んでしまったので、驚いたブログの友人の皆様から「何かあったんですか? 体調でも崩しているんですか?」と心配のメールもいただきました。 一応、ブログのトップページで、「充電のためにしばらくお休みをいただいてます」とアナウンスはしているものの、やはりこれほど長期になると、「病気にでもなったんじゃないか」と思われたようです。 この場を借りてお気遣いに改めて御礼申し上げます。 ご心配なく。体調は、ことのほか元気という訳ではありませんが、とくに悪いところはありません。ブレイクの間も、相変わらずBAR巡りをし、Bar・Mではピアノを弾いて歌っておりました。 ブログは2年半ほどほぼ2~4日に1回のペースで更新し続けてきました。さすがに、このあたりで少し、“充電”のためのブレイクがほしいなぁと思った次第です。 ブログでは個人的(プライベート)なことや時事ネタはテーマにしていません。タイトルにふさわしい酒やBARや音楽にまつわる、中身のあることを書くにはネタ仕込みにも若干の時間(準備)が必要です。 そういう意味で、少し毎回のプレッシャーというか、「疲労」がたまっていたのも事実です。でも、お陰様で気分もリフレッシュして戻ってくることができました。引き続きご愛顧のほどを! さて、再開第1回目の話題は、普段、僕の日記ではあまり登場頻度の少ないワインについて。大手の某S社本社(大阪・堂島)1階に、直営のワインショップがあります。先日そこで、極上ワインの試飲会があり、参加してまいりました。 試飲会のことは社内の友人が教えてくれたのですが、先着予約20名まで限定ということだったので、すぐさま電話して予約しました(幸い、間に合ったのでこうして報告ができる訳です)。 試飲会のテーマは「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ社のワインを飲んでみませんか?」です。そうです、あの「ロマネ・コンティ」の造り手のワインです。そうそう味わえる機会はありません(と言っても、さすがに「ロマネ・コンティ」は登場しませんでしたが…)。 出てきたのは「ロマネ・サン・ヴィヴァン」(98年)と「リシュブール」(同)という赤の2本。そして別の造り手から、「ヴィレ・クレッセ・キュヴェ/ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン」(02年)「プーイィ・フュイッセ/ドメーヌ・コルディエ」(04年)という白を2本。 この4種(杯)のテイスティングで5千円というお値段でしたが、フレンチ・レストランで飲めば、確実にこの倍以上は取られるでしょうから、とても良心的な参加費だと思います(ちなみに、もし「ロマネ・コンティ」を空けたら、「残念ながら、参加費は一気に3~4万円になってしまいますねぇ」とお店の方)。 で、お味の方はと言うと、「ロマネ・サン・ヴィヴァン」も「リシュブール」もさすがという貫禄でした。前者は繊細で、柔らかな気品を感じさせ、大地の恵みを凝縮したような味わい。後者は果実味にあふれ、複雑で華やかな花の香りを漂わせて、余韻も十分でした。 もともとワイン・マニアではないので、僕にはこれ以上のうまいコメントは言えません。まぁ、このクラスになると旨いのは当たり前。すなわち、それなりの高い金を払えば、いくらでも旨いワインは飲めるということの証かもしれません。 「ロマネ・コンティ」はまだ味わったことのない僕です。いつか飲めるかどうかは分かりませんが、飲めないまま死んでもさほど後悔しないと思います(ついでに言うと、あの「ペトリュス」もまだ味わったことはありません)。 幸い昔と比べると、1本2千円~5千円クラスのワインでも、格段にクオリティは上がっています。ソムリエ資格を持つ馴染みのバーテンダーも「ブラインド・テイスティングをしたら、プロでも間違うくらい、素晴らしいワインがいっぱいありますよ」と言います。 個人的にはお手頃のワインのなかから、旨いワインを見つけることの方が好きです。そんなコスト・パフォーマンスの高い、美味しいワインとこれからも出合っていきたいと願っています。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/06/25
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ウイスキーや焼酎は熟成の年数を重ねたものほど一般的に言って、旨いとされる。ワインも、モノによるが、ボルドーの一級シャトーなど上質のフルボディの赤ワインは、古いビンテージのものほど珍重される。 一方、醸造酒であるビールは、出来たてが命。時間が経てば経つほど味は劣化していく。せいぜい1年以内か。日本酒も同じだというのが常識だった。 ところが、いつもブログのネタをよくくれる行きつけのBar「C」のマスターが、「日本酒でも古酒ってあるの知ってます?」と来た。「えー?! ほんま? そら飲んでみなあかんなぁ…」と僕。 Bar「C」はさほど広くないキャパなのだが、ウイスキー(モルトを含め)からワイン、リキュール、日本酒、焼酎に至るまで、なぜかお酒の品揃えが普通のBARのそれではない(しかもマニアックな銘柄も多い!)。 で、マスターがしたり顔で出してきた。まずは、岐阜は白木恒助商店(「だるま正宗」という酒を造っている酒蔵だが、最近は「熟成古酒」の造り手としても有名だとか)の古酒。3種類出ていて、それぞれ「五年古酒」「十年古酒」「十五年古酒」とラベルにはある(写真左)。 見た目の色は、まるでウイスキーの琥珀色。もちろん古いものほど色は濃い。匂い(香り)は、「五年」「十年」は少し米酢のような酸味を感じる。しかし「十五年」は、ボトルの口で香りを嗅いでみて驚いた。「まるで醤油やんか…」。 しかし、味はどうか。とにかく3種類をグラスに注いでもらう。「五年」はまだ若々しい。古酒と言われても分からない。色は、木樽醸造の有名な銘柄「樽平」や「住吉」に近い。「十年」はやや赤っぽい色。芳醇な甘口で、奥行きもあって旨い。「五年」も「十年」も、香りとは違って酢のような味はまったくしない。 さて、問題の「十五年」。色はかなり濃い、ブランデーのような琥珀色。が、飲んでみると、なぜか、あの強烈な醤油の香りが消えている。まったく感じない。日本酒というより、リキュールっぽい。 「う~ん、どっかで飲んだことあるなぁ、この味わい。何やったかなぁ…」と思い出そうと悩む僕。そしてしばらくして、「そうや、これ、紹興酒に一番近いなぁ」と思いつくと、マスターも「そうですね、紹興酒に似てますね」と同意。 さて、古酒探訪と言っても、1種類で終わらないところが、このBar「C」の凄いところ。続いて、マスターが出してきたのは、高知の酒「美丈夫」の古酒「美丈夫・群田鶴」(浜川酒造、1998年醸造)=写真右上。 飲んでみると、これは上品な、ほのかな甘味が心地よい。酸味のバランスも絶妙。普通の保存状態では、9年前の日本酒なんて飲めたものではない(必ずや「米酢」になってしまっている)。 酒の品質をどうやって長期間保つ工夫をしているんだろうか。もちろん厳しい、徹底した温度管理をして保管しているのだろうが、造り方にも何か秘密があるのかなぁ? この夜の最後の古酒は、「慶(よろこび)」という愛知県の銘柄(山忠本家酒造、1999年醸造)=写真左。こちらは2つ目の「美丈夫・群田鶴」とは違って、さっぱり、すっきりの辛口系。 聞けば、3年物を中心に5年物の古酒をブレンドするという独特の造り方。だが、とても古酒とは思えないフレッシュさ。ほど良く冷やされた酒は、喉越しも良くて旨い。 「日本酒に古酒なし」という先入観が見事に覆された夜。何事にも先入観はいけないということを学んだ、嬉しい、楽しい夜でもあった。Bar「C」のマスター毎度毎度有難うございました!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/03/31
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僕が子どもの頃、亡き父(父は21年前に亡くなった)がウイスキーを飲んでいた姿の記憶は、あまりない。もっぱらビールや日本酒で、ときどき紹興酒だった。 しかしリビングルームの一角に、扉付きの上等そうな木製キャビネットがあり、その中の棚に、いつもウイスキーが何本か並んでいたことは、今でもよく覚えている。 必ずいつもあったのは、サントリーの角瓶。そしてジョニー・ウォーカーの赤や黒。そしてモルト・ウイスキーも、1本あった(もちろん、それがモルトであると知ったのはかなり後になってからだ)。 そのモルト・ウイスキーが「グレンフィディック」(写真左)という銘柄だった。独特の三角形をした緑色のボトルは、一度見たら忘れないフォルム。それが、僕が初めて見たスコッチモルト・ウイスキーでもあった。 おそらく1960年代、日本で一番出回っていて、有名だったモルト・ウイスキーは「グレンフィディック」だったろう。当時、日本国内で出回るウイスキーは、国産のを除けば、すべて「舶来の酒」と呼ばれていた。 「舶来の酒」は高かった。当時は従価税時代。ウイスキーの値段の半分は税金だった時代だ。それが、80年代後半、サッチャー英首相の圧力のおかげで日本の従価税は撤廃され、それまで、例えばジョニ赤で6~7千円していたのが、驚異的に安くなった。 父はそう酒に強い方ではなかった。しかし、モルトの瓶が棚に並んでいたということは、スコッチは好きだったのだろう。きっと、子どもが寝静まった夜中に、一人しみじみとこのモルトを飲んでいたのだろうなと想像すると、なんだか楽しい。 だからという訳でもないが、亡き父の思い出につながる「グレンフィディック」には、格別の思い入れがある。今でこそ、マッカランやボウモアなどの有力銘柄に埋没してしまっているが、僕は今でも、「グレンフィディック」は大好きだ。 グレンフィディック蒸留所(写真右上 (C)公式HPから)は1887年、それまでモートラック蒸留所で働いていたウィリアム・グラントという男性が独立して創業した。グレンフィディックとはゲール語で「鹿の谷」を意味する。 彼が目指したのは(おそらく)大衆の支持を得る欠点の少ないモルト・ウイスキー。そしてレモンや洋梨を思わせる香りを持ち、ライトでスムースで、芳醇な味わいを漂わせる素晴らしいモルトを産み出した(写真左=多彩な商品ラインナップも魅力。これは1972年もの限定ボトル)。 しかし当初は、ブレンディド・ウイスキーのキーモルトとして出荷するだけで、シングルモルトとして独自の製品は市場に出さなかった。実際、オフィシャル・ボトルのモルトが発売されたのは1963年と意外と新しい。 海外旅行に出ると、帰国時の最後の空港の免税店で、必ずと言っていいほど、グレンフィディックは大きなスペースを占めて売られている。それほど全世界でお馴染みの銘柄。シングルモルトとしての年間生産量(約1万kl)も、実はスコットランドではナンバー1だという。 グレンフィディックは、オフィシャル・ボトルでも、いろんな個性を持った商品を造り出していることでも知られている。とくにシェリー樽熟成の「長熟もの」(15年以上の)に素晴らしい商品が多い。 僕がとくに好きなのはシェリー樽熟成のボトルの「ソレラ・リザーブ」(写真右)というグレンフィディック。シェリー造り特徴でもある「ソレラ・システム」(詳しい説明は長くなるので、御免)で造られた長熟モルト。 豊かなアロマ、なめらかで奥行きのある旨さ。上品なシェリー香もよく出ている。まだ味わったことのない方には、ぜひおすすめしたいモルトの一つである。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/03/27
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「今夜は気分を変えて…何かいつもと違うものを飲もうかなぁ…」と馴染みのBAR「C」のカウンターでつぶやく。それを聞き逃さなかったマスター。「じゃぁ、今夜は、アイリッシュしばりでいきますか? ブログのネタにもちょうどいいですよ」と。嬉しいことを言ってくれるじゃないか。 という訳で、その夜は珍しくアイリッシュ・ウイスキーを堪能した。アイリッシュと言えば、大麦麦芽だけでなくライ麦や小麦などを使い、単式蒸留器での3回蒸留が特徴。麦芽の製造にはスコッチのようにピートは焚かず、石炭を焚くことでも知られる。 「ジェイムソン」「ブッシュミルズ」「タラモアデュー」の3大銘柄が有名で、この3銘柄はほとんどのBARで置いている「マストアイテム」と言っていい。他にも最近は「コネマラ」「グリーン・スポット」「レッドブレスト」という銘柄も結構ポピュラーだ。 しかし普通の銘柄を飲んで満足する僕ではない(笑)。まず、最初は「ワイルド・ギース(Wild Geese)」(写真左上)。久々のアイリッシュの新銘柄だ。その名は「野生のガンたち」。 アメリカがまだ英国の植民地だった17世紀半ば、プロテスタント教徒に弾圧されたスコットランドのカトリック教徒たちの一部は、新天地を求めてフランスへ渡った。 そんな人たちのことを、渡り鳥にちなんで「ワイルド・ギース」と呼んだという。このウイスキーはそんな人たちに捧げられたもの。モルト含有率が高く、しっかりしたボディ。しかもバランスの良さもウリだ。 2杯目は「ロックス(Locke‘s)」(写真右上)という銘柄の8年熟成のモルト・ウイスキー。アイリッシュには、モルトの銘柄は少ないので稀少な存在とも言える1本だ。 オレンジ色のやや派手なラベル、最近はあちこちのBARで目にするようになった。その名は19世紀の蒸留業者の名にちなむ。90年代初めに、そのロックスの造ったウイスキーを別の業者が再現し、復活させた曰く付きの酒。芳醇で柔らかい味わいがたまらない。 さて、3杯目は「ヒューイッツ(Hewitts)」(写真左中)。これもBARで時々、目にする銘柄。ただしこの夜、頂いたのは(たぶん80年代の)オールド・ボトルだった。 当然だが、オールド・ボトル特有の麦芽臭というか、「ひね香」がある。しかしそれはまた、オールド・ボトルの魅力でもある。上品な甘さ、優しい喉越し。スコッチにはない魅力を再発見した夜でもあった。 4杯目。「ジェイムソン・クレステド・テン(Jameson Crested Ten)」(写真右中)。アイリッシュのトップブランドである「ジェイムソン」蒸留所の子会社が造る姉妹ウイスキー。 シェリー樽熟成で、マイルドで、洗練された味わい。ライト&スムースがウリの「ジェイムソン」と飲み比べてみるのも面白いかもしれないと、ふと思った。 さて、最後に頂いたのは「メリーズ(Merrys)」(写真左下)という初めて聞く名のアイリッシュのシングル・モルト。アイルランド中南部のクロンメルという町にある小さな蒸留所で細々と造られているという。 聞けば、大量生産はしていないため、日本はおろかアイルランド国内でもなかなか目にできない稀少銘柄なんだとか。そんな銘柄を大阪で飲めるなんて、嬉しいね(マスターはいったいどうやって入手したんだろう?) 「メリーズ」は、元々はアイリッシュ・クリーム・リキュール製造用に造られたウイスキーという。華やかな香り、なめらかな味わいには理由がある訳だ。運良くBARで見つけられたら、迷わずお試しを! 一口で「アイリッシュ」と言っても、いろんな顔を持つブレンディドやモルトがある。スコッチに少し飲み疲れた時、ライトで、喉越しのいいウイスキーの多いアイリッシュは、「酒呑みの清涼剤」になる(笑)。 そう言えば、もうすぐ「聖パトリック・デー」(3月17日)。アイルランドの聖人をしのびながら、今夜も乾杯!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/03/09
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来年度の予算編成の仕事が佳境に入っていて、多忙のためブログの更新もままならない(そうは言いつつも、BARには適度に出入りしているが…)。 きょうで1月も終わり。結局、めちゃ寒い日はないままに終わった1月だった。皆さんの住む地方は同じという訳ではないだろうが、ほんとに異常気象な冬だ。 それはともかく、寒い冬には普通は出番も減るはずのビールだが、今年は結構飲んでいる。BARでは生ビールも頼むが、1パイントを飲むとそれだけでお腹が膨れてしまうので、だいたいがハーフ・パイントで頼む。 それに生だけでなく、瓶で変わったのがあれば、よく飲む。地ビールも最近はいろいろな種類が次々と生まれてきたし、輸入されるビールも以前よりもさらに種類が多くなり、楽しみが増えた。 で、最近飲んだ、ちょっと変わったビールをあれこれ紹介すると。まず、東京のとあるBARで飲んだ新潟酒造の地ビール「エジンバラ」(写真左上=なんで新潟なのにエジンバラ?)。 ベルギーの有名な「シメイ」で知られる「トラピスト製法」を日本で初めて採用し、瓶内二次発酵する(=長い熟成が楽しめる)というのがウリだ。 新潟酒造は何種類かのビールを生産しているが、この「エジンバラ」は英国産の極上モルトを使ったエールタイプ。芳醇で、甘い香りが広がり、余韻も豊かなビール。 日本の地方の小さなビール・メーカーがここまで上質の製品を造り出すとははっきり言って驚きだ。皆さんもどこかで見かけられたらぜひ一度味わってみてほしい。 次は、ギネス。と言っても普通の黒いギネスではなく緑色の缶に入った茶褐色の「ギネス・ビター」(写真右上)。ビターというからあのギネスよりさらに濃くて、苦いのかと思いきや、味わいはエールに近い優しい味。 普通のギネスにちょっと飽きた人に、おすすめかなと思う。エールだけど、もちろんバスペールなどとも違う、ギネスらしい個性は残しつつのエール風(話は飛ぶけど、ギネスってほんとにカツサンドに合うよね)。 さて3つ目は「セント・アンドリュース」(写真左)。その名の通り、「全英オープン」も開催されるあのゴルファー憧れのコースのクラブハウスで唯一売られているビールだとか(「じゃぁ、なぜ日本で飲めるんだ?」なんて野暮なことは聞かないで)。 これも、僕の好きなエール・タイプで、色は茶色っぽいが、香りと苦みのバランスがとてもいい。イギリス人って、こういうエール・タイプを造らせればほんとに上手いなぁ。 4つ目。僕が以前のブログ=05年8月18日の日記=で最近一番気に入っていると書いたビール「ブルックリン・ラガー」の親戚のような製品、「ブルックリン・ペナント・エール」(写真右)。 ロサンゼルス・ドジャースの前身、ブルックリン・ドジャースのワールド・シリーズ優勝(1955年)の50周年を記念して造られたビールという(ということは限定品かな?)。 まろやかな口当たり、ほのかで上品な甘さ、華やかなドライ・ホップの香り。バランスの良さはやはり「ラガー」譲り。旨さに太鼓判を押します。皆さんは最近、どんなビール飲んでますかぁ?こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/01/31
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お正月気分も薄らいできたこの頃。皆様いかがお過ごしでしょうか? 馴染みのBARも相次いで営業を再開し始め、それに合わせて僕の07年のBAR巡りもまたスタートしました。 お正月のワインや日本酒にも少し飽きてきて、ぼちぼち「美味しいモルトが飲みたいなぁ…」と僕のウイスキーの虫が蠢き始めました。 あるBARのマスターからの年賀状に、「1月第2週にモルト・ウイスキーを半額でご奉仕いたします」と記されていたのを、僕が忘れる訳がありません。 「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしまーす」と年始の挨拶をする僕に対し、「御神酒代わりにどうぞ」と特製のフルーツ・パンチを1杯くださいました。 “御神酒”もそこそこに、早速、モルトを頂戴することに。マスターはすでにお勧めのモルトを考えていたらしく、次から次へと棚からモルト取り出し、カウンターの上に並べていきました。 冒頭の写真に映っているのはごく一部ですが、左からグレン・リベット1972年、ハイランドパーク30年、ラフロイグ1974年(31年もの)、マッカラン25年、ピアレス・ボウモア1966年です(左から4本はいずれもオフィシャル・ボトルです)。 で、僕はこういう時にしか飲めない上等・上質で、稀少なモルトを飲むことにしました。まず1杯目に飲んだのは、ボトラーズとしては有名なピアレス・コレクションのボウモアの1966年(写真右)。 このピアレスの60年代のボウモアは、パッション・フルーツやオレンジの芳香が漂う極上の味わいで知られていますが、僕は68年と69年ものしか飲んだことがありません。 普段は1杯4千円が2千円で味わえる。しかも未体験の66年とあれば、ぜひ一度味わってみたいと思うのはモルト好き、ボウモア好きの僕としては、当然でしょう。 味わいは、もちろん期待通りでした。あと何年、僕らはこういう素晴らしいボウモアを味わえるのでしょうか。いつかはなくなる60年代もの、と考えるとさびしくなります。味わえるうちに、この至上の幸福に浸るしかありません。 もう1杯は、「世界限定2500本のボトリング」というオフィシャルのグレン・モーレンジ1971年「ザ・カローデン・ボトル」(43度。24年熟成で、95年に瓶詰めした限定ボトル)=写真左です。 「カローデン」というのはスコットランド軍とイングランド軍が激闘を繰り広げた1746年の「カローデンの戦い」を意味します。このボトルは、その250周年を記念して96年発売されたとのことです(これも通常の半額、2千円という涙もののお値段でした!)。 グレン・モーレンジと言えば、アイラ系でもないし、マッカランやグレン・ファークラスのように、シェリー樽香を強調したモルトでもない。僕には、「なんとなく個性に乏しいモルト」というイメージ(印象)でした。 そんなグレン・モーレンジだが、マスターは「これは凄い、驚愕のモルトですよ。凄くピートが効いていて、まるでボウモアの『バイセンテナリー』(1979年にボウモア200周年を記念して限定発売された、今では1本20万円近くする稀少モルト)のような味わいなんです」と興奮気味に話す。 確かに、マスターの表現は正しかった。「バイセンテナリー」は以前、飲んだことがある。「究極のボウモア」とも言える味だが、僕の舌と脳裏にある味の記憶と、このグレン・モーレンジ限定ボトルの味わいはとても似ていました。 そして、このモーレンジ限定ボトルは、これまで僕が飲んだどのモーレンジよりも旨く、そしてピーティで、ほのかなスモーキーささえ感じる味わいでした。モーレンジ恐るべし!(写真右=モーレンジ「ザ・カローデン・ボトル」は立派な証明書付きでした)。 ちなみに一緒に同行したモルト好きの同僚は、グレンリベット1972年とマッカラン25年を頼みました。そして、お互いのモルトを少し交換して、計4種類を味わい合いました。 という訳で、お正月早々、超極上のモルトを飲んで、とても幸せな気分になりました。これを上回るモルトに今年また出合えるかどうか。モルトの世界は行けば行くほど奥が深いです。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/01/11
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スコットランド産のシングル・モルトは、本土のほか、6つの島(アイラ島、ジュラ島、アラン島、マル島、オークニー島、スカイ島)で生産されている。 アイラ島以外の5つの蒸留されるモルトは、「アイランズ・モルト」とも言われ、それぞれに個性溢れるモルトを産み出している。 今回紹介したスカイ島産の「タリスカー(Talisker)」(写真左=オフィシャルの10年ものです)も、アイラでもジュラでもアランでもない、独特の味わいが特徴だ。 僕が「タリスカー」と出合ったのは、本格的にモルトを飲み始めてしばらく経った頃。島生まれのモルトに共通する潮の香りやスモーキーさはある。 しかしそれだけではなく、スパイシーで、力強くて、ぴりぴりくるようなテイスト。しかし少し加水すると、ドライ・フルーツのような甘い香りも現れるから面白い。 プロのウイスキー・ブレンダーはよく、「舌の上で爆発するような」とか「強い胡椒のような風味」とか表現する。そんなモルトはスコットランドでも、他にはない。強いて言えば、オークニー島産の「スキャパ(Scapa)」に近い雰囲気がある。 タリスカー蒸留所(写真右)は1831年、スカイ島の西岸にあるカーボストという町で創業。現在でも、島で唯一の蒸留所だが、当初は地元の教会から、「風紀が乱れる」と猛反対されたという話も伝わっている。 独特の「胡椒のような風味」はどこから生まれるのだろうか。それは、独特の形状をした蒸留所の初留釜(ポットスチル)に秘密があるという。 初溜釜から再溜釜へつながる中継管の途中から細い管が枝分かれし、その管は再び元の初溜釜へ戻る仕組みになっている。 初溜の後、中継管に残ったニューポット(蒸留されたモルトの原液)は再び、初溜釜に戻り、初溜釜のニューポットと混じり合い、再び蒸留される。 こうして繰り返し蒸留されたニューポットはどんどん、スパイシーで、濃厚な味わいに変身していくのだという(写真左=オーク樽で熟成させた後さらにシェリー樽で熟成させた「ダブル・マチュアード」。旨いです)。 もう一つの秘密は、モルトの造りの仕込み水に使われる蒸留所の周辺の地下水。この地下水なしではあの独特のスパイシーさは生まれないという。蒸留所の数だけ違った味わいがあると言われるのは、やはり仕込み水の個性に負うところが多いのかも。 そして、蒸留所はごつごつした岩場の多い海岸べりにある。長い熟成の眠りにつく間、海からの潮っぽい風に包まれて、スパイシーでパワフルでスモーキーな「タリスカー」が育っていく。 昔はそんなに飲まなかったタリスカーだが、最近は結構、BARで頼む頻度は多い。アイラでもスペイサイドでもない独特の個性。ボトラーズ(独立系瓶詰め業者)のモルトも数多い(写真右=今はなきオールドボトル。昔飲んだけど、感動ものでした)。 普通のモルトに飽きた人は、ぜひ一度BARで「タリスカーをストレートで」と頼んでほしい。そして、まずそのまま味わって、その後1対1くらいに加水して味わってほしい。きっと、今までとは違うモルトの世界が開けるはずだ。 ちなみに、銀座にこのモルトの名をとった有名なBAR(僕も時々お邪魔するお店です)があるけれど、マスターのUさんは、以前、ある雑誌で一番好きなモルトとして「グレンリベット」を挙げていた。じゃぁ、なんで「タリスカー」なのかな? 今度聞いてみようっと。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2006/12/10
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ベルモットと言えば、ワインをベースにして様々なハーブを配合してつくられる酒。ドライとスイートという2つのタイプがあるが、ドライ・ベルモットは、カクテルの王様「マティーニ」をつくるに当たって、ジンとともに欠かせない。 BARでマティーニを味わう方は多いと思うが、マティーニほどバーテンダーの個性がよく表れる、奥が深いカクテルもないだろう。一説に、「バーテンダーの数だけマティーニがある」と言われるくらい。 ただし、マティーニで使うドライ・ベルモットの銘柄では、日本のBARでは、きりっとしたバランスの良さを買って、フランスのノイリー・プラット社のベルモット(写真右)を使うバーテンダーが圧倒的に多い(と少なくとも僕は思う)。 もちろん、他にもスイート・ベルモットで有名なイタリアのチンザノ社やマルティーニ社のドライを使うバーテンダーさんもいることはいる。まぁ、はっきり言って、これは好みの世界の話かも。 先日、あるBARで、「こんなベルモットがあるんですが、知ってますか?」と声をかけられ、1枚のちらしを見せられた。「この一滴がマティーニの世界を変えるかも知れない?」という大胆なキャッチ・コピー。 その名は、シャンベリー・ベルモット「ロタン」(写真左)とあった。フランス・サヴォア地方のシャンベリーで、同地方の原料のみを厳選して生産されるベルモットという。 ちらしに曰く、「35種類のハーブ&スパイスを配合した長期熟成タイプのベルモット。1890年の開発当時の幻のレシピをこのたび再現した」ともある。こんなそそられる説明を読めば、飲まずにはおれない。 バーテンダー氏は、「どうします? マティーニにします? それともそのままいきます?」と聞いた。僕は迷わず、「最初だから、そのままロックで味わってみるよ」と答えた。 「ロタン」の最大の特徴は香りだろう。きりっとした華やかさ、フルーティーさを漂わせ、甘すぎず、軽すぎず、今までのドライ・ベルモットとは一線を画す味わい。聞けば、最近はマティーニにこの「ロタン」を使うバーテンダーも増えてきたとか。 味わい的には、食前酒に限らず、ロックで飲めば、アフター・ディナーでもいけそうな感じ。ベルモットやマティーニの価値観が変わるかどうかはともかく、実に面白い味わいではある。まだ置いているBARは少ないかもしれないが、もし見かけられたら、皆さんもぜひお試しを!【追記】次回24日の日記は出張のためお休みさせていただきます。26日頃再開いたします。よろしくお願いいたします。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2006/11/21
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スコッチモルト・ウイスキーのなかで、僕がとくに好きなのはシェリー樽熟成のモルト、そしてもう1種類、アイラ島で生産されるスモーキーでピーティーなアイラ系モルトだ。 アイラ島のウイスキー蒸留所と言えば、ボウモアやラフロイグ、ラガヴーリン、アードベグなどが有名。とくにボウモアとラフロイグは、日本のBARでも今では置かない店はないくらい親しまれている。 アイラ・ウイスキーには他にもカリラ、ブルックラディック、ブナハーブンという銘柄があり、そして今は閉鎖中のポート・エレンを入れても計8銘柄しかないというのがこれまでは常識だった。 中身が不詳の「フィンラガン」(カリラともラガヴーリンとも言うが…?)というアイラ銘柄もあるが、これは独立系瓶詰め業者(ボトラーズ)の商品だから、独立した蒸留所とは言えない。 他にも、「アイリーク」とか「セブン・アイルズ」とかいう銘柄もあるが…。これは確か、ヴァッティド・モルトだったよねぇ…?。 そんなアイラ島に、「新しい蒸留所が出来たという話、知ってますか?」と先日、あるバーテンダーの方に教えてもらった。 ブルックラディック蒸留所よりもさらに西、アイラ島の最西端、ロッホサイド・ファームという町に出来た「キルホーマン(Kilchoman)」という蒸留所(写真左上&右 ( C ) 日記で使用した写真4枚はいずれも同蒸留所のHPから拝借。多謝です!)がそれ。 ウイスキーマガジン誌などの情報によれば、同蒸留所は、大手資本には属さない独立したベンチャー資本による、小規模な経営スタイルをとるという。 自家農園で大麦も栽培し、ポットスチルはアイラ島の伝統的な形を再現したものを使い、初溜では手間のかかる石炭直火炊き方式を採用するとか。 興味深いのは、ラフロイグやスプリングバンクの元マネジャーがコンサルタントとして協力していること(写真左=KIlchoman蒸留所の熟成倉庫。樽の蓋が青いのが特徴的だ)。 ラフロイグのような超スモーキーなモルトを目指すのか、スプリングバンクのような、やや濃厚で、潮っぽい感じのモルトを狙うのか、それとも中間的な雰囲気を追求するのか、想像するだけで楽しい。 ただし開設されたのは、まだ昨年(2005)の6月。一番樽を仕込んだばかりというから、商品化されるのは早くても2010年以降だろう。 今のところは、同蒸留所のホームページでも見ながら、アイラの新顔誕生への期待に胸を膨らませるしかない。 一足早くこの蒸留所を訪れた日本人の方のブログに紹介されていた報告によると、いちおう観光客を受け入れるビジター・センター(写真右)は備えている。 しかし、センターには試飲用や土産用やウイスキーは当然まだないので、お菓子のようなものを売っているだけだったとか(ちょっと寂しいねぇ)。 果たしてどんなアイラモルトが誕生するのか。市場にお目見えする日まで、健康でお酒が飲めるように僕も頑張らなくてはならないなぁ…。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2006/10/22
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「近頃飲んだ***」シリーズ第3弾です。先日、大阪キタのはずれの行きつけのBarへ、社内の友人と一緒にお邪魔した時のこと。このBarのマスターはいつもよく僕のブログを覗いてくれていて、時々書き込みをしてくれたり、直接感想を伝えたりしてくれる。 そして、ネタ探しに困っている僕の心を見抜いているかのように、時には、「こんな面白いお酒ありますけど、ブログにどうです?」と教えてくれる(嬉しいな!)。そんなマスターが今回、出してきたネタというのは、なんとカシス・リキュール。 ただし、そこらのカシス・リキュールではない。な、なんと、あのボルドー1級畑のワイン醸造家の一つ、ムートン・ロートシルトが産み出したカシス・リキュール(写真左)なのだという。 「一杯30mmで、1500円とちょっとお値段張りますけど、いいですかぁ?」と一応、聞いてくれる心遣いが嬉しい。しかし、そこまで言ってくれて、しかも造り手がムートンとあれば、飲まなくては「酒呑み」の名がすたる。 で、さっそく頂く。飲み方はストレートに小さな氷を1個浮かべて。正直言って、「どうせあのムートンが話題づくりのために出したんだろう」くらいにしか思っていなかったが、一口飲んでみて、はっきり言ってこれは「未経験の感動!」。 果実の風味がぎゅっと詰まった、この熟成感、凝縮感はただ、ただ素晴らしいというしかない。さすが、ムートンさん、普通のカシス・リキュールは造らないんやね。 1杯1500円は高いけれど、販売数は極めて少なく(限定約500本とか)、市販価格は3万~4万円。1500円(1本から25杯とれたとしても)でも、Barにとってはほとんど儲けはごくわずかだろう。もしBARで見かけられたら、ぜひ飲んでみることを絶対おすすめする。 ムートンのカシス・リキュールに感動していたら、マスターは「1杯サービスしときます」と言って、アラン・ヴェルデというブルゴーニュの名ワイン醸造家が産み出した「桃のリキュール」(写真右)をグラスに注いでくれた。 アラン・ヴェルデと言えば、今はやりのビオワインの造り手としても有名。自社の果樹園内で育てた最高級の完熟の桃を使って作られたこのリキュールは、パリの有名洋菓子店でも使用されているという。これでまずい訳がない。 エキス分がたっぷり染み込んだ、ジューシーで、上品な味わい。「こんなの飲んだら、普通の桃のリキュール飲まれへんやん!」と思わずつぶやいてしまった僕。 最後にリキュールの話題ついでに。最近Barで飲んだなかで、感動したリキュールの1本。「アマーロ・モンテネグロ」(写真左)というイタリア・ボローニャ産の薬草系リキュール(「イタリア版養命酒」なんて言う人も)。 普通のお酒にちょっと飽きたという僕に、あるBarのマスターが出してくれたのだけれど、これが薬草系というほど苦くはなくて、甘さとのバランスもちょうど良く、おまけに複雑なスパイシーさも漂う味わい。 ロックでゆっくり、じっくりと味わった僕は、昔、夏祭りの屋台で飲んだ「冷やし飴」を思い出した。飲んで何を連想するかはさまざまだろうが、とにかく旨いリキュールには間違いない。皆さんも機会があればぜひ。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】【追記】次回(10月3日)の日記更新は、地方出張のためお休みします。4日か5日あたりに更新します。よろしくお願いいたします。
2006/09/30
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近頃BARで飲んだウイスキーのなかで、印象に残った銘酒たちのことをあれこれと…。 まず、最初は大阪ミナミの行きつけのBAR「M」でいただいた「Blue Hanger30年」(写真左)。 「Blue Hanger」と言えば、あの「Cutty Sark」を生産するBB&R社の最上級ブランドとして知られるブレンディド・ウイスキー。 僕は昔、オールド・ボトルの青い瓶のものは飲んだことがあるが、この現行オフィシャル・ボトルの30年ものは初めて。 もうなくなったブランドかと思っていましたが、どっこいしぶとく残っているんですね。味わいの方は、蜂蜜のような甘さとフルーティさが程良く調和し、スパイシーな余韻もあって、極上の喉越し。文句なしです。 次に紹介するのは、ボトラーズものの「Strathisla1958」(写真右)。名古屋のとあるBARで頂いたもの。 「シェリー樽系で何かおすすめを」とお願いして、バーテンダーさんに選んで頂いたもの。今から48年前の酒とは思えないほど、ボディーもしっかりしていて、奥行きもたっぷり。 オロロソ(たぶん)・シェリー香が十分に染みこんだ、素晴らしい味わいです。お値段も信じられないくらい良心的だったので、感激した記憶が残っています。 3つ目は、「Tomatin1990」(写真左)。実はこれ、あるブラインド・テイスティング・コンクールの特別賞の賞品です(優勝したわけではありませんが…)。 ブラック・ラダーのボトラーズもの。樽出しなので度数は62度くらい。がつんと来て、旨さ爆発という感じ。麦芽臭もぷんぷんして、あの「ミッシェル・クーブルー」にも似た味わいと言えば、わかってもらえるでしょうか。 このボトル、度数が高くて一人ではとても飲みきれないので、少しだけ飲んで大阪キタの行きつけのBAR「C」に寄贈いたしました。たぶん、まだ残っていると思うので、ご所望の方は、ぜひどうぞ。 4つ目は、モルト好き、アイラ好きの方なら、たぶんもう味わったはずの「Ardbeg Still Young」(写真右)。 同じ「Ardbeg」の「Very Young」(6年熟成)に続くシリーズ。確か8年熟成でしたよね。 「Ardbeg」のオフィシャルでは、個人的には「Uigeadail(ウーガダール)」というボトルが一番好きですが、こうした若い熟成ものも捨てがたいです。 若々しいなかにも、ピーティーな味わいはしっかり付いて、ほのかな甘みも感じられます。限定シリーズなので、いずれなくなるかもしれません。もし、BARで見かけられたら、「Very Young」ともどもぜひお試しください。 最後は、久しぶりにオールド・ボトル(OB)。とあるBARのバック・バーの棚に、見つけた「ハイランド・ネクター」(写真左)。 従価税時代のもので、それも「たぶん60年代?」という代物。僕も70年代(?)の未開封のを1本持っているのですが、まだ味わったことがなくて、せっかくの機会だからお願いしました。 写真は、なぜかミニチュア瓶みたいに見えますが、これでしっかりフルボトル(ボトルの形が特徴的です)。 OB特有の麦芽臭は当然少しありますが、味わいは実に滑らかで、上品な甘さを感じました。昔のウイスキー職人の心意気が伝わる1本です。 聞けば、この「ハイランド・ネクター」。10数年前に生産中止になったとのこと。伝統のブランド(銘柄)がまた一つ消えました。本当に残念です。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2006/09/27
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グレンファークラス(Glenfarclas=写真左は、オフィシャルの12年物)。日本でもモルトBARならまず、置いていない店はないスコッチモルトだろう。シェリー樽熟成モルトが好きな僕だが、この「グレンファークラス」を飲み始めたのは約6年半ほど前で、比較的最近だ。 その特徴は、シェリー樽由来による赤みがかった琥珀色と上品な甘さ、そしてピートを効かせたスモーキー香。同じシェリー樽熟成のモルトには、マッカラン、グレンドロナック、エドラダワーなど他にも有名な銘柄がある。 しかし、グレンファークラスの味わいは、他のどの銘柄とも微妙に違う。シェリー樽も、オロロソだけしか使わないマッカランとは違い、各種のシェリー樽で巧みに造り分けをしているという。 1836年の創業。ハイランドのスペイサイド地方にある蒸留所(写真右 ( C ) オフィシャルHPから)を興したグラント家は、元々は農家だったという。銘柄の名は、「緑の草原の谷間」を意味するゲール語に由来するとか。 買収に次ぐ買収で、次々と大手製造業者の傘下に再編されていく蒸留所が多いスコットランドで、このグレンファークラスは数少ない独立系業者である。しかも、創業者一族が今なお経営を続ける数少ない蒸留所でも知られる。 スコットランドでは元々人気があった銘柄だった。サッチャー元・英首相が大好きな銘柄としても有名だった。そして80年代以降、英国外へ数多く輸出されるようになってからは、欧米各国やアジア、とくに日本でもモルト愛好家に好んで飲まれるようになった。 オフィシャルも10年物から30年物(写真左)、さらには樽からほとんど加水せず瓶詰めした「105」(アルコール度数は60度!)まで多彩な商品を揃えているが、ボトラーズ(独立系販売業者)で扱うところが多いことでも知られる。 僕がBARでよく頼むのは、オフィシャルの「12年物」。オフィシャルの中でも「12年物が一番完成度が高い」という評判は、 バーテンダーからもよく聞くけれど、確かに安心して飲めるシェリー系モルトの一つだと思う。 もちろん、ボトラーズの「グレンファークラス」でも、面白いものがあれば、頼むこともあるが、時々期待を裏切られることも(写真右=3月の「テイスティングの集い」で飲んだ「105」のオールド・ボトル。旨かった!)。 オフィシャルの「25年物」でも、日本の酒屋さんでは1万円を切る値段で売っているところもある。良質のモルトを手頃な価格で提供したいという創業者の心意気の現れか?(18年物に2万円以上の小売り価格を付けている会社は、反省してほしいなぁ…)。 グレンファークラス。シェリー系モルトでマッカランしか味わったことのない方は、ぜひ一度、BARで頼んでみてください。また新たな「モルト観」が生まれるに違いない。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2006/08/31
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いろんなお酒を日常的に飲んでいるから、たまには変わったお酒が飲みたくなる。今夜はビールも、ウイスキーも、ワインも、日本酒も、焼酎も、ホワイトスピリッツも飲みたくなーい。 そんな時は、行きつけのBarで、「こんな夜に何かいい飲み物はないかなぁ?」と我が儘を言う。すると、マスターはしばらく考えて、「じゃぁ、こんなお酒はどうです?」とバックバーの棚から1本のボトルを取りだした。 それはマール(Marc)。マールとはワインを造る際に絞った葡萄の絞りカスを、再発酵させて蒸留したブランデー。マールとはフランスでの呼び名で、イタリアだとグラッパと呼ぶので、名前を聞いた方もいるだろう。 マールは様々な銘柄が出ているし、僕も何種類かは味わったことがある。ワインでもないし、ブランデーでもない。だからと言って、二つを足して2で割ったお酒でもない、複雑な味わいのお酒。 「えっ、マール? 飲んだことあるけれど…」と言う僕に、マスターは「いや、普通のマールとはちょっと違う、面白い、特別なマールなんですよ」と応えた。そう言われるとちょっと好奇心がそそられる。 そのマールの名前は「クロ・ドゥ・タール(Clos de Tart)」(写真左)。普通、僕らがBARで出合うマールには、そんな名前の銘柄はない。「見たことないボトルやなぁ…」と僕。でもボトルの形は、ブルゴーニュっぽい。 それもそのはず、「クロ・ドゥ・タール」は、ブルゴーニュ地方のモレサンドニという村を代表する最高の畑が生むワインの銘柄で、13世紀から続く「グランクリュ(特級)」畑でもある。 特級の単独畑が産み出し、市場に出ているマールというのは、「たぶんこのクロ・ドゥ・タールだけでしょう」とマスターは語った(写真右=ワインとしての「クロ・ドゥ・タール」のラベルはこんな感じです)。 それならば、是が非でも味わってみなくてはならない。で、味わった僕の感想はと言えば、さすが「グランクリュ」畑から生まれたマール。熟成感たっぷりで、果実味も豊かな味わい、そして余韻のある上品な後味。 日本には輸入量は少ないかもしれないが、ネットでは取り扱っている業者もいるようだ。お値段はボトルで16000円~18000円と結構お高めだが、もし、置いているBARで出合ったら、ぜひ、一度味わってみてほしい。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2006/08/06
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