Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2007/03/09
XML
カテゴリ:
 「今夜は気分を変えて…何かいつもと違うものを飲もうかなぁ…」と馴染みのBAR「C」のカウンターでつぶやく。それを聞き逃さなかったマスター。「じゃぁ、今夜は、アイリッシュしばりでいきますか? ブログのネタにもちょうどいいですよ」と。嬉しいことを言ってくれるじゃないか。Wild Geese

 という訳で、その夜は珍しくアイリッシュ・ウイスキーを堪能した。アイリッシュと言えば、大麦麦芽だけでなくライ麦や小麦などを使い、単式蒸留器での3回蒸留が特徴。麦芽の製造にはスコッチのようにピートは焚かず、石炭を焚くことでも知られる。

 「ジェイムソン」「ブッシュミルズ」「タラモアデュー」の3大銘柄が有名で、この3銘柄はほとんどのBARで置いている「マストアイテム」と言っていい。他にも最近は「コネマラ」「グリーン・スポット」「レッドブレスト」という銘柄も結構ポピュラーだ。

 しかし普通の銘柄を飲んで満足する僕ではない(笑)。まず、最初は「ワイルド・ギース(Wild Geese)」( 写真左上 )。久々のアイリッシュの新銘柄だ。その名は「野生のガンたち」。Locke's

 アメリカがまだ英国の植民地だった17世紀半ば、プロテスタント教徒に弾圧されたスコットランドのカトリック教徒たちの一部は、新天地を求めてフランスへ渡った。

 そんな人たちのことを、渡り鳥にちなんで「ワイルド・ギース」と呼んだという。このウイスキーはそんな人たちに捧げられたもの。モルト含有率が高く、しっかりしたボディ。しかもバランスの良さもウリだ。

 2杯目は「ロックス(Locke‘s)」( 写真右上 )という銘柄の8年熟成のモルト・ウイスキー。アイリッシュには、モルトの銘柄は少ないので稀少な存在とも言える1本だ。Hewitts



 さて、3杯目は「ヒューイッツ(Hewitts)」( 写真左中 )。これもBARで時々、目にする銘柄。ただしこの夜、頂いたのは(たぶん80年代の)オールド・ボトルだった。

 当然だが、オールド・ボトル特有の麦芽臭というか、「ひね香」がある。しかしそれはまた、オールド・ボトルの魅力でもある。上品な甘さ、優しい喉越し。スコッチにはない魅力を再発見した夜でもあった。Jameson Crested Ten

 4杯目。「ジェイムソン・クレステド・テン(Jameson Crested Ten)」( 写真右中 )。アイリッシュのトップブランドである「ジェイムソン」蒸留所の子会社が造る姉妹ウイスキー。

 シェリー樽熟成で、マイルドで、洗練された味わい。ライト&スムースがウリの「ジェイムソン」と飲み比べてみるのも面白いかもしれないと、ふと思った。

 さて、最後に頂いたのは「メリーズ(Merrys)」( 写真左下 )という初めて聞く名のアイリッシュのシングル・モルト。アイルランド中南部のクロンメルという町にある小さな蒸留所で細々と造られているという。Merrys Single Malt

 聞けば、大量生産はしていないため、日本はおろかアイルランド国内でもなかなか目にできない稀少銘柄なんだとか。そんな銘柄を大阪で飲めるなんて、嬉しいね(マスターはいったいどうやって入手したんだろう?)

 「メリーズ」は、元々はアイリッシュ・クリーム・リキュール製造用に造られたウイスキーという。華やかな香り、なめらかな味わいには理由がある訳だ。運良くBARで見つけられたら、迷わずお試しを!

 一口で「アイリッシュ」と言っても、いろんな顔を持つブレンディドやモルトがある。スコッチに少し飲み疲れた時、ライトで、喉越しのいいウイスキーの多いアイリッシュは、「酒呑みの清涼剤」になる(笑)。



こちらもクリックして見てねー! 【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007/03/09 12:46:34 AM
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「続^2・びわ」 はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: